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「音楽」は、何をもって音楽なのか

音楽の定義!なんて堅苦しい事はあまり考えたくないのですが、最近時折思う節があったので整理してみました。


◆何を聴いて「音楽だ」「曲だ」と感じるのか

そもそも音楽を構成する【音楽の三大要素】と言われてるのが以下の3つ。

・メロディ
・ハーモニー
・リズム

この3つ全てを含めたものが音楽と言えば確かにそう。でもどれか1つが欠けてたとしてもそれも音楽。聴けますよね?

ところがしかし!じゃあ例えば!

3つのうち1つだけだとしたら…

・全く同じ強さ(強弱無し)
・同じ音程…ドの音程だけとか(ハーモニー無し)
・不規則に鳴らしたもの(リズム無し)

これは恐らく「音楽として認知され辛い」でしょう


じゃあモールス信号は音楽ではないけど、なぜ認識出来る人は「モールス信号だ」と出来るのか?

それは明確なルールがあって、それに従っているから。


音楽と認識されない=「音楽ではない」のか?

さっき書いた【音楽の三大要素】はそう考えると「音楽と認識されやすい、認識する為の要素」なんでしょう。

それらの要素は3つがあれば、ほぼ確実に音楽として認識される。

つまり…

1つ欠いた場合…「聴いてる本人が音楽だと認識できればそれは音楽なんだ」

2つ欠いた場合…恐らく多くの人が音楽として認識できないサウンドになる。

3つ欠いた場合…それはきっとただの雑音が話し声のような環境的なものになる。

それらの要素を認識できない=音楽ではない
とでも言いましょうか。


結局【音楽の三大要素】とは?音楽理論は?

作り手側から見れば
【音楽の三大要素】=「音楽を構成する為の要素」と映る時もありますし。

聴き手側から見れば
それは聴いてる自分が「音楽だと判断(認識)する為の要素」と言えるのかもしれません。


ここまで整理して次に思ったのは「じゃあ【音楽理論】ってなんやねん」という話。そう…それはDTMerや作曲してる人達が発する呪文のような言葉…という冗談は置いといて。

【音楽理論】って結局「気持ちよく聞こえるように、違和感なく聞こえるようになる仕組みを理論的に書き起こしたもの」なんですよ。


音楽理論=綺麗に聴こえるように整える為のもの

そのルールを破ったってそれは音楽です。
ただそのルールを破る、守ってない音楽というのは、一般の人が聞くと簡単に楽しめなかったり…むしろ違和感を覚えてしまう音楽になります。

例えばカラオケでKey(音程)を無視して歌っているのを聞いてて気持ちいいと感じる人は少ないと思います。

なぜなら昔から聞いてきた音楽のほとんどが【音楽理論】によって整理整頓された綺麗なもの。

綺麗なそれと比較しちゃうんです、脳味噌は。


また、音楽理論の存在によって音楽の印象表現にもやり方と形があります。

メジャーとかマイナーとか言いますがそれらを組み合わせることで流れを作る事ができ、「明るい」か「暗い」か、「怖い」か「可愛い」かなど…

様々なイメージを沸かせる要素を作る1つの手法も音楽理論に含まれています。


◆環境音楽と【音楽の三大要素】

【音楽理論】が何の為の物なのか整理したところで改めて【音楽の三大要素】と、環境音楽の存在について考えてみました。

環境音楽。そう、これが面白いもんで音楽なのに曲として認知されないパターンがあったりします。音楽なのに。
原因は「メロディが存在しない、または明確な形が無い」という時がある為です。

これは自論ですが、音楽の三大要素でも認識のされやすさは多少優越が存在して僕はこれを「メロディ≧リズム>ハーモニー」だと思ってます。

つまり上記で書いた「曲として認知されないパターン」とは
「メロディがあれば音楽だと一番わかりやすい」と認識している人からすればどう解釈したら良いのかわからない、楽しみ方のわからない音楽になる
…と僕は思います。


ネガティブな書き方はしましたが、この認識し辛さが活かされるのが特徴でもあるんです。曲が主体ではないシーンではむしろこの形が好まれたりします。

例えばめちゃくちゃリアルなゲームの世界観を演出する時。
ゲームの音楽=BGMという認識があると思いますが、「BGM=メロディが存在するもの」とは限らないです。現実世界でBGMは存在しませんからね。

三大要素の形を崩すことを
「音楽的な要素を薄める」と考えるか、「余計な情報を省く」と考えるかはケースバイケースです。


◆個人的に推したい環境音楽という存在

ここまでまとめて、一人のクリエイターとしてこれからやっていきたい事を2つ。

1つは実験的な音楽

現実だけど現実ではない、そんな境目の世界を作品として形に残してみたい。人はその音と映像を見てどんな世界を思い描くのか。そこを実験していきたい。

これを突き詰めた音楽作品を過去に作った事があるのですが、それをもっとメディア媒体にした形にするイメージです。


もう1つは楽器ではない音の音楽

これは遊びに近いですが、楽器ではない音の出る物をフィーチャーした音楽作品を突き詰めていきます。

「本当にこんなもんまで楽器になるのかよ」と思う音も含め、様々な形にコンテンツ化していけたら最高だな〜と思った次第です。やりますよ。


◆アートと娯楽は別物

そう、結局音楽はアートとして作る物は「何を伝えたいか、何を表現しているのか」を楽しむもの。

娯楽としては「作る側はどう楽しんで作るか」。聞く側は「どう受け止めて楽しむか」。

そのどっちもをやりたいと思うのは贅沢な悩みなのかもしれません(笑)


堅い事を書いてきましたが、それぐらい作品としてエンタメとしてシンプルに楽しめたらそれで良いんだと思います。

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