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#116 蜜と毒(2024)-不倫ドラマは続くよ、どこまでも

深夜枠の不倫ドラマの深化が止まらない

ここ数年、深夜枠の不倫ドラマのえげつなさが過激化してますね。少し前までは、夫の不倫に苦しむ妻、行き過ぎたことを悔いて元さやに戻る夫、という円満パターンが多かったのですが、最近は『復讐』がメインテーマになっています。この『蜜と毒』は復讐すら通り越して、幸せをつかみ損ねる悲劇が描かれており、「不倫絶対ダメ!」の印象が残りました。では、記憶に残る不倫ドラマを順に見ていきましょう。

令嬢(優希美青)に熱を上げた旦那(吉沢悠)が妻(稲森いずみ)の復讐に遭い、社会的な名声をすべて奪われる。妻も不倫に走るものの、最後は引き取る予定だった最愛の息子に愛想を突かれて、絶望の淵に落とされる。

モラハラ夫(野村周平)が、流産に追い込まれた妻(馬場ふみか)の復讐に遭い、社会的地位をすべて奪われる。しかし復讐の指示を出していた仮面の男は二重人格に苦しむ夫であり、ふたりの関係は微妙に変化する。

アナフィラキーショックを持つ息子を見殺しにした夫(柳俊太郎)への復讐を果たすため、妻(高梨臨)が数々のわなを仕掛け、夫の社会的地位を剥奪する。ことの顛末をすべて漫画に記し、表彰式で事実を公表し、謝る夫を無視したまま、息子の遺影の前で復讐を果たしたことを報告して『完』。

セフレを多く持つ夫(堀井新太)に苦しむ妻(土村芳)が不倫相手(古谷呂敏)と組んで夫のセフレを次々と罠に落としれる。しかし、夫が「セックス依存症」に苦しむことを知り、夫に寄り添うようになるにつれて、不倫相手の男は絶望してAIに魂を売り、やがて自死を選ぶ。

鬱病の妻(戸田菜穂)に愛想をつかして、部下(斎藤京子)との不倫にうつつを抜かす夫(吉沢悠)、斎藤京子への強烈な横恋慕のため父を憎む息子(桜井海音)、その息子にストーカー行為を働き、最後に吉沢悠を包丁で刺す女生徒(原菜乃華)。誰もが幸せにならないまま、泥濘に堕ちていった。

妻に隠れて不倫に走る夫(白石隼也)。それを知り、自分も若い男との不倫に走る妻(入来茉里)。ここまでの展開が第1話に凝縮され、第2話では不倫に溺れる二人が描かれるが、第3話ではお互いの不倫相手が結構ヤバいサイコパスであることが判明し、夫婦とも不倫相手から距離を置き始める。第4話以降では、ふたりの距離が縮まっていくプロセスとストーカーの暴走ぶりが激化する。最終回では、改心したかのように見えたストーカーたちが、海外転勤に出かけるふたりに罠をかけ、別々の場所でふたりを殺して『完』。救いのない恐ろしいドロドロ不倫ドラマなのですが、とにかく展開が速く、リズムとテンポも良いため、毎週が楽しみでした。

不倫ドラマはもはやエンタメコンテンツ

見終わった後にモヤモヤ感が残るドラマが多かったのですが、「泥濘の食卓」と「密と毒」はもはやコメディ化していました。この手のタイプのドラマがプライムタイムに登場することはないと思いますが、深夜枠での深化はまだまだ続きそうです。深夜枠にコンプラやBPO審査はないのかな?www

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