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子がまだ新生児の頃は、今よりもよく子守唄を歌っていた。という事は現在(6ヶ月半)は当時ほどたくさんの子守唄を歌ってないのだけれど、とくにこれといった原因があるわけではない。あまり子守唄に子供を眠らせる様な効果がない事がわかってきて歌うモチベーションが欠けてきたり、ウチの子供が比較的決まった時間にぐっすり寝る子供であるため歌うべき局面が少ないといった理由かもしれない。子供が言葉や歌を理解できる様になってきたらまた歌ったりするのだろうか。

といっても、いわゆる子守唄とされるジャンルの歌はあまり知らないため、勝手に子守唄っぽさを感じたものなどを歌っていた。もっともよく歌ったものは中島みゆき「狼になりたい」だった。この歌を歌い出したきっかけは、新生児の頃の子が「母乳はまだか!」騒ぐ姿が、この歌に登場する男が「ビールはまだか!」怒るシーンを彷彿させたからだ。サビの「おおかみになりたい」というフレーズをゆっくりと歌うと眠気を誘う様な音程の波が現れ、小さい波で寂しげに「ただいちど」と消えていく感じはとても眠りに誘う効果が高そうに思えた。

また「およげ!たいやきくん」もよく歌った。これは、毎日毎日オムツを替える動作を繰り返し続ける新生児の保護者の気持ちが「毎日毎日鉄板で焼かれて嫌になる」という歌詞と繋がったからだと思う。しかし、どちらかというとオムツを開いては取り替える保護者の様子は、鉄板を開いては中のたい焼きを入れ替えるたい焼き屋のおじさんの動きに近い。たいやきくんが「毎日毎日鉄板で焼かれて嫌に」と歌われているのは、実はおじさんが「毎日毎日鉄板でたい焼きを焼いて嫌に」なっている気持ちの反映なのかもしれない。この歌は海から釣り上げたたい焼きをいきなり食べてしまうサイコ野郎に主人公が食べられて終わる所が唐突で面白いので、子守唄としての効果の有無については脇に置いて繰り返し歌いたくなる。

以前書いた様に、他にも多数の歌を歌っていた気がするのだけど、今思い出せるものはあまり多くない。いまこの文章を書きながら思い出したのは、アニメ「楽しいムーミン一家」の主題歌だった「夢の世界へ」という歌だ。これは三拍子のゆったりした曲で、短調の「思いきり泣く」と歌われるパートから長調の「夢の世界へ」といった歌詞へ展開するところなど、子守唄的な要素が多い事から思い出したのだと思う。他にも思い出したらここに追記しておきたい。

(追記:「飾りじゃないのよ涙は」も歌っていた。ただ、新生児は泣いてもあまり涙が出ない。涙がで始めた頃にそれを見て歌っていたのだろうか)

少し子供が成長してからは、子供の行動などを歌詞にしてデタラメなメロディをつけて歌うことも多くなった。この場合それほど長い歌詞にはできないのでひたすら繰り返しの歌詞になり、眠りに誘う効果が高そうな歌を歌うことができる。とはいえ、実際には子守唄だけで子供を眠らせたり落ち着かせる事ができるものではなく、多くの場合は子を持ち上げてユラユラするという、圧倒的に効果が高い技との組み合わせで使われる。歌に効果があるとすれば、その際にリズムを取りやすくなる点と、歌う事に集中する事で、保護者の方の気持ちが落ち着くという点が大きいだろう。そのため子守唄は、歌う人が歌いやすく楽しい気楽な気持ちで歌えるものが良いと思う。この「持ち上げてユラユラ」についても、また別の文章でとりあげてみたい。

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