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24/0407:オードリーと2024年とわたし


オードリーのオタクだった。


過去形じゃねーかよ、とつっこまれると思うが、あの頃の私はオタクと呼ぶにふさわしかった。2009年頃の話である。

2008年12月21日、M-1 の敗者復活戦を勝ち上がり、立ったあの舞台。
ピンクベストの気持ち悪い感じの色黒七三ニヤケ男と、もちゃっとした可愛い男。私は当時10代だった。とはいえ高校を卒業して一人暮らしを始めた年ぐらいだ。地元から離れてせいせい…ではなく田舎が好きなのでだいぶ心細さもあった頃にオードリーという超新星は唐突に現れた。

超新星は唐突に現れた、と言ったが、オードリーはこの時期に「ぐるナイ おもしろ荘」に出演していたので実は面識はあった。おもしろ荘とかゴッドタンとかあらびき団とか正統派ゴールデン番組よりも”そういう類”をよく見る女だったのでその一環である。特番のおもしろ荘でまだ春日に花火を浴びせる事が出来た時代だ(うちにはまだその録画がきちんと残っている。)
あまりピンと来ていなかったがM-1 決勝戦1本目のネタが面白すぎてオードリーという存在に覚醒したという方が正しいのかも。星はいつも一生懸命輝いていたのにそれに気づかなかっただけとも言える。酷い話だ。そして人間誰しも輝いて見える星に手を伸ばそうとした時に足元を見ていないと一寸先の沼にどっぷり転がり落ちるのである。

 とりあえず『オードリー』を調べはじめた。
 これまでに出演した番組をスマホという文明機器で片っ端から見た。とても動画サイトのお世話になった。ありがとう文明。
キサラでのネタライブの動画や2007年頃~やっていたという無料動画配信サービスを履修してからめちゃくちゃオードリーの沼にハマっていく。かわうそプリティフェイスの若ちゃんが闇深拗らせ文学男でガーカスが変態で常識的知識人だったからだと思う。どうなってんねんそれ、が大好きなのでよりよく知りたくなってしまう性が擽られまくって覗いているうちにここはもう、オ ー ド リ ー 沼 。
 若林と春日のブログも当時はよく読んだ。今みたいにあらゆる機能を盛り込みました!みたいなブログではなくブログ書く、写真載せる、おわり。みたいな簡易的な時代で若林は時々写真もつけてくれたりして。それがまたまだガラケーも生きていた時代なので画質がばりばりのjpgでとても画質が荒くて。 あーなんとなくいい時代だったな、なんか。春日のブログ、新年だけでもいいから更新して欲しいな。
 同時にM-1 で知名度とインパクトを抜群に売り出した二人は色々な企業とのコラボやテレビへの出演数も増え必然的にあらゆる場面で目にするようになる。
 駆け出し社会人だった私は当時パソコンを持っていなかったので、それぐらいの時期にどこかの企業とオードリーがコラボした、どういうゲームだったか忘れたけれど、それがやりたくてやりたくて仕方なかったんですけど、なにせおパソコンがなくてできなかった悔しい思い出がある。誰か覚えてる人いるのかな…ウィキにも載ってないので不明。ドット絵みたいな感じの可愛い感じ。ggったけど他とのコラボばかり出てきてヒットするわけもなく。


閑話休題。


2009。とにかくインパクトのあるキャラ芸人春日とじゃない方のいつも春日を諫める若林。というのは偽りの姿だと声を大にして言いたかった。いや本人たちは偽ってる訳じゃくて、地上波がそういう所を削ぎ落していくんでしょうけど。そういう者を見た人が勝手に勘違いしているだけでもあるんでしょうけど。

そんな折、生オードリーに会えるチャンスがやってくる。
飛ぶ鳥をでかいトゥースで撃ち落としていたオードリーが勢いに乗じネタDVDを販売することになったのだ。

ファン待望!!オードリーの厳選ネタを初DVD化!!
【作品概要】
M-1グランプリ2008で、敗者復活から準優勝を果たし、今やTV・CM・ラジオなどを賑やかしているオードリーの傑作コント・漫才に加え、
特典映像もボリューム満点!これを見れば、オードリーの全てが分かる!?ファン待望のDVDが遂に登場!

