カメラは撮影道具ではなくコミュニケーション道具だ

僕自身、カメラを使って仕事をしており、撮影だけでお金をいただけるくらいのレベルにはあります。
カメラを買って数年になりますが、ここまでカメラに入れ込むにはいくつかのきっかけとストーリーがありました。
今回はその話を振り返りながら、カメラを買ったことで生まれた変化についてお話ししていきます。

カメラを買った経緯

僕自身がカメラに最初に興味を持ったのは、大学時代のヨット部で撮影を任されたことでした。
ヨット部では船につけるセールの形をみたり、練習の様子を撮影したりするために練習のためにひたすら部員たちを撮影することが多くありました。

また卒業する先輩たちのために撮りためた写真を印刷してアルバムにしたりということもしていました。

防水の安いカメラだったため、決して画質がいいわけではなかったのですが、自分なりに工夫をして撮影することで、記録用としてではなく観賞用としても耐えうる写真を作れることが非常に面白く思っていました。

そこから次に自分も防水用のカメラを買いました。CASIOのEXILIM Gという、という、Gショックをモデルにしたカメラで、とにかく防水防塵を優先したカメラでした。ハンドストラップが浮き輪になっていて、なんと水上に浮くという不思議なカメラでした。
それが2010年頃です。

この頃は、まだスマホのカメラを日常的に使うよりも、カメラはカメラで使うのが一般的でした。
卒業旅行でニューヨークに単身旅行に行くときも、EXILIM Gを持って行って撮影していました。

社会人になったのが2012年で、そのデジタルカメラが壊れてしまってしばらくはスマホで代用していたのですが、2013年に再びカメラを買うチャンスが訪れました。

社会人2年目で友人と一緒にバーベキューイベントなどを主催していたのですが、参加者40人が全員着物を着て船の上でパーティをやるというイベントを企画したことで、せっかくなら良いカメラで撮影したいと考えるようになりました。

社会人2年目ですからまだまだ給料もそれほどありませんでしたが、ちょうどチケットを買っていた野外フェスの3日通しチケットを人に譲ることになり、6〜7万円ほどのお金をそのまま別のものに使おうと考えていた矢先でしたから、ちょうど良いカメラが買えるタイミングだったのです。

そのとき、池袋の家電量販店でミラーレスカメラというものに出会い、仕組みなどは一眼レフと何が違うのかよくわかりませんでしたが、小型であることが気に入り、購入しました。

SONYのNEX-5Rというミラーレスカメラで、レンズ2本とセットで81000円だったと思います。
(なお、後々知ることになるのですが、そのときはちょうどSONYがフルサイズミラーレスに市場参入したまさにそのタイミングでした)。

その後2014年初夏に友人たちとドライブで九十九里浜に行ったのですが、そこで運転を担当してくれた友人が取り出したのが、発売されてまもないSONYのフルサイズミラーレス「α7」でした。

九十九里の背景をバックに友人が撮影してくれた僕のポートレートを見て、「なんて綺麗なんだ」「自分でもこんな写真が撮りたい」と考えるようになりました。

その思いをずっと忘れられず、起業した次の年の2016年に同じカメラとレンズを購入するに至りました。

仕事での取材や撮影で使うことが多くなり、自然と現場数が増え、撮影技術や照明テクニックなども身につけるようになりました。

2017年には上位機種に取り替え、撮影機材やレタッチソフトも本格的なものをいくつも揃えてプロとして活動できる環境が整いました。

いまでは撮影だけで仕事を受注することもあり、兼業ですがプロとして活動しています。

フルサイズカメラを買うと人の反応が明らかに変わる

2016年にフルサイズを購入する前とあとでは、人々の反応が大きく変わってきたなと感じています。

フルサイズではなく入門機の小さいサイズ(APS-Cサイズ)を持っていた時はあくまで「イベントで写真を綺麗に撮れるカメラ」の位置付けでした。暗いところでも綺麗に顔が映るため、僕が主催していたイベント会場などで写真をどんどん撮影してフェイスブックにアップするということをしていましたが、それはあくまで「それなりに良いデジカメでたくさんとった」レベルでした。
5年前になりますが、いまでいうGalaxyなど高感度モデルのスマホカメラで撮影していたようなものです。多少綺麗に撮れたとしても、カメラマンとして扱われるわけではありません。

