英語で中国語を学ぶということ

当初、英語を身につけるには英語「を」勉強するのではなく、英語「で」興味のあることを勉強することが望ましい、という説を聞いて、北京で英語「で」中国語を習っている。
今の感想としては「語学学習は1度に1つと絞るべき」。
理由ふたっつ。

1、当然だけど初級レベルの中国語を教える英語も初級レベル

北京に来る直前は英単語2万語を覚えててTOEICも900点前後だった。
今の実感としては、英単語は半分くらい忘れたし、TOEICも200点くらい落ちている気がする。語学の学習は、その言葉の裏側にある文化と合わせて吸収しなければ伝えたいことが伝えられない(誤解が生じる)という性質を持っており、2ついっぺんにやるのはかなり効率が悪い。そして中国語が初級→中級クラスということは、当然使われる英語も同じレベルで、学習に不便を感じることはない一方英語力が伸びることは全くなかった。ただ先生の他に同級生も英語圏の人がいるので、喋り慣れというか日常会話(特にスピーキング)はもう緊張もしなくなったが、英語を話している途中で中国語が頭に浮かび、英語でなんて言っていいか一瞬飛ぶことも多くなってきた。「慣れ」という面では確かに英語に慣れたが「英語力」は確実に落ち続けている実感がある。

2、英語では一言で表せないが、日本語では表せる言葉が少なくない

北京には手ぶらで行ったようなもので、日本語対応の辞書すら持っていかず、英語対応のスマホアプリで済ませていた。一時帰国したときに日本語で書かれている参考書を読んで、そのわかりやすさに唖然とした。
例えば「难道nandao」という言葉があって、この英語訳は「don't tell me...」「could it be that...?」となっているのだが、どういう意味だかわかりますか?
これは意味も使われ方も、日本語の「まさか」と同じである。以前「难道」が出てきた時のピンと来なさ、そして「まさか」と同じだと知った後のしっくり加減は、英語訳を見てもらっただけで想像してもらえると思う。
そうではない言語もあると思うけど、少なくとも中国語は日本語で習ったほうが圧倒的に効率がいいと断言できる。マクロ的にはSVスタートの英語と中国語は似ているが、慣用的な表現や単語の中には、日本語に近いものが少なくない。

それでも、英語は期間は1年半くらいに過ぎないが結構勉強したので、またやり直せばそこそこのスピードで元に戻れるような気がしている。今は1日も早くそれなりに中国語ができるようになって、また英語も改めて勉強したいと考えている。それとは別に、語学学習の快感を知ってしまった今となっては別の言語も考えなくはないんだけれど、何語にすべきか今の段階では全く想像もできない。

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