改正薬機法メモ~服薬期間中フォローアップ義務化、オンライン服薬指導の解禁~

<改正薬機法の概要>

①継続的な服薬状況の把握及び服薬指導の義務化(2020.9施行)
②「地域連携薬局」及び「専門医療連携薬局」の導入(2021.8施行)
③テレビ電話等による遠隔服薬指導の導入(2020.9施行)

<改正で何が変わるのか?>

①定義が変わった
  薬局は「調剤薬局」ではなくなった。
  「薬局」とは、薬剤師が販売又は授与の目的で調剤の業務並びに薬剤及び医薬品の適正な使用に必要な情報の提供及び薬学的知見に基づく指導の業務を行う場所(OTC含む)をいう。
 
②医療提供施設との連携や情報提供が努力義務に
 
③オンライン服薬指導の解禁
  0410対応とは別。もっと限定的。

④服薬期間中のフォローアップと指導が義務化
  「薬局開設者」の義務⇒行わせなければならない。
  「薬剤師」の義務  ⇒行わなければならない。


<服薬期間中のフォローアップ義務化> ⇒ 法律上は抽象的。

①義務化されること
 ・継続的な服薬状況の把握及び服薬指導を薬局開設者ならびに薬剤師に義務づけ
 ・他の医療提供施設との連携の努力義務化

②対象となる患者
 ・薬剤師が必要と判断する場合

③確認すべき事項
 ・販売、授与時の確認事項
 ・当該薬剤等の服薬状況
 ・服薬中の体調の変化

④記録方法
 ・薬歴記載の義務化と3年保存
  1.情報提供及び指導を行った年月日
  2.当該情報の提供及び指導内容の要点
  3.当該情報の提供及び指導を行った薬剤師の氏名並びに患者の氏名及び年齢

<服薬期間中フォローアップのいくつかの論点>

①服薬フォローをすべき対象患者の判断基準は?
 ・法律上の規定はなく、あくまで薬剤師の裁量。
 ・行政がガイドラインを作成すべきと国会で審議→行政が作るものではないと結論

②服薬フォロー実施内容で満たすべき要項は?
 ・対面服薬指導時の確認事項の他、アドヒアランスと体調変化の2点
 ・実臨床においては生活背景、病態によって留意すべき事項が異なるので、患者毎にどのようなフォローや介入をすべきかということが重要。

③服薬フォローの実施手段は?
 ・オンライン服薬指導とは異なり、電話だけでなくメールやチャットでもOK。
 (特管2・調剤後薬剤管理指導加算の算定においては、少なくともリアルタイムの音声通話による確認が必要。)

<オンライン服薬指導可能な処方箋> ⇒①かつ②

①処方箋の限定
 ・処方医等がオンライン診療を行った際に交付した処方箋
        もしくは
 ・処方医等が訪問診療を行った際に交付した処方箋
  (施設在宅、オンライン訪問診療は✖)

②対面の組み合わせ
 ・対面で服薬指導を実施したことがある処方箋
 ・同一内容もしくは準じる内容の処方箋

※イメージとしては慢性疾患で症状が安定している患者

<オンライン服薬指導時の要件>

①薬局毎の対応事項
 ・特掲診療科の施設基準に係る届出
 ・オンライン服薬指導設備の整備(テレビ電話必須(ZOOMでも可))
 ・処方医との連携体制の整備、確保
 ・オンライン服薬指導の業務手順書の策定
 ・支払いのインフラ整備(クレジット?モバイル?振り込み?引き落とし?)

②患者毎の対応事項
 ・服薬指導計画の策定
 ・患者説明と同意取得(メリット、デメリットの説明)
 ・服薬指導を行う薬剤師の条件(原則として対面で継続的に服薬指導を行っている薬剤師)

※0410対応との違い
 ・原本必須(オンライン診療した医師が薬局に郵送、原本到着後調剤)
  ⇒オンライン診療から服薬指導までにタイムラグができる問題点あり
  ⇒基本的に慢性疾患で安定している患者で予備の薬があるはずのため問題なしとのこと
 ・新患不可
 ・郵送料は患者負担(領収書は他と区別して発行)


<今後電子処方せんが普及してくる>

 加藤厚生労働大臣が「データヘルス集中改革プラン」として
 電子処方せんの仕組み構築を含む3つのプランを提示。KW:オンライン資格確認

  ①全国で医療情報を確認できる仕組みの拡大(2022年夏~)
  ②電子処方せんの仕組み構築(2022年夏~)
  ③自身の保険医療情報を活用できる仕組みの拡大(2022年早期~)
 


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