【特典映像】”86分収録”
春日にお金を使う楽しさを知って頂こうプロジェクト

【初回盤限定 封入特典】
「プレミア・トークライブ」抽選応募ハガキ
特製オリジナル携帯クリーナー
数量限定「オードリーキティ」購入ID

AmazonオードリーDVD 販売ページ


「プレミア・トークライブ」抽選応募ハガキ

当時は大分県在住(10代・女性)。田舎の僻地育ち世間知らずで飛行機に一人で乗った事もないような人間でしたが、まあとりあえず応募はがきあるし応募しとこう。何故か当たる気がする。そしてオードリーキティ欲しい!欲しい欲しい!!2つは欲しい!!という訳でチャリで10分で着くTSUTAYAに2枚予約しにいった。実家のある田舎にはTSUTAYAなんてなかった。最寄りのTSUTAYAまで車で往復2時間はかかるから、そういう意味では一人暮らししてて正解だったな。とりあえずオードリーキティが欲しかった。キティ春日とねずみ林。可愛すぎるし、なによりサンリオとコラボするほどのでかさ!?と慄いた。春日のキャラ性がコラボしやすかったんだろうな・・・



当たった。

ので、初めての一人旅だった。「おお、当たったか」やはり、みたいな感覚だった。不思議。お呼ばれされて嬉しかったな。
しかし行った事ないんだが兵庫県なんて????西宮???はあ、、、へえ、、、、となりながら必死に経路を探してホテルも取って行ったねえ……懐かしい。記憶をたどって書いているのでほんと懐かしいしか言ってない。

 大分のお土産を持って行った。春日のドケチ貧乏生活の刷り込みが凄かったのか、なんとなく「手土産もっていかなきゃ…」というあたまだった。当日はちゃんと「プレゼントはこちらへ」みたいな所があって、皆それぞれに同じようにお土産が置いていてほっとした。置いてきたけどそれらが彼らに渡ったのかは不明であるが。
 プレミアトークショー、どんな内容だったかは忘れちゃったよ。一人で何かに参加する、しかも全然行った事も無い都会に、というあらゆる緊張を経てさらに生ドリーに会うという最緊張をしに行ったので。ただ握手した時に若林の手は柔らかくふわっとしてて、春日からはがっちり力強く握手されて目を見てこられたのは覚えている。ばちばちに見つめ合った数秒。選挙かwと今の自分ならその場面にテロップを入れたいぐらいしっかり握りしめられて色素薄目の茶色の眼差しを向けられたので、超びびった。見つめられると吸い込まれるように目が離せなかったのもある。ああいうのが春日の引きでもあるのかな。
生きている芸能人に触れたのも初めてだった。

 人生の超一大イベントだったこのチケットの半券は、いまでも大切に持っている。オードリーキティも無事2個ゲットした。キティ春日に乗ってるねずみ林が小さくて取れやすいと聞いてから絶対に持ち歩くのはやめようと思い未開封のまましまっていた。最近確認したら人形とヒモの接続の金属部分がめちゃくちゃサビまくってはがれていた。なんてこった。15年の時を経て一回開けてみようと思う。トークショーイベントにはおみやげがあり、「春日の飴ジュースのもと」と称して数種類の飴が入ったものが貰えた。これももったいなくて大事にとっていたら液状化していた。さすがに捨てるべきか悩んでいる。

