降圧剤について復習してみる

現在高血圧の治療の第一選択薬として「ARB」「ACE阻害薬」が広く使われています。

さて質問ですが「ARB」と「ACE阻害薬」はどう違うでしょうか?

2種類ともレニン・アンジオテンシン系に作用することが知られています。
ARBはアンジオテンシンIIが受容体に結合するのをブロックする一方で、ACE阻害薬はアンジオテンシンⅠがアンジオテンシンIIに変換される酵素をブロックするという違いがあります。

高血圧の治療効果に大きな違いはないようですが、ACE阻害薬は古くから使われていて使用実績も豊富ですが「空咳」の副作用で継続できない人が少なくありません。
ARBはこの空咳の副作用が少なく継続していくには飲みやすい薬になります。

高血圧治療の目的は高血圧が原因で起こる血管トラブルを防ぐことにありますので治療効果が変わらないのであれば病態や症状に応じて使い分けるのが良いかと思います。

高齢者だと誤嚥性肺炎を防ぐためにわざと咳の出るACE阻害薬を使うこともあるようです。

またARBもACE阻害薬どちらもしばらく使用していると再び血圧が上がってくることがあります。これはレニン・アンジオテンシン系を阻害しているにもかかわらず別の経路で最終産物であるアルドステロンが作られることが原因でアルドステロンブレイクスルーと呼ばれています。
こういった時はアルドステロンを直接ブロックするセララを使用することで改善されることがほとんどです。

処方された薬を見て患者様が今どういう状況なのかを判断する材料にしてみてください。

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