「はい、とうちゃんです。」 漫想新聞7号掲載エッセイ予告編

子からの親の呼び方には様々な流派がある事が知られているが、我が家では妻の希望で「とうちゃん」「かあちゃん」で行くと決めていた。といってもただ決定しただけでは実際に子がそう呼んでくれる様にはならないので、子が言葉を発する様になる前から、事あるごとに「とうちゃんだよ〜」などと積極的に自己紹介していく事になる。

しかし、これはあらかじめ想像できていたことだが、「とうちゃん」「かあちゃん」というのは「パパ」「ママ」と比べて相当発音が難しく、他の単語の習得に比べ、父母を呼ぶための語彙の獲得が相対的に遅れることになる。

また同時に、ちょっとした気恥ずかしさだったり、子供世代への安易な迎合なのではないかといった気持ちがあって、私も妻も子に対するコミュニケーションで幼児語をあまり使わないという状況があった。

だが、保育園に通う様になるとそうは言っていられない。保育園は幼児語天国であるし、子がちょうど保育園に通い始める時期が言葉を発し始める時期と重なっていたこともあって、子は保育園で大いに幼児語を吸収し、それを我が家でも広める様になった。やはり広く長く使われている幼児語の「幼児にとっての覚え・使いこなしやすさ」は相当である。

はじめに我が家に輸入された幼児語は「わんわん」あたりだったと思う。当初は犬だけでなく猫や、絵本に出てくるライオンなども「わんわん」と呼んでいたのだが、意外と正確に、それも写真・絵・映像・実物といったメディアの違いに関係なく四足歩行の哺乳類のみをそう呼んでいたので、視覚的な分類・認識能力が早くもある事に驚いた。また、その大きな「わんわん」のグループからまず「にゃーにゃー」を見分けて呼び分けることができる様になり、いつの間にか「きりんさん」「かば」も呼び分ける事ができる様になった。動物以外にも、一緒に外出した際に見つけた物事を「ぶーぶー」「ぶーん(飛行機)」「かーかー(カラス)」などと指差して説明する語彙が増えていく様子を見ながら、語彙の増加と、視覚による認識能力の精度が連動して向上しているなと感じた。

さて、保育園の先生や周りの子供たちは早くから「ママ」「パパ」という語を使っていたのだが…

【いったい父母の呼び名はいつ獲得されるのか?このエッセイの続きを掲載した「漫想新聞 第7号」は、2018年1月20日のイベント 漫想新聞発売記念イベント にて発売!詳細は http://drumsoft.com/blog/?p=895 にて。是非ご来場の上「漫想新聞」誌上でお読み下さい。】

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

1
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。