これ以降、一人で旅行出来るようになるのはまた別の話。


 それから2009年10月10日ついに

『オードリーのオールナイトニッポン』が始まる。


 始まるにあたってまず「ラジカセを購入」した。当時はまだラジオを聞く=ラジカセという時代。そしてオタクだったので何度も聞き返す為に録音もしたかった。正しいラジオとの向き合い方である。チャリで10分ぐらいのディスカウントショップで3000円ぐらいのMD、カセット両方ついてるやつをチャリの荷台に乗せて買って帰った。うら若き10代女性がそんな、羞恥心はなかったのかと問われると「毎週生のオードリーに会える」楽しみの前ではそんなものは塵芥以下だった。ラジオってやっぱり”会う”っていう感覚だから不思議だしそれが温かくもある。

 第一回放送分、今もどこかにあるんじゃないかなあ…MDに入れてあるのでテープみたいに劣化はしないと思うけれども・・・
 毎週土曜日夜にラジオの前で欠かさず聞いた。夜勤で聞けない時はラジカセのタイマーを合わせて自動録音されるようにセットして出かけ、夜勤終わりの朝方に聞いた。楽しみだった。オードリーのANN、初めてのゲストはアメフトの河口さんだったような気がする。
 元々『アイシールド21』も大好きだった私はオードリーと相まってアメフトの試合も見るようにもなった。アイシ愛読者ではあるがずぶの素人なので細かい事は分からんのですが、見てるとまじで面白い。知能競技なのであらゆる可能性を考えそれに反応できる反射神経や運動神経が求められてあの限界フィールドで予想だにしていないプレイが生まれたりして――――アメフトの話はどうでもいいんだよ。オードリーがNFL倶楽部(うちでは映らなかったが)やって、スーパーボウルに行って、ってやってるのを見るのもとても楽しかったな。オタクは楽しそうな二人を見るのが一番好きだった。

2011 初めてのスーパーボウル・・・あらあら二人とも・・・


私のメモではこれは2012らしい



地上波のテレビ欄にオードリーの文字があれば勿論録画した。ロンハー、黄金伝説、アメト、ベーチャレとのエネッチケ番組、プリキュア、ガスハなど、当時の録画も未だにちゃんと残っている。このHDDが壊れたら終わりだ。サルベージする方法がよく分からないので。
スマホの画像フォルダもオードリー一色だった。とにかくあらゆる媒体から情報が出るので楽しく追っていた。虎の被り物も、若林の動物嫌いをネタにしたような動物番組も、ケンタッキーも、

オードリーは一人暮らし初心者にとっての心の支えで、生活の一部だった。


 数年後、ラジオの公開生放送が発表された。

 当てよう。

 ただこの気持ちだけで応募した気がする。

そしてオードリーのオールナイトニッポンDVDの1月8日(金)に発売!
DVDに入っている抽選応募ハガキを送ると、以下の商品が当たります!

A賞 オードリーの直筆サイン入り私物セット 1名
B賞 オードリーのANN 公開収録100名ご招待 日付は来年3月6日です。
C賞 ロゴ入り・オリジナル携帯ラジオ 500名

オードリーのオールナイトニッポン:2009.12.26 より

 なんにも証明できるものが手元にないが、当たった。ご招待された。ハガキ100名枠。運命を感じざるを得ない程オードリー運がめちゃくちゃ良かった。100名。今では考えられない倍率である。当たる気がしていたうぬぼれも事実だが、私は東京へ一人で行く事になる。

https://www.allnightnippon.com/kw_past/?line=301


 すごいww記事があったので貼ろう。後方のどこかに私がいる。

 ホテルに着いてしばらく街を彷徨い、有楽町に初めて行った。ここっここここれが有楽町・・・そしてニッポン放送・・・・・出待ちの人がいるところか・・・・・などと緊張のあまりどうでもいい事をたくさん考えていた。
 ANN最古参民ならもしかしたらご存知かもしれないが、私がもらっていた番号の隣に座っていらしたのが「春日の大ファンでいつも福岡から達筆の手紙を送ってくる熟女さん」で、最初から大きな紙を持ってきていらして、なんだろな~って思ってたら公開録音中に「あなたもこれ持って!!」って言われて「え?え??」ってなっていたら急に立ち上がってアピールなされてwwww思い出すだけでも面白い。立たなかったです、私は、すみません。全然初対面なんで。
「うおーーー!!!ラジオで聞いてた熟女この人だったァー!!!」ってめちゃくちゃ一般人の感想を持ちましたね……陰キャなのでね……。私、あの頃より性格がオープンになっているので今だったら間違いなく連絡先交換して一緒に推し活してたな……。おねえさんお元気でしょうか。

