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要注意すべき肩書きを知って、騙されないようにする〜コンサル・デザイナー・社長・カウンセラー他

僕はフリーランスとして、日々新しい方と関係を築き、仕事をスタートさせています。
日々たくさんの人と会うわけですから、なかには「この人、信用できるのだろうか」と疑いたくなる人も現れます。
また、数年経験したことで、「こういうタイプの人は、仕事がいい加減になるな」というのもなんとなくわかるようになりました。
今回はそうした個人的経験から、相手の実力をはかるとき、僕が判断しているポイントについてお話ししていきます。

なぜ人を見極める必要があるのか

この人のことを信じていいんのだろうか。
この人は自分を裏切ったりしないだろうか。

信頼するのは難しいですし、社会人になって仕事をしていると裏切られる体験をして心が痛むこともあるでしょう。
なぜあのとき僕は信頼してしまったのだろう、と自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
自分の直感が信じられなくなり、どんな相手も疑心暗鬼で見るようになります。

経験上、もしあなたがフリーランスであれば疑心暗鬼くらいでちょうど良いのですが、人を信頼できなくなるのは精神的にもつらいものがあります。

最初に注意すべきこんな肩書き

最初に具体例からいうと、特に以下の肩書きを名乗っている人は要注意です。
・コンサルタント
・カウンセラー
・アドバイザー

・デザイナー
・ライター
・カメラマン

・(一人会社の)代表取締役やCEO
・会社役員

人は肩書きに対してそれぞれ固有のイメージをもっています。
初対面で職業名を名乗られてしまうと、どちらかというと「その職業のうち、もっともちゃんとしていて有名な人」をイメージしがちです。

ところが、実際にほとんどの肩書きは名乗るのがタダですから、名乗ったもん勝ちという性質があります。
肩書きのイメージに引っ張られるあまり、その人自身の信頼度を判断することを忘れてしまうと、のちのち痛い目をみることになります。

コンサル、アドバイザーは差っ引いて考える

たとえばコンサルタントであれば丸の内や虎ノ門にオフィスを構え、外資系でバリバリ大手企業とやりあっている「敏腕」コンサルタントをイメージしてしまうのではないでしょうか。「年収も1000万円以上あるんだろうな」と相手を見てしまうかもしれません。

しかしコンサルタントは実績に関係なく、誰でも名乗ることができる職業名です。どこかの企業または個人に対してアドバイスをすればコンサルタントと名乗ることができます。そのアドバイスの質やアドバイス結果にかかわらず、です。
また実際に手を動かすのはコンサルタントではなく相手の企業ですから、コンサルティングの結果が出たといっても本当にそのコンサルタントの存在によって変化したのかどうかは判別が難しいものです。

またアドバイザーでいえば、よくいるのは経営アドバイザーという肩書きの人です。コンサルタントよりもさらに名乗りやすいものですし、肩書き自体にほぼ意味はありませんから、肩書きを除いた人柄や具体的なその人の言動で判断しましょう。


カウンセラーも同様ですね。個人に対して何か悩みにのってアドバイスをしたらカウンセリングといえなくもないですから、名乗りやすさはあります。

心理学の本のコーナーに行くと「心理カウンセラー」と名乗った著者の本がたくさん並んでいますが、心理カウンセラーは国家資格ではなく名乗ったもの勝ちです。特に心理学は科学的学問のものとそうではない民間信仰・個人思考のものに分かれるところ、一般向け読み物だとごっちゃになっていますし、適当な心理判定をされてしまうと信じてしまいがちな分野です。注意しましょう。

デザイナー、ライター、カメラマンは成果物のみを見る

続いてはこちらも要注意の「デザイナー」。何かの物のレイアウトや色、かたちを決めたらその時点でデザインをしていると言えるのですから、デザイナーと名乗るのは簡単なことです。
デザイナーだからといって、センスがあるかどうかは別問題。

ウェブデザイナーと名乗っていたからホームページのデザインを依頼したら、まったくセンスの感じられないものがあがってきて驚愕することは珍しくありません。デザインの学校を出ていなくても名乗れるのがデザイナーですが、やはりデザインを体系だって学んできた人とそうではない人とは差があります。


