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#53 腐女子、うっかりゲイに告る。(2019)-スポンサー不在のNHKにしかできない力技

HP紹介文

同性愛者であることを隠して暮らす18歳の高校生・純(金子大地)と腐女子の同級生・三浦さん(藤野涼子)。ある日、純は書店で三浦さんがBL(ボーイズラブ)本を購入するところに遭遇する。純は、自分が実はゲイだということを母親・陽子(安藤玉恵)にも隠している。三浦さんに興味を持った純は、彼女が愛する同人誌イベントに同行する。一方、自分を自分として誠実に見てくれる純にひかれる三浦さん。二人は急接近し、幼なじみの亮平(小越勇輝)がお膳立てしたデートで純は三浦さんに告白される!主人公の愛聴するQUEENの名曲に乗せて疾走する、軽やかで切実な青春ストーリー。

ラブコメちゃうよ

実際のドラマはそんな爽やかではない。純(金子大地)は年上カレシ(谷原章介)との交際を続ける中、どうしてもゲイである自分を受けいれることができず、自分に興味を示し、告ってくれた三浦さん(藤野涼子)とデートするが、性交渉の際に三浦さんを大きく傷つける。年上カレシとの性交渉はあんなに生々しいのに…。少なくともラブコメではないのだ。

ハイライトは第7話(1)

ゲイであることを知られ、自殺未遂に及んだ純が終業式に出る。絵画の表彰式中に三浦さんが、行き場を失った純をカバーするスピーチをする。それを阻止しようとする教員と、三浦さんに最後までスピーチをさせようとする生徒たちが体育館内で乱闘する。意を決した純が登壇し、衆人環視の中で三浦さんにキスをする。それを見守る生徒たちの優しい視線が最高だった。

ハイライトは第7話(2)

式終了後、かつて純がゲイであることを気持ち悪がって、後輩Bに悪口を言っていた後輩Aが謝罪に訪れる。その際、純が「あれってゲイあるあるだよね」「キミ、彼(後輩B)のことが好きで、試したんだよね」と笑顔で伝える。とてもいいシーンだった。少しだけど、多様性の意味が理解できたような気がした。

このドラマの立役者

主演ふたりの演技が上手すぎるのですよ。ゲイの心の闇を醸し出した金子大地、ゲイに振り回されながらも人としての敬意を失わない藤野涼子、このふたりの魅力がぎっしり詰まった「30分×8話」は見ごたえ抜群です!

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