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『週刊DiGG』#1 -最新HIPHOP紹介('20/8/20〜8/27)-

HIPHOPのレビューを毎日ツイッター( https://twitter.com/drumshisho )に投稿しているドラム師匠です。

1日1レビュー書いていますが、それらをまとめた方が、多くの人に読んでもらえるのでは?と思い、note用に加筆・修正をくわえ記事にしました。

これから毎週火曜日に投稿していきます!雑誌をパラパラめくるように、気軽に最新HIPHOPに触れて下さい。あなたのお気に入りのアーティストが見つかりますように。

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|kim taehoon / ICE CREAM|

韓国生まれ、東京育ち、シンガー/トラックメーカー・kim taehoonが見せるHIPHOPアプローチ。チルでLo-Fiなビートに、シティポップの要素が加わっており、サラッとした歌唱法は、ほてった肌をクールにしてくれる。

シンガーだけあってのHOOKでのメロディの高揚感は、ラッパーのそれとは違った魅力がある。

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|サラムライ / STILL 58 feat.C-L-C|

大阪の南部・レペゼン泉北 2MCユニット・サラムライ(章楽 & EASY)。

キャリア20年をかけて、ようやくリリースした1stアルバムからの1曲は、彼らのこれまでの歩みが描かれる。

チョップされた女性Vo.サンプリングが、途切れ 途切れになりながらもラップを続けてた彼らの姿を連想させ熱くなる。様々なストーリがのせられた言葉には、言葉以上の説得力と感情の豊かさがある。

20年って続けられますか?偉大なる偏愛。

「何か確かめ たくて掃きだめ の中これ中心に描いた円」


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|Doughdees / Virtual Summer (feat. Massif) |

清涼感にあふれたサマーチューンは多いが、この曲は違う。

HIPHOPユニットDoughdees(LAX、Rodrigo)がMassifを客演に迎えた曲。夏の気だるさをラップで、夏の夜はいつまでも続きそうな錯覚を歌で表現する。

瞬く間に過ぎる季節を、名残惜しそうに奏でるシンセ音がなんとも心に残る。

「そう遠くない 終わりがないようで終わるLife」

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|PONEY / サガ feat.LIBRO|

ラップ歴17年のPONEY

年齢を重ねるたびに、頭の回転が鈍り、スピード感を失うラッパーが多いが、PONEYは違う。

自身のキャリアを振り返るこの曲は、実に軽やか。そして解放感に満ちている。全国をストリートLiveしながら旅するフットワークの軽さ、フリースタイルをYouTubeに100本以上あげている行動力が曲調に反映している。

これは、キャリアにアグラをかいてない証拠。呼吸すらラップになっているLIBRO(こちらもキャリア23年)も最高イイね。

「死ぬまでこれ まだまだ序盤
    コンビニの前で 感じてた予感」

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|BIM / One Love feat. kZm|

「俺はのび太で奴はジャイアン」というリリックにあるように、互いの楽曲に客演参加し、抜群の相性の良さをみせるBIMとkZm。

ドリーミーな多幸感があり、今やHIPHOPアンセムとなっている「kZM / Dream Chaser」の続編とも言えるこの曲。

そのまま突き抜けると思われた2018〜2019年。足踏みせざるを得なかった2020年。彼らには、先の世界がはっきりと見えて、「One Love」に思いを込める。

G.RINAによる透明感あるトラックは、水中にいるような静寂さがあり、地球の壮大な息づかいを感じさせる。

彼らと一緒に、さらなる向こう側へ。

「これがBad Man Tingか いまだ未知数 けどOne Love」

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|LEX / Romeo & Juliet|

以前よりロックへのアプローチはしていたが、こんな事もできるのか‼️と多才さに腰を抜かす。

kZmやDJ CHARI & DJ TATSUKIとの客演では有無を言わせぬラップスキルを見せつけたLEX。今作はラップという武器はあえて使わず、R&Bシンガー顔負けの歌を聴かせてくれる。

腰の入ったダンサブルで、ファンキーな歌は、「Daft Punk Feat Pharrel Williams / Get Lucky」を彷彿とさせる。

誰にもセルアウトなんて言わせない。このまま突き抜けて欲しい。

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|裂固 / GET FASTER|

MCバトルを格闘技に例えるなら、この曲はスポーツ。

タイトなドラムにキレっキレっな岐阜のラッパー裂固のラップが冴える。言葉がビートを変拍子に飛び越え、BPMが上がったのかと錯覚する。(いや上がってるかも?) 

途中でドラムが音色を変えて、始まるセッション。スキルの生かし方、魅せ方を分かってるよね。身体が喜ぶ。

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|NO NAME'S / INTRO|

アーティストを間違えた⁉️と2度見したほどイメージを覆す快心作。

“歌よし・フローよし・ルックスよし”兵庫県を拠点に活動する2MCユニット・NO NAME'S

声を歪ませメロディを排し、長所をかなぐり捨ててる。TB303で歪ませたアシッドでサイケデリックな世界観を表現。90sレイブカルチャーへのリスペクトがあっていい。

自らを制御できなくする衝動性。先が読めないハラハラ感がいい。

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さらにHIPHOPを知りたい人へ

YouTubeでも国産HIPHOPを紹介していますので、こちらもチェックして下さい。それではまた来週お会いしましょう。


HIPHOPを広めたい一心で執筆しています。とは言え、たまにこれを続ける意味があるのかと虚無感に襲われます。 このまま頑張れ!と思われた方、コーヒー1杯おごる感じでサポートお願いします。自信をつけさせて下さい。