★極道学園(405)

紅林警部いわく、全国には26万人ぐらい警察官がいるそうだ。

彼が属する千葉県警は事務職員含めて12000人。かなりの大所帯だ。千葉県は犯罪が多いのだろうか。神奈川県はさらに警官が多く、15000~16000人くらいと聞く。

警官は昇進試験により昇格する仕組みになっており、

1.巡査→
2.巡査長→
3.巡査部長→
4.警部補→
5.警部←紅林は、いまココ
6.警視→
7.警視正→
8.警視長

以上八段階である。

警部は警官全体の5%とのこと。従って全国に13000人の警部がいることになる。紅林は警察組織の中でかなり上位の位置にいることが分かる。

紅林は都内の私立大学を卒業したあと警官になった。毎日真面目に勉強して昇進試験を受け続け、30を過ぎたあたりで警部になった。

事件捜査の指揮をとりながら午後十一時、朝十一時、つまり十二時間ごとに新聞の締め切りだ。これはかなりの重労働である。しかし紅林警部はいつもニコニコ、編集部員たちと楽しく仕事している。実に立派だ。

九十九里新聞は少数精鋭を基本方針としており編集部はわずか五名、port99の各所に配置したバイトの記者が二十名(固定給なし。記事一本いくら、という契約)、広告を取る営業マンが二人(固定給なし、完全歩合制)、高給をとって仕事しないぐうたら役員は一人もいない。社屋もプレハブだ。そのため新聞の購読費を安くできるのである。

この新聞を読めばport99内で開催される各種イベント情報、不動産、求人、新しく開店した飲食店、、全て分かる。たった月額500円である。

恋人募集欄もある。先日、銀蔵さんも彼女を募集していた。「僕が操縦するプロペラ機に乗っていただける方」と書いてあり背筋がひんやりした。

文芸欄にも力を入れている。ムラカメの小説のほかアマチュア作家の創作、俳句、川柳なども掲載されている。クイズ欄も人気が高い。

さらに言えば驚くことにこの新聞は出汁をとることができるのだ。読んだあと丸めてボールに入れ水に浸せば極上の昆布出汁がとれる。この紙は大学が開発した昆布紙と呼ばれるもので特許を取得している。世界広しと言えど調理に使える新聞は他には見当たらない。ちなみに朝刊は昆布、夕刊はかつおである。

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