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最新HIPHOPレビュー #28 「SPARTA / Nobody ft. BIM」

『日刊DiGG』28回目となる今回は、ラッパーに憧れて自分もマイクを握る様になった男たちのストーリーを紹介します。リリックを追いかけると、約10年前のHIPHOPクラシック曲にたどり着きました。

|SPARTA / Nobody ft. BIM( Prod. No Beer team)|

2021/01/25 公開

地元熊本で計4社からスポンサードされるほど有望なスケーターとして活動していたが、怪我により挫折。そこから映像を手がけつつ、ラッパーの道を志すことになった SPARTA

東京に上京して出したMV「Orca」をきっかけにメディアから取材を受け、KID FRESINOなどのアーティストと知り合えたと言う。ちなみにKID FRESINOと初めて会った時は、「"SPARTAじゃね"といったノリで話しかけてくれて嬉しかったです」とBlack File TVのインタビュー動画で語っている。


「嘘みたいなStory 夢のように」

ピアノの旋律で始まるこの曲は、絶望を味わった過去から見れば、憧れのアーティストたちと楽曲制作しているのが夢のようだとドラマチックに歌っている。「次は俺の番」と夢を与えるアーティストになる気概も見せている。


そして、Verse2で客演参加しているラッパー BIM にもまたドラマがあった。

「Dream sky見上げ憧っれった
 あのラッパー 本当にいるんだな ハッハー」

ここで言う「Dream sky」とは、ラッパー RAU DEF(ラウデフ)が'10年9月にリリースした1stアルバム『ESCALATE』に収録された曲のことだ。(HIPHOPクラシック!)

アルバム発売を記念したタワーレコードのインストアLiveの動画に、最前列で目を輝かせながらステージを見上げている青年がいる。それがなんとBIMだと言われている。(黒いキャップとTシャツの青年)

今やレーベルメイトとなり、同じステージに立つようになったPUNPEEや、RAU DEFに照れくさくて言えない気持ちを、リリックを通して伝えているのが微笑ましい。

今、SPARTAを羨望の眼差しで見上げ、リリックを書き始めた若者がいるのだろう。こうやってHIPHOPカルチャーが受け継がれていく。まだストーリーは始まったばかりだ。


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さらに深掘り

|SPARTA / ALIEN ft KID FRESINO|

2ndアルバム『Count Your Blessings』に収録にされた'19年発表作品。余計な力を入れず自然体でラップするのがSPARTAのスタイルだったが、この曲では一変し、なりふり構わず声を張り上げている。

「見上げてる空に届く事無く 終わるなんて嫌」

この切実さは家族ができた影響か?ブルージーなギターが胸を引っかく。





HIPHOPを広めたい一心で執筆しています。とは言え、たまにこれを続ける意味があるのかと虚無感に襲われます。 このまま頑張れ!と思われた方、コーヒー1杯おごる感じでサポートお願いします。自信をつけさせて下さい。