ShinIchihara

文通相手たちに深謝。

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マガジン

  • さばくのひがさ

    • 128本

    本を書く市原と本を作る西野の往復書簡(2度目)ですが、ふたりとも本を読んでばかりいます。

  • ヤンデルはめんどくさい

    病理医ヤンデルはSNS医療のカタチの一員ではあるんですが、実際にはもう少し鬱屈した関わり方をしていて、いろいろめんどくさいことをモヤモヤ考えて微妙に距離をとったりしているので、そのあたりをセキララに書いていこうと思います。キティララ。

  • 週刊 『ヨンデル選書』

    三省堂書店池袋本店にて平成30年11月30日から令和元年5月31日まで開催された『ヨンデル選書』フェア。こちらで並べたおススメ本たちを、毎週1冊ずつご紹介していくマガジンです。なお、令和元年12月1日より令和2年7月31日まで、三省堂書店池袋本店にて『ヨンデル選書 Season 2』開催中。

  • 俺たちは誤解の平原に立っていた

    • 20本

    言語があるから人々は分断され、分断された人々は言語によって心を通わせる。 (イメージイラスト:恵三朗先生)

  • 不定期更新ロンリー雑誌『アレクサ、看取って』

    「医療情報産業学」を語ります。

最近の記事

いい子にしてそこでちょっと見てなさい

西野マドカさん noteのこの鼻につくいやらしい真っ白な、いかにもほめてほしそうなインターフェースに向き合って、さて今日はいったい何を書こうかと、しばらく考えています。 かつての私であれば、 「ふつうに暮らしているうちに、自分の中からなにごとか、書きたいもの、書けるものがうかびあがってくるものだ」 と、自分の作家性のようなものに対する無垢の信頼を隠しもしませんでした。 しかし、あらためてあなたからの一番新しいお手紙を受け取って、あらためて気づいたことがあります。

    • 愛着が分化した先の好奇心

      にしのし お手紙を、折に触れて読み返しています。 近頃はおたがい、月例ペースでお手紙を書いてきましたね。私やあなたが自然に記すようになった、冒頭の「時候のご挨拶」が、ほどよく春夏秋冬を追体験させてくれて、なかなか味わい深いです。 夏の暑さも冬の寒さも、毎年同じ事をくりかえしているはずなのだけれど、どのお手紙にもどことなく、その時だけの一回性みたいなものがまぎれこんでいるのがよいなあと思いました。 「ただの夏」も「ただの冬」も、それぞれ拡大してみれば、その年だけの夏であ

      • 軟弱な東京もんに捧げる

        にしのし お便りをいただいてからほどなく、札幌も暑くなりました。 おとといなんか、全国ニュースになったんじゃないかな。「札幌にて観測史上最高気温」ってね。 まあ36度ちょっとですから、内地のみなさんから見れば、「それくらいならなんとか……」って思われるかもしれませんけれど。 でも我々からすると大事件なんですよ。 なにせ、札幌の小学校の7割には、エアコンがないんです。 しかも、札幌の小学校の夏休みは、8月20日(日)に終わりました。 このクソ暑い中、冷房なしで勉強し

        • 嘘に塗り固められた自己開放という歌詞の二義性

          にしのし そちらお暑いでしょう。 全国ニュースから聞こえる各地の気温が体温より高くなってきた今日この頃です。いっぽう、札幌は平和で、日中いくら暑くなろうとも、夜に窓を開けて寝れば朝方には少しひんやりするくらいでございます。 いい季節ですよぉ。最高の季節ですよぉ。 「昔はもう少し過ごしやすかった」みたいな話をよく耳にしますけど、みなさん、札幌に来れば、タイムトラベルできますよぉ(?)。 でも、まあ、その「昔」の記憶というのも、 だったりするから、油断ができないけれど

        いい子にしてそこでちょっと見てなさい

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        • さばくのひがさ
          128本
        • ヤンデルはめんどくさい
          12本
        • 週刊 『ヨンデル選書』
          184本
        • 俺たちは誤解の平原に立っていた
          20本
        • 不定期更新ロンリー雑誌『アレクサ、看取って』
          45本
        • 雲をつかむはなし
          14本