ライターに至っても同様です。こちらも専門学校や職業訓練を経ていなくても誰でも名乗ることができます。特にブログが発達しているため、誰からも依頼されたことがなくても自分で文章を書いただけでプロライターと名乗っている人もいます。
ライターには取材を依頼されて人に会いに行く取材ライターから、自宅でインターネットで手に入る情報だけで書いた記事をまとめている人、自分の経験・思考だけを書いている人までいて様々です。


同じ並びではカメラマン。一眼のカメラは10万円もあれば買えますし、素人目には差がわかりにくいものでもありますから、誰でもプロカメラマンとして名乗り出ることができます。
どんな状況でも撮れるわけではなく、日中の屋外という誰でも撮れるシーンでしか活動できない人はプロレベルではないです。

いずれも見分け方としては、肩書きを名乗った瞬間に、成果物を見せてもらうように要求することが大切です。
これらクリエイターは成果物がすべてです。これまで個人単独でデザインした印刷物やウェブサイト、自分だけで執筆した文章、カメラマンの場合は室内の暗い環境で自分の力だけで撮影したものを要求しましょう。フリーランスだから技能が高くちゃんとやってくれるわけではありません。
成果物をすぐに出せない場合はアウト。偽物はすぐに化けの皮が剥がれます。


最後は社長や会社役員と名乗る人です。

現在、会社の社長になる最低の条件としてどれくらいのものが必要だと思いますか?
実は、社長という言葉は正式な言葉ではなく通称です。法人の代表であれば社長と名乗ることができます。

また、会社=法人にも何種類かありますが、株式会社で30万円程度、合同会社で8万円程度で設立することができます。合同会社の場合は「代表取締役」という言葉は使えず「代表社員」となるのですが、代表社員でも社長と名乗ることができます。

つまり、今の時代、社長という肩書きは、最低8万円前後を用意すれば手に入るのです。
たとえあなたが会社員であったとしても、同じ書面とお金を用意すればすぐに社長と名乗ることができます。

社長という肩書きは、誰でもお金を払って手続きすれば手に入る民間資格のようなものです。技能や経験などは直接関係ありません。
そのため、社長と聞いただけで「すごい人だ」と思うのは早計。社長だからこそ、気をつけて見極めるべきです。仕事もなく、ほとんどフリーターと変わらない人もいるのですから。

同様に会社役員も社長と同じタイミングでつくることができますから、それほど意味はありません。
どれくらいの人数とどれくらいの資本金の会社の、何人いるうちの役員なのか。そこまでチェックしなければいけません。役員が何人もいる会社もありますから、「役員さんだからちゃんとしているだろう」というのも勘違いの元です。


フリーランスになってわかった、人を見極める大切さ

僕自身もフリーランスになってから上記の方々とさまざまに接してきました。カドカワのような大企業にいた頃と違い、起業して身一つになってからはうさんくさい人も寄ってくるようになりましたし、ビジネスの現場で相手が信用に足りるかどうかを瞬時に判断して結論を出さなくてはいけないシーンもありました。

よく「名刺がないと信用されない、オフィスがないと信用されない、固定電話がないと信用されない」と言われていましたし、最初はよくわからなかったのですが、起業してみるとそれらの意味がよくわかります。

世の中には、こちらの常識をはるかに下回るほど適当でいい加減な人間がいます。名刺もオフィスも電話もない人が全員信用できないのではなく、ない人のなかには問題を起こす人が多いというだけです。
該当する「あれ、この人もしかして危ない?」という人がいたら多少は身辺を詳しく見ておいたほうが、あとあと問題が起こりにくいということです。

人生のなかで時間を共にし、深い関係を築ける人数は限られていますから、最初の相手を見て、「この人は自分の時間とエネルギーを注ぐに値する人なのだろうか」と見極めるべきです。これは会社員でもフリーランスでも起業家でも同様ではないでしょうか。

人を見る目をつけて、だまされないように世の中を渡っていきたいものです。


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