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[アートカード構築]グルールフレンズ組んでみた

君はアートカード構築というフォーマットをご存じだろうか

ゼンディカーの夜明け以降のセットブースターに入っているアートカード(およびMH1のイラストコレクション)のみで構築するフォーマットである。
もちろん非公式、なんなら裏面が統一されていないのでスリーブなしでは遊べない。

かつては基本土地すらない地獄のカードプールであったが、通常セットは勿論、現在はモダン向けセットのMH2にLTR、統率者向けセットのCLBにCMMが加わり奇妙な狭さのエターナルフォーマットになっている。

ひょんなことから友人の誘いでアートカード構築をやってみることになり、しかしこんな過疎どころではないフォーマットの構築情報なんて霞程しかないし大体古いので頑張って自分でカード一覧と睨み合って組んだのだった。


リスト

このデッキは?

えー、見づらくて大変恐縮だが、好みのものを選ぶべき基本土地を除いてアート・カードの方で登録している。真似したい酔狂な人はそのままカートに入れると良い。

このフォーマットはそのカードプールの都合上、エルドレインの森(WOE)現在、《金属海の沿岸》《アダーカー荒原》《天界の列柱》と、サイクルのうち一部しか実装されていない2色土地は何故か青白が総なめにしている。その為、土地の色基盤が最も安定しているのは青白であり、その他の多色は一歩遅れを取ってしまっているのが現状だ。

フェッチが現世と冥界を行ったり来たり

しかしながら、赤緑にはレガシー禁止のプレインズウォーカー《レンと六番》が使用可能なため、《虹色の眺望》と合わせて掘り進めたり《不毛の大地》使い回したりできる。ついでに《燃え柳の木立》があるため、青白以外の中では比較的安定した色基盤が実現できるという寸法だ。
色数増やせばレン&オムナスにすることもできるが、今回はスリムに2色……嘘。タッチ込み3色で組んだ。

というわけで、基本的にプレインズウォーカーのパワーで轢き潰すのがコンセプトのデッキである。

注目カード紹介

《時を超えた英雄、ミンスクとブー》

ハゲは強いの法則

恐るべきは+1能力で3個もカウンターが乗っかるところ。
ブーは実質4/4であり、成長して速やかに相手のライフを消し飛ばす。レガシーに4Cコントロールを齎しただけのことはある。
ー2を使うタイミングがあるかはわからない。

《レンと次元壊し》

犠牲になったのだ……

色ムラを緩和しつつ、《燃え柳の木立》のライフゲインも緩和できる上、実質1ドローが付いてくる。流石に下環境用に設計されているミンスクやレン六ほど目立つものではないが、スタン産の中では確かに強力なPWだ。
アートカード構築においては足回りの不安定感を解消してくれて非常に優秀。
難点はデッキ全体が赤寄りであるにも関わらず緑ダブルシンボルであることだが、ここを緩和する手段は入れてある。

《敏捷なこそ泥、ラガバン》

多元宇宙の伝説で随分安くなった

今や説明不要のクソ猿。宝物トークンができるのが便利。
……本当にそれ以上コメントのしようがない。敢えて言うならば、奪ったカードもアート・カードなので効果もコストも全く読めない問題がある。

《気前のよいエント》

リスがストームしそう

指輪コラボカードにある「1マナ(基本土地タイプ)サイクリング」サイクルの緑版。確かサイクルでアートカードがあるのはこれだけの筈。
基本的には赤マナから森を持ってくる。これが非常に便利で、序盤の土地の安定性に大きく貢献する。
《太陽の指輪》が出せていれば戦場に出る機会もあり。

《太陽の指輪》

2種類ある(左:CMM、右:LTR)

従来のフォーマットでは1枚しか許されないカードだが、こんな場末に禁止も制限もありゃしないので別に4枚積んでもよい。
主な役割は2ターン目に《時を超えた英雄、ミンスクとブー》(もしくは《怪しげな統治者、スクイー》)を出せるようにすることだ。しかし、デッキの性質上ダブルシンボルだったり軽量だったりするカードも多いので、必ずしも役に立つわけではない。ので今回は上振れ札と考えて2枚に抑えた。枠が足りないともいう。

