Illustrator: 効率的な制作のためのレイヤーとアートボードの管理

Illustratorには、レイヤーとアートボードがあり、次のように図解できます。

スタート時は、レイヤー、アートボード、それぞれ1つですが、必要に応じて増やしていきます。

目次

このコラムでは、次の内容を扱います。

・効率的なオブジェクトの選択
・作業対象のオブジェクトへのフォーカス
・レイヤー操作
・アートボード操作
・レイヤー名、アートボード名の変更

効率的にオブジェクトを選択する

目的のオブジェクトのみを効率的に選択するには、次のようなアプローチがあります。

・[自動選択ツール]
・[選択]メニュー
・スクリプト
・[選択]メニューを拡張(Select Menu)

選択メニューからテキストオブジェクトを選択する

テキストオブジェクトを選択したいとき、[選択]メニューの[オブジェクト]→[すべてのテキストオブジェクト]から、次の条件で選択できます。

・すべてのテキストオブジェクト(パス上の文字を含む)
・ポイント文字オブジェクト
・エリア内文字オブジェクト

[すべてのテキストオブジェクト]コマンドには、キーボードショートカットを割り当てておくとはかどります(デフォルトでは指定されていない)。

スクリプトを使ってテキストオブジェクトを選択する

三階ラボさん謹製のスクリプトを使うと、次の選択が可能になります。

・同じフォント
・同じフォントサイズ
・同じフォントで、かつ、同じフォントサイズ
・同じ行送り

段落スタイルを使うのがセオリーともいえますが、これらの選択が可能になると、何かとはかどります。

[選択]メニューを拡張するSelect Menu

[選択]メニューだけでは足りない機能を拡張するSelect Menuという無償のユーティリティがあります。かゆいところに手が届くので、Illustratorに組み込んで欲しいところ。

残念ながら日本語化されていないので、対訳表を置いておきます。

この中で、私が重宝しているのは、次のコマンドです。

・Guide:ガイド(ガイドを選択して、別のレイヤーに移すなど)
・Placed Art:リンク画像(埋め込む場合など)

オブジェクトのフォーカス

なぜ、レイヤー管理が必要なのでしょうか? 
それは、目的のオブジェクトをスピーディに選択するため。逆をいうと、必要のないオブジェクトを作業外として扱うためです。

逆の発想として、レイヤーに頼らず、オブジェクトベースで作業対象を限定するために、「ロック」と「隠す」が使われます。

このとき、ぜひ活用したいのが「他をロック・他を隠す」という機能。作業対象にしたいオブジェクトを選択し、次のキーボードショートカットで、選択したオブジェクトを以外をロック(隠し)します。

他をロック:command+option+shift+2
他を隠す:command+option+shift+3

戻すときには、通常通りです。

すべてをロック解除:command+option+2
すべてを表示:command+option+3

なお、このキーボードショートカットは、メニューには表示されていません。いわば「隠しショートカット」として、[その他のオブジェクト]セクションにありますので、必要があればキーアサインを変更して使います。

特定のオブジェクトのみロック解除する
Illustratorで特定のオブジェクトのみロック解除するのは面倒です。正攻法は、[レイヤー]パネルでそのオブジェクトを探してロックアイコンをクリックする方法。

Xtream Pathの[個別アンロックツール]を使うと、ロックされたオブジェクトをクリックして解除できます。これは、とても便利なので、標準機能として採用して欲しいところ。

ちなみにInDesignには[ロックされたオブジェクトの選択を防ぐ]というオプションがあります(デフォルトはオン)。このオプションをオフにすると、ロックされたまま、オブジェクトを選択できます。

選択したアイテムをドキュメントウインドウの中央に、画面いっぱいに表示する
選択しているオブジェクトを表示画面の中央に移動しながらズームする[選択範囲へズーム]機能は、ズームイン(拡大)するときには便利な一方、ズームアウト時には不便なことがあります。

そこで、次のスクリプトが重宝します。

ZoomAndCenterSelection
#Illustrator で選択したアイテムを中央に100%表示する(三階ラボ)

「ZoomAndCenterSelection」だけだと大きすぎるので、私の場合、Keyboard Maestroで「command + -」を2回を追加して使っています。

InDesignやXDにはデフォルトでこの機能がありますが、「選択しているオブジェクトをキーボードショートカット1回でズームインする」ことができると、非常にはかどります。

