今年のオールスター(AS)は去年のオールスターに比べて大きく盛り上がったと思う。今年はプラスワン投票によって阪神の原口文仁捕手が第1戦では9回裏に高橋周平のヒットの後レフトスタンドへ2ランホームランを放り込んだ。翌日も甲子園球場でホームランを放った。今年の3月に大腸がんを診断され、手術を終えてからリハビリを経て、原口選手はオールスターという場で全国の野球ファンに復活を印象づけた。また、2018年のドラフト1位で阪神から指名された近本光司選手は本拠地である甲子園球場でサイクルヒットを達成した。これは1992年に元ヤクルトの古田敦也さんが達成して以来の史上2人目である。久しぶりにワクワクするようなオールスターだったと思う。さて、AS前後にある炎上があった事をご存知だろうか。それはこのことである。→https://www.asahi.com/sp/articles/ASM7F3DQVM7FTIPE005.html
この記事はは現ソフトバンクのサファテ投手がサッカー女子アメリカ代表のキャプテンであるミーガン・ラピノー選手に対するツイートを削除し、謝罪したという内容だ。まずはその経緯から説明する。

1.経緯

まずはラピノー選手について説明していく。ミーガン・ラピノー(Megan Rapinoe)選手は今年開催された女子サッカーW杯で優勝したアメリカ代表のキャプテンを務めた選手で今大会で得点王と最優秀選手賞を獲得した。

彼女は自身が同性愛者である事を公表し、差別の撤廃、LGBTQへの権利拡大を主張している。

LGBTQとは
L:Lesbian(レズビアン)
G:Guy(ゲイ)
B:Bisexual (バイセクシャル)・・・異性、同性の両方と性的関係を持つ人。両性愛者
T:Transgender(トランスジェンダー)・・・生まれた時の性別と自分で認識している性別が異なる人
Q:Queer(キュアー) or Questioning・・・自身の性自認(自分の性を何と考えるか)や性的指向(どんな性を好きになるか)が定まっていない、意図的に定めていないセクシュアリティを指す。
ex:性自認や性的指向について「まだ決まっていないと思う」「わからない、違和感がある」「ひとつに決まるものではないと思う」などに当てはまるのがQueer,Questioning である。

話をラピノー選手に戻ろう。彼女はトランプ大統領の排外主義的発言に対して批判をしており、彼女はたとえ優勝しても「I’m not going to the fucking White House.(クソみたいなホワイトハウスには行きたくない。)」とも発言している。また、彼女はアメリカサッカー連盟による性差別を糾弾し、平均的な賃金と労働条件の実現を求めるような訴訟(https://www.bbc.com/japanese/video-48946513)
を起こした。彼女は試合後に次のように語った。

「誰もが次は何だ、何が望みなんだと聞いてくるようなので言いますが、今こそ賃金の平等や、その妥当性に関する議論をやめるべき時でしょう。(中略)話し合いの席に着きこの問題に取り組みべきです。「ピッチ上で男女のサッカーに違いはないということの証明だと思います。しかし、他の部分がそれに見合った状況になっているかというと、そうは思えません。」
参照(https://www.google.co.jp/amp/s/www.afpbb.com/articles/amp/3234099)

またラピーノは2016年、黒人への警察暴力に抗議して試合前の国歌演奏で膝をついた。フランスでの今回のW杯では、試合前の国歌演奏で起立はしたものの、右手を胸に当てる仕草は拒否した。

このような差別の撤廃を主張をしたりする事は反感を買うことが多い。実際に決勝戦後に彼女が載っているポスターが破かれたり汚されたりするなどのことが起こっている。
そして、ここでサファテ投手のツイートの話をする。サファテ投手はラピノー選手を名指ししてこのようにツイートをした。

このツイートを日本語訳すると「おい、ラピノー。もしそんなにアメリカが嫌いなら、出ていけ！誰も君を止めないだろう。」と。そのツイートに現巨人・マシソン投手が「Agreed!」とリプしている。次の章ではなぜサファテ投手のツイートから今日の社会を考える。

2.差別的？なツイート

サファテ投手は敬虔な保守派のクリスチャンである。これは私の考えだが、サファテ投手はリベラル的なラピノー選手の言動や国旗や国歌に対しての敬意を示さないことに憤りを感じ、あのようなツイートをしたのだろう。なぜラピノー選手は国に敬意を示さないのか。それが理解できずにこのようなツイートとも思う。
このツイートは性的マイノリティを差別するようなツイートとして炎上した。個人的な考えとして、この発言に対して苦言を呈していたリベラルの方達が言う「多様性で寛容な社会」を目指すなら、この発言を差別だと言って発言者を「レイシスト」「ネトウヨ」とレッテル貼りすることが「多様性で寛容な社会」へ進歩を一番抑制するものではないかと。「多様性で寛容な社会」というのは自分と異なる意見が溢れている社会であり、それを受け入れずに不快感を表明してその意見を潰すことが理想の社会に繋がるとは思えない。これは私たち野球ファンに関係ない話ではない。TL上ではなどは自分の意見とは異なる意見に対して晒し上げ不快感を表す人がいる。私はそのことについてツイートした。

3.私たちがするべき事

まずこのようなツイートに目にした時にすぐに喜怒哀楽を表すのではなく、このような発言に至った経緯などを自ら調べた上でこの発言に対して喜怒哀楽を表すべきだろう。ツイートは個人の自由だと思う。しかし、すぐに怒ったり、物申したり、反論された時の対策案を考えるのは控えるべきだろう。それがいいとは思えない。憶測で他人の事をあーだこーだ言うのも変だと思うが。

4.まとめ

・サファテ投手があのようなツイートをしたのはサファテ投手はリベラル的なラピノー選手の言動や国旗や国歌に対しての敬意を示さないことに憤りを感じ、また、なぜラピノー選手は国に敬意を示さないのか。それが理解できずにこのようなツイートと思う。

・「多様性で寛容な社会」というのは自分と異なる意見が溢れている社会であり、それを受け入れずに不快感を表明してその意見を潰すことが理想の社会に繋がるとは思えない。

・ツイートは個人の自由だと思う。しかし、すぐに怒ったり、物申したり、反論された時の対策案を考えるのは控えるべき。

最後にラピノー選手のニューヨーク市内での祝勝会での動画を載せておく。時間があったら見るといいかもしれない。

https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-48992391

参照

BBC（https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-48992391）


https://www.google.co.jp/amp/s/www.afpbb.com/articles/amp/3234099)

#野球 #社会 #多様性