https://www.youtube.com/watch?v=P3RBrbV29OA&list=PL7dk-sP3nzk462d2WL1t_mV2TughIpcSs&index=20

(転載なので×なら削除します)
2:30~ぐらいから。今聞くとめちゃくちゃ面白いな。
聞いているとわかると思いますが、この日はめちゃくちゃ雨で、雨林だったんです。その後もちょいちょい反対隣りに座っていた人と雨林いじりしてたらCM中に「全部聞こえてんだよな…」って若林に言わせてしまいなんか、放送に乗らない分マジだな、って思って未だにそれは心に残ってる。いやな思いをさせてごめんなさい若林。私の人生の後悔のうちの一つ。


 そんなこんなでオードリーはその後も色々と公開録音をしていく。が、仕事との都合がつかなくていけない事も多々。東京に住んでいるドリオタの友人に春日の「絶対に負けられない戦いがここにある」ビブスを購入して送ってもらったりしていた。オードリーのオールナイトニッポンを毎週聞き、夜勤の時には録音し、朝聞いたりして。本当と共にあったなあ。
 それから私も転職したり引っ越したり。二人で一つだったオードリーもピンでしっかり活躍して、ラジオをホームとして相変わらずを繰り広げる。
 転職を機にANNとはやや疎遠になり聞けるときに聞く程度になり、オードリーはどちらも結婚した。時間がそれぞれをそれぞれにし、何かを為していく事で確実に過ぎ去っているのだと実感していた。


あれから30年(きみまろ)


いや嘘です、2024年になりましたね。
オードリーのオールナイトニッポンを東京ドームでやるなんてね。あまりにもデカすぎる。二度と無いかもしれないイベントだったのでチケ取りしたけどまあ外れました。すごいねオードリーって!!!!本当にすごい。
それに対して若林がnoteで記事を書いたり。

 何万の中でチケ取るよりライビュでもいいな、ANNだし自宅でも全然いいな、と思って当日は自宅にて拝見しました。ふわちゃんにプロレスにDJwakaに星野さんに、これまでのオードリーとその道を知るものはもっと楽しめる縮図になっていて本当にエンターテインメントラジオだった。ラジオ?ラジオ。


おじさんになってもおじいさんに片足つっこんでも、本当におじいさんになっても、オードリーのANNはそこにあって欲しいなと思う。春日が入院した時も、正月も、東日本大震災の後も、ずっとそこにいてくれたように。
若林の毒と俯瞰とおじさん感と、春日の一般性と真面目さと変態おじさん感はこれからどう変化していくんだろう。

10代だった頃よりも確実にオードリーに対する熱量はない。それは私の生活スタイルが変わっているからでもある。もう30代になっているからね。
でもいまだに素晴らしい世界を見せてくれるオードリーである。
これからもいっぱいテレビに出ておくれ。見てるだけでにこにこしてしまう、なんか親近感は初期の頃の刷り込みのせいで勝手にある。一人暮らしを始めた時に、寄り添ってくれてありがとう。本当に勝手にただそう思っている。だいじなふたり。

オードリーキティも、ぶってる写真展のキーホルダーも、春日ビブスもちゃんと家にある。全部大切な思い出、間違いなく青春のひとつ。

若林正恭(45)と、春日俊彰(45)をこれからも応援しています。

30代女性:元ドリヲタ現ドリファンより。





終わり:)



 







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