レイヤー操

テキストのみを別レイヤーにする
たとえば、テキストオブジェクトのみを選択し、別のレイヤーにするには、次の手順で行います。

1. [選択]メニューの[オブジェクト]→[すべてのテキストオブジェクト]をクリック
2. 新規レイヤーを作成する
3. [オブジェクト]メニューの[重ね順]→[現在のレイヤーへ]をクリック

選択しているオブジェクトを[レイヤー]パネルでフォーカスする
[レイヤー]パネルメニューの[オブジェクトの位置]をクリックすると、選択しているオブジェクトが[レイヤー]パネル内でどこにあるかを教えてくれます。

それっぽい名称の[新規レイヤーに集める]コマンドでは、実現できません。

コピー元のレイヤーにペースト
オブジェクトをコピー&ペーストするとき、[レイヤー]パネルメニューの[コピー元のレイヤーにペースト]にチェックを付けておくと、元のレイヤーにペーストされます。

特に、ドキュメント間でコピー&ペーストを行うときに重宝します。ペースト先のドキュメントに、該当するレイヤーがない場合には、自動的に作成されます。

レイヤーをまとめる
[レイヤー]パネルメニューの[すべてのレイヤーを結合]をクリックすると、選択しているレイヤーにオブジェクトが収集されます。

このコマンドは、選択しているオブジェクト/レイヤーにかかわらず、すべてのレイヤーが対象です。

特定のレイヤーのみを結合したい場合には、[選択レイヤーの結合]を使います。

不要なレイヤーを削除する
作業を進めていくと、空のレイヤーなどが残っています。標準機能で、不要なレイヤーを削除することはできないので、スクリプトを使います。

三階ラボさんが公開されている空のレイヤーを削除スクリプトが重宝します。

なお、シンボルを解除したときに不要なサブレイヤーが生じてしまうので、これに困っている方は、Break Link to Symbolを利用しましょう(こちらも三階ラボさん謹製)。

アートボード操作

複数のアートボードの同じ位置にオブジェクトを置きたい場合には、[すべてのアートボードにペースト]を実行します。

このとき、[コピー]→[すべてのアートボードにペースト]だと、ダブってしまいますので、[カット]→[すべてのアートボードにペースト]します。

このほか、アートボード大のシンボルを作って、各アートボードに配置しておけば、一括更新に対応できます。

レイヤー名、アートボード名の変更

特にチームで作業するときなど、一定の規則にしたがってネーミングしていくべきですが、なかなか面倒です。
スクリプトを使うことで実現できるいくつかのアプローチを紹介します。

レイヤー名の「のコピー」を削除する
レイヤーを複製すると、レイヤー名に「のコピー」がついてしまいます。これを一括で削除するスクリプトをしたたか企画さんが公開されています。

アートボード名、レイヤー名を「指定文字列+連番」で設定するスクリプトをデザインのメモさんが公開されています。

mochimina.comさんが、ダイアログボックス上でアートボード名を一括変更できるスクリプトを公開されています。テキストエディタなどで準備したものをペーストすることもできます。

パスアイテムとテキストテキストをグループ化し、スクリプトを実行することで、パスアイテムをアートボードに、テキストオブジェクトをアートボード名に変換するスクリプトを三階ラボさんが公開されています。

最初ハードルが高いのですが、慣れるとこれが一番スムーズです。なにより、アートボード名がテキストとしてドキュメント上にあるので、標準機能の検索・置換を使えるのが強い。

株式会社アンドスペースブログNoteのIllustratorのアートボードを簡単に再構築&配列しよう!にても紹介されています。

まとめ

今回は、次のトピックについて紹介してきました。

効率的に作業対象のオブジェクトを選択する(選択メニュー、スクリプト、Select Menu)
作業対象のオブジェクトにフォーカスする(ロック、隠す、拡大)
レイヤー操作(レイヤーパネル上でオブジェクトをフォーカス、別のレイヤーにまとめる、コピー元のレイヤーにペースト、レイヤーをまとめる、不要なレイヤーを削除する)
アートボード操作(すべてのアートボードにペースト、アートボードを再配置)
レイヤー名、アートボード名の変更(スクリプト)

ひとつひとつは一瞬ですが、「知っていれば短時間で終わる」を使うかどうかで、積み重ねると1日で考えると、大きな差がつきます。

なお、スクリプトの利用については、こちらのエントリーを参照ください。


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