見出し画像

Key case製作⑧ コバ処理 ”整形編”

こんにちは
東京オリンピックが終わってしまいました。。。
色んなことがありましたが、夢中になれた良きひと時だったのかもしれません。

さて、現実に立ち返りコバ処理です。
コバ処理は手を抜くことも可能ですし、丹念に仕上げて作品への思いを注入することもできます。
逆に言えば、コバ処理を見ればその作品(商品)の良し悪しが分かるということでもあります。
とにかくコバ処理は手間と時間がかかります。
ですので、コバ処理を”整形編”と”仕上げ編”に分けてお話してゆきます。

今日は、”整形編”
文字通り『形を整える』作業になります。 
使う道具は、以前紹介しましたが、改めますと
・紙ヤスリ(私は好んで耐水ペーパーを使います。)
・ヘチマ(身体を洗う為のヘチマスポンジ)
・リューターとリューター用のウッドスリッカー(こだわる方は必須アイテム)
・コバ処理剤(今回はクラフト社の”トコプロ”を使用)

先ずは、作業前のコバの状態

画像1

ある程度、整えた上でヒシ目を打ちましたが、こんな感じ。。。
気が遠くなります。。。

では早速、粗目のヤスリで…っとガリガリ削るその前に、、、
革の質は、どうですか?フカフカで柔らかかったりしませんか?
ステッチとコバの間隔はどうですか?R部分で近すぎたりしませんか?
そんな方は、粗目のヤスリで整形する前にコバ処理剤を塗布しましょう!
コバ処理剤は、革の質感を硬くします。硬くなればなるほど、削れにくくなるので時間はかかるのですが、柔らかい革に粗目(240番など)でガリガリやってしまうと削れ過ぎて収拾がつかなくなります。
当たり前ですが、削った物は元に戻りません。。。
私は、コバ処理剤に少しふのりを混ぜて、硬くしてから整形に入ります。
今回のこの革は、あまり質の良くない革でしたので、ザックリ240番の紙ヤスリで整形してからコバ処理剤を塗布しました。

ザックリとコバ処理した後の写真がコチラ

画像2

ヤスリで粗削りした後にコバ処理剤を塗布したのが、コチラ

画像3

若干変色しています。
この段階からヘチマで磨くのもいいと思います。
洗体用のヘチマスポンジをそのまま使うのではなく、使い易いサイズに切って、しばらく水に浸して柔らかくなってから水を絞り使いましょう。
ヘチマに含まれた水分でコバも少し引き締まります。
しっかり絞らないと吟面に水分が付着しシミの原因になりますので、注意してください。

コバが乾いたら仕上げ前に320番のヤスリで細かい部分の整形をします。

画像4

仕上げの一歩手前は400番の紙ヤスリで磨きます。(この段階になると「削る」ではなく「磨く」という表現かな!?)

コバの仕上がり具合は革の質に大きく左右されます。
削っても削ってもダメな場合、ステッチに支障が出てしまう可能性もあるので諦めましょう。
柔らかい革の場合、320番から始めるのが正解かと思います。
また仕上げで1000番や1500番までかける方もいるようです。

御自身の納得いく処理方法を模索するもの醍醐味の一つかと思います。
お師匠さん筋からは、硬くするために硬化剤を使うようなことも聞きました。

今回は短いですが、ココまで。

御自身のコバ処理方法を確立してみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?