見出し画像

敢えてマルチエンディングを回収しない選択[VA-11 Hall-A]

昨日久々にVA-11 Hall-Aをプレイした。といっても30分くらい。

前回プレイしたのが確か去年の5月ぐらい。その時にグッドエンドまで行ってそれっきりのセーブデータが残っていた。つまり所謂NG+っていうセーブデータ。んで開くと、アナからメタトークを投げられた。

「あぁ、これマルチエンディングだったのか」

貯金ノルマあったから、満たせなかった場合の処理とかでエンディング分岐しそうだな~とは当時から思ってた。でも、VA-11 Hall-Aがマルチエンディングとハッキリ知ったのはこの時が初めてだった。 以前の僕だったら、全エンディング回収するためにWiki開いて調べたりするところなのだが、今はそういう気分にはならなかった。

とはいえ、各エンディングのフラグ成立の労力と、未回収のテキスト・エンディングを脳内の天秤に乗せて、どう傾くかシミュレーションした結果「めんど~」という結論が出たわけではない。

それよりかは、”バーテンダー”ジルの、カクテルを判断する脳味噌に全力でロールプレイした結果、ただ単にそういう気分にならなかったという感じ。なんだかメタ思考の出来るテイラーみてぇだな。

確かに敢えて客の注文とは異なるカクテルを出して困惑させたり、ガンガンにアルコール度数の高いので酔わせてあんなことやこんなことを喋らせることだって出来たはずだ。でも、それはやらない。

客が注文をする。注文通りにカクテルを出す。ついでに話も聞く。ただこれだけを遵守することが、なによりもこのゲームの世界に溺れて楽しむルールに思えたからだ。ヴァージリオのような例外でカクテルをミスしても構わない。僕は完全無欠のAIブレーンじゃなくて、想像上のジル並の能力でカクテルを選ぶだけのただの脳味噌だ。別に完璧にこなすことだけがロールプレイじゃない。一期一会を大事にすることも立派なロールプレイだ。

だから、初見でやらなかったことはやらない。フラグ成立も進んでやらない。いつも通り、ヴァージリオのムカつく注文に完璧な答えを出さないし、セイには気が向いた時にキンキンに冷えた甘いムーンブラストを出す。

でも、製作者がこっそり忍ばせたイースターエッグや実績を見たくないのかと聞かれたらそりゃ見たいよ。ただし初見の1周目で。2週目以降Wiki解禁してまで探しに行くのは、UndertaleSEKIROといった隠しボスで力試しが出来るゲーム以外はやらない。

さて、このスタンスで最近遊んだマルチエンディングのゲームって何かあったかな、と調べた所、年末に遊んだMetro ExodusSalt and Sanctuaryぐらいしかなかった。そもそもマルチエンディングってそんなに無いよね。

逆に、9-nine-Steins;Gateといったノベルゲーは全エンディング回収していたけど、VA-11 Hall-Aと何が違ったんだろう。 恐らく、それぞれゲームをプレイする時の熱量のベクトルが違ったんじゃないかなと思う。

前者は全ての空き時間をこのゲームに費やすってレベルで腰を据えて遊んだんだけど、VA-11 Hall-Aはそういう熱意のかけ方とは違い、「気楽に遊んでね!一介のバーテンダーの話だよ!」というメッセージを感じたからこそ、隙間時間にちょっとだけ、という身軽さをもって長く遊んだ。 短距離走とマラソンみたいな。そういう熱量の使い加減が違ったから、ロールプレイのカタチが変わったのかもしれない。

最近はXbox Game Pass、PSNowといった月額制のゲームサービスも増えてきて、「気が向いた時にサクっと遊ぶ」というプレイスタイルが増えるだろうし、こういう熱意の傾け方もゲームを器用に楽しむためのひとつの技術なのかもしれないねぇ。

あ、そうだ。良ければスキ押したりTwitterで共有してくれるとうれしいぞ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?