十数年ぶりにIWGP(世界)ヘビー級選手権試合をみて感動

1.4東京ドームのSANADA-内藤哲也戦は素晴らしかった。大変に満足した。

ここしばらくプロレス観戦からは遠ざかっていた。本格的に見なくなったのは、三沢光晴が亡くなった頃だろうか。名実ともに四天王時代が終わり、また三銃士時代も実質的に終わっていたころだ。
新日本ではテンコジや永田・中西・藤田・中邑が頑張っていた気がする。

その後の新日本やNOAHに何となく魅力を感じず、徐々にプロレスから離れていった。週プロも買わなくなった。「新日冬の時代」という言葉があるが、私もまさにその時代に離れた一人であったと思う。

その後、新日本が幅広いファン層を獲得して人気を盛り返したのは知っていた。ごくまれに、偶然深夜の中継をみることもあった。ケニーオメガの膝蹴りはなかなかいいなと感じたが、それでも継続して見るには至らなかった。

オカダ・カズチカのキャラについていくのも難しかった。言葉は悪いが、成金趣味のヤンキーにしか見えなかった。レインメーカーもあまり魅力のある技には見えなかった。リキラリアットのほうが説得力あるじゃんと思った。
「アメプロ化」という言葉が正しいかどうかわからないが、もう自分が好きなプロレスは無くなったのだなと感じていた。

新日本への興味を甦らせてくれたのは武藤敬司だった。武藤が引退試合に選んだ相手が内藤哲也だった。

内藤哲也の名前はなんとなく知っていた。なんか長い名前のユニットに入っていることも知っていた。トランキーロとか言っているのも知っていた。しかし、内藤に関する知識はこれぐらいのものだった。なぜ知っていたのかはわからない。

とりあえず内藤の動画をYouTubeで見て勉強した。
そして引退試合当日。諸般の事情で見られず、その後もばたばたしてPPVの期間も過ぎてしまった。
ただ内藤の登場シーンだけは見ることができた。
なるほど。
登場曲は疾走感のあるトップレスラーにふさわしいメロディー。いい。
ビッグマッチということでスーツで現れ、コールを受けてからゆっくり脱ぐけれんみのあるルーティーン。これで弱かったら鬱陶しいだけだが、実力がある者がやれば、試合開始に向けて観客の期待を高める。
そしてあの面構えだ。あんな人を食ったよう表情のトップレスラーは記憶にないが、これはこれでありかなという気がした。いい雰囲気を醸し出している。新しい新日だからこそ生まれたものだろう。

再び内藤の試合を見るチャンスがやってきた。G1の決勝だ。
今度は見ることができた。
見事内藤はオカダを下した。
この時点でも、まだ定期的に新日本を観戦しようという気にはなっていなかったが、今の新日本をもしかしたら楽しむことができるのではないかという気持ちが出てきた。

そして1.4。CSの生中継でSANADA-内藤の試合を観戦。

内藤を知らなかったぐらいなので、当然SANADAの知識もほぼ皆無だった。「あれ?この人新日だったっけ?」というぐらい。顔と名前も一致しない。ましてや両者の因縁など知るはずもない。
それでも、そんなことを知らなくても、内容だけで十分興奮させてくれる素晴らしい試合だった。最初のロックアップから最後のデスティーノまで、内容の濃い、力強いぶつかりを見せてくれた。時代遅れのプロレスファンの一人である私でも、文句なく賛辞の言葉を送りたい試合だった。
橋本の垂直落下式DDT、三沢のエメラルドフロウジョンなどと同様、内藤のデスティーノには華と説得力があった。

その後のEVILの乱入は萎えた。正直、誰かが乱入するシナリオは容易に想像できたし、もしそうなったら安易だなと感じていた。
1.4という重要な大会で、ああいうチープな演出はどうなの?という感想は拭えない。まあでも、SANADAの株を上げるイベントとしてはよかったのかもしれない。

翌日の墨田区体育館の生中継も見たが、思いのほか楽しむことができた。オカダは年を重ねたせいか、昔の印象よりもだいぶチャラさが減っていい感じだ。SANADAはちょっと地味で心配だが、船木誠勝のような風貌と肉体なので、ちょっとしたことで大スターにもなり得るか。
アメプロの匂いはどうしても気になるが、CSで定期的に生中継しているようだし、2020年代の新日、ちょっと見てみようかという気持ちになった。

冬の時代をじっと耐えて、新日を支えてきた棚橋はよく頑張ったと思う。

内藤の登場曲のstardustが気に入って何度か聞いていたら、カープの比較的最近導入されたチャンテ、あれってstardustだったのか!と気付き衝撃を受けた。
野球応援用にアレンジしてあるので、タイロンの応援歌がeminemのwithout meだったのと同じくらいわかりづらいが。



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