《虹色の終焉》

サリアキラー

カードプールの都合上、赤緑は非生物のパーマネントに振れるのが難しい。どこでもそうだろとか言わない
という都合で、白をタッチすることにした。ブーもそうだが、結構トークン生成系カードは種類豊富なのでX=0での使用もあるだろうと思う。

問題点

どっちの絵も捨てがたいよね

虹色の眺望がない!!!!

そう。
このフォーマットにおいて、最も入手が難しい最高レアカードは《虹色の眺望》である。
在庫が尽きがちで、尚且つそうそう補充されない。狙って手に入るものではなく、頑張ってストレージが晴れる屋の詰め合わせで漁るしかないのだ。

実は《稲妻》《レンと六番》ともども、私は入手ができなかった。
しかし泡沫フォーマットは気運が高まっているうちにやるほかない。
というわけで、継ぎ接ぎで妥協を強いられることになった。買っててよかった800枚詰め合わせ。

妥協調整版

……晴れる屋に在庫がないためシングルスターで買った《敏捷なこそ泥、ラガバン》が輸送都合でまだ届いていなかったので、その枠も詰め込む必要が出たりしている。

ここで注目すべきは《真理と正義の剣》

赤青っぽく見えるのが罠

先述した通り、このフォーマットは色基盤が最も強いのは青白である。
というメタの都合を踏まえると、最も適した剣は青白剣に違いない。このため、ブーの上のカウンターが更に増えることになる。

実戦してみた

猿以外のパーツが届いたので早速実践。残業長引いて大遅刻した本当に申し訳ない
なお、サイドまでは整えてもられないのでメイン2戦でお互いの動きを見る感じで。

相手のデッキはなんだろう、普段青いのが好きな人なんだが……と思っていたら、出てきたのは《策謀の予見者、ラフィーン》

パンチしてると思ったら実は左翼

謀議でデッキを掘り進めつつ、《漆月魁渡》や《放浪皇》のトークンでビートするエスパーデッキだった。なんと《虹色の眺望》があるのですごく安定しているうらやましい。

1戦目はこちらが《時を超えた英雄、ミンスクとブー》を出し、更に《真理と正義の剣》をブーに装備して速やかに決着。《放浪皇》を構えていたようだが、プロテクションの前にそれは無意味なものになった。

2戦目はこちらが白マナ出ないのに《虹色の終焉》を引いている間に次々生物が着地。除去が追いつくわけもなく、カウンターが4つ乗った《ベナリアの潜伏工作員》と起動された《天界の列柱》が殴りかかってきて負けた。

意外と覚えてるぞアート・カード

やってみた感想としては、意外とテキストが頭に入っているということだった。一方で、カード名がパッと出て来なかったりするのはカードゲーマーのサガであろう。
カードプールもスタン毎セット更新されるが、プールが著しく偏るためまだまだ鉱脈はある筈である。LTRの伝説生物たちとかよく覚えてないしね。

ちなみに、この世界はカードパワーはまず価格に反映されず、イラストアドのみが素直に現れる場所であるため、強いデッキを組むと(多分)安い。このデッキもせいぜい3000円前後で済むはずだ。ボックスを開けて余らせてるアート・カードを構築の起点に組んでみるのも楽しいんじゃないかと思う。
但し、カードの検索性も視認性も極悪非道であるが。

今回は世の中にまるで資料がないのでこうして筆を執ってみた次第である。もしやっている人がいれば是非とも記事を書いてほしいし、「実は組めるデッキ」を見つけてきてほしい。

…………余談だが。
CMMのおかげで《統率者の塔》や《秘儀の印鑑》もアートカードになっている。
頑張って考えればアートカードEDHが組めないこともない、かもしれない。色をかなり選びそうだが。

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