見出し画像

【ほししいたけファンインタビュー】田中椎茸3代目 邊木園浩子さん

1)ほししいたけ、あなたの推しポイントは?

 ほししいたけは、三大うま味成分のひとつ「グアニル酸」を多く含む上に抗酸化作用があり、カロリーも低く食物繊維を豊富に含むなど、身体にとても良い食べ物です。産地では、もどし汁を毎朝飲んで健康を保つという習慣があるくらいです。また、和・洋・中どんな料理にも合うので、実は、非常に便利な食材だと思っています。

2)ほししいたけとの出会いはいつ?どんなふうに?

 しいたけ農家に生まれたので、生まれた時からほししいたけに囲まれて育ちました。物心つく頃には家の手伝いで、原木に種コマを打ち込んだり(植菌)、しいたけを採ったり、乾燥させるために並べたりといった作業をしていました。収穫したしいたけは商品ですので毎日食べるものではありませんでしたが、「バレ」と呼ばれる大きく開きすぎたり形の悪いものは時々食卓に上がっていました。嫌いではなかったですが、特別食べたいと思うこともありませんでしたね(笑)。

3)邊木園さんは普段何をしている人ですか?

 祖父の代から100年続く田中椎茸の3代目として、原木栽培のしいたけを
昔ながらの方法で生産しています。宮崎県高原町の圃場で、霧島山系の天然水を散水してゆっくり育てたしいたけを、乾燥機で水分を飛ばした後、昔ながらの薪室(まきむろ)で2昼夜かけて仕上げ乾燥をします。ほししいたけに最適な薪室の温度は50度前後。それを保つため、収穫期には併設した小屋に泊まり込みで温度を管理しています。薪室でじっくり仕上げたほしいいたけは、遠赤外線の効果からか「風味が良い」と多くのお客様がリピートしてくださいます。現在は、生産量の3分の2を直接販売しています。

日照の微妙な調整もされている圃場
薪室で2昼夜かけて仕上げる

 4年前から冷凍熟成したしいたけの販売も始めました。冷凍することで味が凝縮するため、こちらも好評です。霧島連山の湧水を散布していることから「霧島の恵み」という名前を付け、ブランド化を試みています。現在、1割を生、2割を冷凍、残る7割をほししいたけとして出荷しています。

冷凍熟成しいたけ「霧島の恵み」

 また、直売場にイートインを併設した「茸(なば)ちゃん家」では、シェフや野菜ソムリエの方にご協力いただいて料理やセミナーを通して原木しいたけの魅力を発信しています。

ほししいたけの魅力を発信する「茸ちゃん家」

 近年、力を入れているのは、プロの方々に向けて原木しいたけの魅力を発信することです。活動を続ける中で、食のプロであるシェフの方々でも原木と菌床の違いをご存知ないということを知りました。同時に、実際に原木しいたけを食べていただくと本当に高い評価をいただけることもわかってきました。こうしてさまざまなシェフたちとの出会いが重なって、今年の11月に東京で開催されるフランス料理のコンクールとガラディナーの食材に原木しいたけを選んでいただくことができました。さらに光栄なことに2024年1月に本場フランスで原木しいたけのプロモーションをする機会をいただけたのです。
 この夢のような機会を逃さないために、クラウドファンディングにも挑戦しています。(詳細はこちら→クラウドファンディング[CAMPFIRE]
へリンク

クラウドファンディングは2023年10月31日まで募集中

 「本物を正直に!“原木椎茸”を世界中の食卓に届ける」という目標に向かって活動していますので、この貴重な機会を生かせるよう応援をしていただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。

4)みなさんにどんなふうにほししいたけを楽しんで欲しいですか?


 「ほししいたけは戻すのが面倒」という話をよく聞きますが、だしポットなどに水と一緒に入れておけば1週間や10日程度はもちますから、常に冷蔵庫にストックしておくと良いと思います。半端に戻すのが一番美味しくないので、その点だけ気をつけていただければ難しいことはありません。

冷蔵庫にキープをおすすめ

 完全に戻したしいたけは何にでも使えます。煮物だけではなく、オリーブオイルとニンニクでアヒージョにしても良いですし、大きくて薄い香信などはピザソースを塗ってチーズをのせて焼くと、しいたけ嫌いな子供がお代わりするくらい美味しくなりますよ。どんなメニューにも合いますので、ぜひ色々な料理に使ってみてください。

子供も喜ぶしいたけピッツァ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?