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#2 こっち向いてよ向井くん(2023)一皮むけた赤楚衛二に注目

番宣当初は「またもや赤楚衛二か…」「イケメン好き視聴者のためのドラマか…」「赤楚&波留のチープなラブコメ」くらいの見込みだったけど、見始めてビックリ。想定外に面白くて深かった。理由は3点。

まず、赤楚&波留&生田絵梨花ともに、「結婚に臆病なコミュ症」設定されており、人の気持ちを推しはかることが苦手で、悩み苦しむ様子が明瞭に描かれていた。特に、生田絵梨花の病みっぷりには目を見張るものがあった。

次に、展開の妙。終盤まで、赤楚&生田の復縁モードを引っ張り続け、最後に赤楚&波留の急接近を描くと見せかけ、最終的に「お互いに大切な人」くらいの認識で終わらせたこと。多様性の中での新たなパートナーシップを予感させる斬新な終わり方だった。

最後に、バイプレーヤー岡山天音。決してイケメンではないが、人間味があり、いろんなドラマで、なくてはならない存在感を示している。「日曜の夜くらいは」「ミステリと言う勿れ」でも異彩を放っていたが、「向井くん君」では、赤楚&波留の関係性を予感させる重要な役割を担いつつ、愛されキャラクターとしても際立っていた。このドラマの「影の主人公」と言っても過言ではなかった。

愛すべき登場人物のコミュ症にくすくす笑いつつ、結婚観を含め、これからの人間関係の在り方について深く考えさせられ、1話見るたびに、爽快な風が吹き抜けるドラマだった。オープニングのドラマタイトルが挿入されるタイミングもすごく凝っていて、スタッフさんの遊び心に癒された。

視聴率はさほど高くなかったようだけど、2023夏ドラマとしてはピカイチでした。くわしくはこちら


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