ところがフルサイズを購入すると、事情が変わりました。
そもそもの荷物が大きくなりますから、必然的に何を撮影するにしてもそれなりの準備・打ち合わせをするようになります。

例えばカメラにはストロボを選んで取り付けるのですが、そのストロボにしても選び方やセッティングの仕方で多種多様な撮り方ができます。 リモートコントロールまでできるようになると、カメラとストロボを離して撮影することも可能になりました。

すると、あらかじめ写真を頼んでくれたクライアントなどに「どういう形で撮影しますか」という打ち合わせを申し入れるようになります。作りたい写真のイメージを共有した上で当日の撮影の準備やセッティングを行なうわけですから、全員の意識が高まります。

またもし人物を撮影する場合には当日大きなカメラバッグを持ってきてガチャガチャとセッティングするわけですから、相手側にも「これから取材で本格的に撮られるんだな」という意識が芽生えます。

特にビジネス系のメディアであれば、 本格的にカメラマンに撮影されるのは初めて、と言う人も珍しくありませんから、相手との関係にも緊張が生まれます。
スマホで撮る時とは全く異なる表情や姿勢になりますし、せっかく撮られるなら髪型を直してスーツを綺麗に着よう、と考えるようになります。

僕自身も撮影をはじめてフルサイズを持ち歩き出した頃は、大きくなったカメラバッグを見て相手自身が反応を変化させるのが新鮮でした。「あっ、今日は結構本格的に撮影するんだね。ちょっと待ってね」という驚きです。

これは小さいサイズのカメラやスマホでは決して生まれない反応だと思います。
大きいと持ち運びは当然大変ですが、相手の姿勢(向き合い方)を変化させられるという意味では大きくて目立つほうがいいのかもしれません。

こちらが本気のカメラだと、向こうも本気になってくれますから。

カメラを買うことで、新しく人とつながることができる

このようにして実績や撮影経験を積み上げていくと、「良いカメラを持っているなら、是非あなたにお願いしたい」とオファーがくるようになりました。

取材ではなく撮影単体での依頼がくるようになるわけです。

実際にファッションスナップでインスタグラムをやっている人を紹介されて、なんども撮影していますし、カレンダー用の写真を撮影したいという依頼もありました。

また、こちらから撮影を依頼することもあります。

カメラマンは習慣的にカメラを触っていないと感覚が鈍ってしまうため、トレーニングという形でモデルさんに撮影を依頼することがあります。
特に機材やアイテム、服をたくさん使うスタジオ撮影は日々トレーニングと試行錯誤が必要です。

こうした経験から、次第に「本格的にカメラをやると、人と関わるきっかけになる」ということを感じるようになりました。
カメラがなければおそらくオファーは来ないでしょうし、自分から声をかけることもできません。

人との出会いが生まれるきっかけを持てるという意味では、カメラを始めたことで大きな出会いがあったなと感じています。

初心者も、カメラを買いたての頃はスマホのカメラと何が違うのか説明がしにくいと思います。
持ち運びは小さいカメラでもなかなか邪魔になりますから「スマホでいいや」と時代にカメラから離れていくこともあるでしょう。

「調べて買ったけど結局使わなかったな」
「そんなに高画質じゃなくてもよかったな」

と思ってカメラから離れていくことはありがちです。

確かに、10万円以下の入門機を1台買って、自分の旅行だけで使うという場合はなかなか、次の発見がないでしょう。

その段階から変化して、カメラが人を取るためのきっかけづくりであったり、自分の持ち物をよりよく見せるための手段として活用できるようになれば、そこから大きな出会いを生み出してくれます。
そこまでいってようやく、カメラが、単なる撮影の道具ではなく、コミュニケーションの手段となるわけです。


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