        記事

          「SNS医療のカタチ」のグッズ販売という選択について私が思うこと

          ここ4年くらいの話をします。 私は、「SNS医療のカタチ」というプロジェクトにいろいろ関わっております。 医療における情報・コミュニケーションを考えて実際に動いていく取り組みです。 その多くはオンラインで行ってきました。あちこちにいる医療者たちに10分くらいの市民向け講演プレゼンを作ってもらい、月に1回程度、日曜の夜9時からYouTube LIVEで放送する、というかんじです。 質疑応答的にメンバーとやりとりをすると、なんだかんだで30分くらいの番組になるのですが、要

          「SNS医療のカタチ」のグッズ販売という選択について私が思うこと

          胃が弱いのでカフェ俺にしてください

          にしのし こんにちは。お元気ですか。私は元気です。 先日、出張で大宮に行きました。首都圏に宿泊したのはひさしぶりです。 羽田に降りる前には、毎回、おきまりの緊張を覚えます。きっと札幌より暑くてじめじめしているだろうな、と、少しおののいてしまう。 飛行機のドアが開き、CAさんの横をすり抜けた瞬間に、体の正面から「じっとりとして圧をもった空気のかたまり」を受け止める感覚は、私にとっての「上京」とがっちり結びついているのです。 しかし、今回は違いました。飛行機を降りても空

          胃が弱いのでカフェ俺にしてください

          まなざさない目線

          にしのし 北海道に桜前線がやってきました。めちゃくちゃ早いです。4月11日に松前の桜が開花するというのは観測史上初。ふだんあのあたりはゴールデンウィークころに満開になるんですよ。 札幌も大型連休前に桜が咲きそうです。平均して気温の高い毎日。花粉と黄砂にむずむずする毎日。近頃は目がかゆく、また、目が悪くなりました。何をのぞきこむにしても、目つきが悪くなりがちである。 *** 眼差しについて。 あるいは、「眼差すこと」や「眼差されること」について。 差すは刺すに通じる

          まなざさない目線

          三千世界のモニタ目線

          にしのし ごきげんいかが。私は胃癌学会の仕事で過大なストレスがかかって胃をこわしました。アブラものが食えません。牛肉はもうだめ。鶏しか食えない。鶏だけ。しんどいなあ。ああ、ハモなら食える気がする。トロはだめ。ハモならいけるだろうなあ。 ハモを食いたい。 かつて仕事で山口に行ったとき、現地のバリウム技師さんに連れていってもらった気さくな居酒屋、畳の小上がりが親戚んちの居間みたいな部屋の、座卓としか言いようがない団体用のテーブルで六、七人でつついたハモの鍋。あれが、これまで

          三千世界のモニタ目線

          デート代は国が払うべきである

          「いいよ、私も払うよ、ワリカンでいいなら」 清々しそうな顔でルリが言うのでぼくはがっくりしてしまった。まただ。ぜんぜんマッチングしてないじゃないか。いや、でも万が一ということもある。いちおうぼくは食い下がった。 「ああ、でもほら、申請だけでもぜんぜんいいよ。別にここで申請したからって明日からこうしなきゃいけない、みたいなこともないんだし」 彼女は一瞬だけ、ほんとうに一瞬だけ面倒くさそうな顔をして、でも笑顔を崩さずに付け足した。 「お店のバーコードもう読んじゃった。ワリ

          デート代は国が払うべきである

          テレビよりスタバのほうがうるさいかどうかの話

          にしのし おそまきながら、本年もよろしくお願いします。 年末にほど近い時期に、親戚に感染者が出たため、集まるのはやめにして、微風おだやかな数日間を過ごしておりました。基本、テレビつけっぱで。 新年の番組で覚えているものはほとんどありませんが、テレビがついていたなあ、という印象だけはわりといい感じで残っています。ああ、駅伝は見るともなしに全部見たかも。 *** 私はテレビをよく見る。テレビっ子だ。 見るというか、ついている状態にしておく。 晩ご飯を食べている間、そのあ

