Part 8いじめはイメージ形成過程、可視化が大切!解決には、教室を開放せよ!

集団に属する個人は、集団内で形成されるイメージに同調しがちになるーこれが「付和雷同」の因子です。例えば、今クラスに「いじめ」があることに気づくと、構成員はそれを容認し、可視化の困難な教室という密室で、次第に「いじめ」がエスカレートしていきます。

そして、その際に「結束」の強い規律を守るクラスほど、はみ出した者を排除する方向に走るーこれが「規律・結束」の因子です。文化祭、体育祭、修学旅行など学校行事などが多い2学期に「いじめ」が多い傾向もあります。

さて、このメカニズムは、私の地域イメージ形成を理論構築したモデルで説明でき、自己(内部)と他者(外部)とのイメージが相互作用することで、外から付与されたイメージが、(例えば、A君は「いじめられっ子」のイメージ)集団内で優勢なイメージになり、気がつくと堅固なイメージの共有がなされてしまう、というものです(詳細は、田中美子著『地域のイメージダイナミクス』技報堂出版)。地域イメージは、内部から積極的に情報を発信するのに対し、いじめではひたすら外から見えない状況で深刻化し、最悪の場合、自殺に至る例も少なくありません。

この違いはこのシステムが地域では開放を目指すのに対し、いじめではシステムが閉鎖的であることです。従って「いじめは誰にでも起きる」ことを前提に、可能な限り早期発見し、優勢なイメージとして教師すら巻き込まれるものになる前に、関係者がその芽が小さいうちに、摘み取る必要があります。そのために、保護者や学校関係者、地域の役割が「外部」として機能することが期待されます。

 例えばクラス編成を頻繁に実施したり、他のクラスとの合同授業を実施するなど、メンバーが固定されない学校ではいじめが少ないことも確認されているのです。また仮想敵国のように、誰かを排他的に扱うことで集団内部の結束が高まる、という手法は(まるで戦前の「鬼畜米英ですね、笑)「集団の一体感のために必要」、という回答が多かったのも驚きです。

これまで長々と書いて参りましたが、系が開かれているか、閉鎖的か、が決定的に異なるが、自己組織性でポジティブフィードバックしていく、というシステムは地域イメージもいじめも同様なのです!

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