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#119 消せない私~復讐の連鎖(2024)-異次元レベルの異様な執拗さ

TVer 紹介文

平凡な女子高生だった灰原硝子(志田彩良)は、美容系動画配信者の徳道仁(本郷奏多)と知り合い、動画に出演したことで一躍有名人になる。しかし活躍を妬むクラスメイトによって罠にハメられ、その暴行動画がネットで拡散、さらに不審火により両親が非業の死を遂げ、硝子は全てを失ってしまう。そして、ネットに残り続ける彼女の醜いデジタルタトゥー。10年の月日が経ち、硝子は復讐するために、立ち上がった! 弱者が元いじめっ子達をやりこめる。スカっとする勧善懲悪“爽快”リベンジ・エンターテインメント!

スカッとする視聴者はいない

深夜ドラマの過激化が止まらない。この数年の特徴は「不倫」と「復讐」。1話ごとに加害者への復讐が小気味よく行われるパターンが多いのだが、このドラマの執拗さはエンタメどころではなかった。第1話でいきなり高校時代の過激な性暴力と両親の焼死が描かれる。加害者は、性暴力の指図をする女生徒、加害を行う男子生徒、動画を撮り配信する女生徒、煽り立てる動画配信者(柄本時生)の4人。そして執拗に復讐を繰り返すヒロイン灰原硝子(志田彩良)と良心の呵責に苛まれながらも復讐に加担する徳道仁(本郷奏多)。第1話以外の残り12話がすべて復讐という執拗さが最大の特徴。

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4人への復讐×3話

加害者への復讐に3話ずつかける周到さ。まず復讐計画を立案し、次に相手を幸せの絶頂に導き、最後に絶望のどん底に落とすという3話の流れが踏襲される。性加害の首謀者・藍里(吉本実憂)は裕福な社長との結婚式のフィナーレで過去の悪事を暴かれ、階段から落ちて意識不明。直接性加害を行った大桃武(吉村栄治郎)は昇進直前に家族の前で不倫と過去の犯罪を暴かれて逮捕。動画を配信した青島みちる(小日向ゆか)は自分を捨てたホストを刺して逮捕。もう滅茶苦茶。

最終回の執拗さが異様

最後の犠牲者は動画配信者の綿貫健(柄本時生)。殺害の瞬間を動画配信するも、逆に承認欲求を満たされた綿貫を追い詰めるため、最期は動画配信を止め、ガソリンに引火し、両親と同じように焼死させる。綿貫と硝子の口論のシーンでは、性被害への苦しみだけでなく、SNSでの誹謗中傷や傍観者への批判も繰り広げられ、単なる加害者への復讐にはとどまらず。

発掘、志田彩良

初見でしたが、演技力の高さが際立っていました。このドラマを機にブレイクされるのではないでしょうか?病院で意識を取り戻し、包帯ぐるぐる巻きのまま、硝子に逆復讐を仕掛けるみちるの狂気もヤバかった。デジタルタトゥーがトピックとはいえ、視聴者の脳裏に別の意味でタトゥーを残してしまいかねないインパクトの強いドラマでした。

みちる(右)と硝子(左)

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