          テレビよりスタバのほうがうるさいかどうかの話

          180.最終回のあとには

          すべて忘れてしまうから (上記リンクをクリックすると版元ドットコム。いろいろな場所で買えます。) 三省堂書店池袋本店のヨンデル選書フェア(本記事は2020-2021のヨンデル選書 3rd seasonが対象)で、お買い上げの方に渡す特製カードに350文字のオススメ文を寄せた。以下、そのまま引用する。 燃え殻さんの文章の中で複数の時制が交差する部分にぐっと来る読者は多い。ピカソのキュビズムがいまだに絵の素人から見ると「なんじゃこりゃ」と思われてしまうのに対して、燃え殻さん

          180.最終回のあとには

          できればずっと変わらない場所で

          にしのし その後、そちらも寒くなったでしょう。雪もちらほら降ったり降らなかったりしたのではないかと思います。 北海道は……去年ほどではないかな。積雪はひどいけれど、ひどすぎるという感じでもない。ただ、自分の肌が去年より薄くなったのかもしれないなあとは思う。やたらと寒い。マイナス8度でこれならこの先いったいどうなるのだろうと、少し不安になっている。まあ、こういう感覚自体も、日が経つにつれてどんどん変わっていく。それが12月だ。 ぼくらの目と脳は、あるものを全部見て考えるの

          できればずっと変わらない場所で

          179.ときには聖書のように

          がん医療の臨床倫理 (上記リンクをクリックすると版元ドットコム。いろいろな場所で買えます。) 三省堂書店池袋本店のヨンデル選書フェア(本記事は2020-2021のヨンデル選書 3rd seasonが対象)で、お買い上げの方に渡す特製カードに350文字のオススメ文を寄せた。以下、そのまま引用する。 「読みやすい!」みたいな本ばかりを基本的には読んでいるのだけれど、ときおり、「うわー読みづら! 眠! しんど! でも読まなきゃなー!」みたいな本を偏愛することもある、ということ

          179.ときには聖書のように

          178.i者かiPhoneか

          外来診療によく効くBATHE法 (上記リンクをクリックすると版元ドットコム。いろいろな場所で買えます。) 三省堂書店池袋本店のヨンデル選書フェア(本記事は2020-2021のヨンデル選書 3rd seasonが対象)で、お買い上げの方に渡す特製カードに350文字のオススメ文を寄せた。以下、そのまま引用する。 これすごくいいこと言ってるな。そういうことです。外来作法ってちゃんと本読んで勉強したほうがいいと思う。医者の多くが雑誌をちょろっと読むくらいであとはセルフ流儀でなん

          178.i者かiPhoneか

          177.類書がなく似た人がいない

          精神症状から身体症状を見抜く(上記リンクをクリックすると版元・金芳堂のホームページ。買えます。) 三省堂書店池袋本店のヨンデル選書フェア(本記事は2020-2021のヨンデル選書 3rd seasonが対象)で、お買い上げの方に渡す特製カードに350文字のオススメ文を寄せた。以下、そのまま引用する。 尾久先生はその後『器質か心因か』『サイカイアトリー・コンプレックス』『思春期、内科外来に迷い込む』と立て続けに内科的精神科、いや精神科的内科の本を上梓する。『偽者論』も記憶に

          177.類書がなく似た人がいない

          176.怒られたり怒られなかったり

          やってくる(上記リンクをクリックすると版元ドットコム。いろいろな場所で買えます。) 三省堂書店池袋本店のヨンデル選書フェア(本記事は2020-2021のヨンデル選書 3rd seasonが対象)で、お買い上げの方に渡す特製カードに350文字のオススメ文を寄せた。以下、そのまま引用する。 おすすめすると「なんですかあの本! 怖かったんですけど!」などと怒られることがある名著である。なんとなくデスクの横の、すぐ手が届くところに置いてあるのだが、じつはまだ再読したことがない。そ

          176.怒られたり怒られなかったり