ドローンを活用した土木測量、活用事例からデータ加工ソフトウェアまでを徹底解説!

加速度センサー、ジャイロセンサー、デジタルカメラのイメージセンサーなどの技術の飛躍的な進歩によって、「ドローンで土木測量をする」というハイテクが現実のものとなっています。従来トータルステーションを使用して数日〜数週間を要していた現場の測量を、わずか数時間で完了させることができるようになったことは、測量業界に大きな影響を与えています。国土交通省が推進するi-Constructionではドローンによる測量が新しい基準として提唱されており、ドローンによる測量は今後急速に普及していく技術です。本記事では、従来の測量の概要と、日本国内法における測量の法的な理解を導入として、具体的にどんな企業がサービス / ソフトウェアを実施 / 提供しているのかを、世界の動向を踏まえて解説します。

目次

1.測量技術とドローン
 1.1 ドローンを用いるメリット
 1.2 i-Constructionとは
 1.3 光波測量
 1.4 レーザー測量
 1.5 ライダー測量

2. 測量に関する日本国内の法
 2.1 基本測量、公共測量、民間測量
 2.2 測量士と測量士補
 2.3 測量事業者登録

3. 国内の事例
 3.1 コマツ
 3.2 エアロセンス
 3.3 テラドローン
 3.4 鹿島

4. 海外の事例
 4.1 Skycatch
 4.2 3D RoboticsとAutodeskが提供するSite Scan
 4.3 Identified Technologies
 4.4 Kespry
 4.5 Redbird

5. 測量で利用されるデータ加工ツール
 5.1 Pix4D
 5.2 DataMapper
 5.3 TREND-POINT
 5.4 Agisoft PhotoScan
 5.5 DroneDeploy
 5.6 DroneMapper

1. 測量技術とドローン

1.1 ドローンを用いるメリット

最大のメリットの1つは測定時間やデータ収集にかかる時間と費用を大幅に削減することができる点です。ドローンを利用した測量のシステムは、これまでの測量方法に比べ非常に短時間かつ安価であるだけでなく、精度面でも従来の大型な航空機による写真測量よりも大幅に向上しています。また、詳細な3次元地形データを取得できるため、CIM (Construction Information Modeling) のためのデータとして活用することも可能です。ドローンによる測量の活躍の場は建設の造成現場だけに限定されず、ダムの建設現場や災害時の現況把握と記録、工事現場の土量測定や出来形管理の用途でも威力を発揮します。

造成工事の規模が拡大するに従って、工事の進捗管理のための現地形の測量と、それによる土量の算出を行う必要性が高まります。従来は光波測量器を用いた測量を行っており、測量・図面化・計算の一連の作業に膨大な人手と時間を割かなければならないという課題がありました。高精度に測量が可能で3次元図面を出力できる3Dレーザーによる測量も普及し始めていますが、レーザー測量の機器は高額で、また計測を実施するにも設置箇所などで特殊な制約が存在します。

http://www.komatsu.co.jp/CompanyInfo/profile/ad/newspaper/n40/special/

そこで登場したキーテクノロジーがドローンです。ドローンは従来のラジコンヘリにあった操縦の難しさを解消し、それらと比べて直感的な操作で安全に運用することが可能です。搭載されるカメラの性能も日進月歩で進化しており、1200万画素やそれ以上の解像度で撮影できる環境が整っています。

ドローンによる写真測量は、後述する光波測量、レーザー測量、ライダー測量と測距原理が異なり、精度が問題となる場合が多かったのですが、近年のソフトウェア技術の向上の結果、測定誤差を約5cmに抑えることにも成功しています。ドローンによる測量は建設現場の大型重機の可動を停止させる必要が無いため、速度や精度以外の面でも、従来の光波測量・3Dレーザー測量に対して利点があります。

1.2 i-Constructionとは

i-Constructionが最初に発表されたのは2015年11月24日のことです。国土交通省は建設現場の生産性向上を目的として、情報化を前提とした建設業の新基準を制定し、「i-Construction」と名付けました。

i-Constructionを構成する大きな柱は3つあります。一つ目は「ICT技術の全面的な活用」です。UAV(ドローン)による3次元測量と検査、ICT建機による自動制御施工を実施します。二つ目は「規格の標準化」です。特にコンクリート工において、現場打ちの効率化や、プレキャスト工法を進化させます。三つ目は「施工時期の平準化」です。閑散期と繁忙期の解消によって、労働環境を改善します。これらのうち一つ目の「ICT技術の全面的な活用」が、測量業務の新しい基準を規定しています。

i-Consrtuctionの「ICTの利用」は、調査・測量・設計の分野に3つ、施工分野に6つ、検査分野に6つ、合計で15個の新基準で構成されています。15の基準を満足することで、i-Constructionは3つの目標を実現することを目指しています。第一の目標は、建設業に携わる一人ひとりの生産性を向上させ、企業の経営環境を改善することです。そしてこれによって生産性を向上させ企業の経営環境を改善し、業界一般の賃金水準を向上させることが第二の目標です。第二の目標は業界をより魅力あるものにしていきます。第三の目標は、危険な作業や過剰に難易度の高い業務を効率化、平準化することで現場の安全性を飛躍的に向上させ、死亡事故をゼロ件に抑えることです。

1.3 光波測量

測量の手法の1つで、光波測距儀を利用する測量です。光波測距儀による測量は一般的に地上で行われ、土木測量で伝統的に用いられてきた手法です。広く普及している技術であり、技術者数やノウハウが十分に蓄積されているというメリットがある一方で、測量を実施する対象の土地の面積が広くなるほど測量作業や図面化作業、各種測定量の計算作業に膨大な時間がかかってしまうことが大きな課題となっています。

http://www.topcon.co.jp/news/20160531-21883.html

光波測距儀は測点に設置された反射プリズムに対して光波を発射し、反射プリズムで反射した光波を測距儀が感知するまでに発振した回数から距離を算出する装置です。この測定の原理は19世紀のフランスで発明されたもので、光波測距儀はその発明の延長線上に位置づけられる技術であるといえます。

現在では、この基本的な距離測定の機能に加え、セオドライト (水平角度と垂直角度を測定する機能) を搭載したトータルステーションと呼ばれる測量装置が測量の現場で主に使用されています。さらにトータルステーションの内部装置を電子化し、遠隔操作や無人測定、データ記録を容易にパソコンに出力する機能などを搭載したものが存在し、これをトータルステーションシステムと呼ぶこともあります。

1.4 レーザー測量

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