見出し画像

『カニエ・ウェスト論』より、巻末付録「カニエ・ウェスト年表」をためし読み先行公開

『カニエ・ウェスト論 《マイ・ビューティフル・ダーク・ツイステッド・ファンタジー》から読み解く奇才の肖像』(カーク・ウォーカー・グレイヴス著、池城美菜子訳・解説)より、巻末付録「カニエ・ウェスト年表」の一部を先行公開します。
 本書の題材である《マイ・ビューティフル~》を語るうえでは欠かせない“あの事件”の起きた2009年から、次作《イーザス》が発売された2013年までを抜粋して掲載しています。
 カニエ・ウェスト生誕から、コーチェラに出演し「サンデー・サービス」セットを披露した2019年までの全軌跡を追った年表の完全版は、8月30日(金)発売の『カニエ・ウェスト論』にてお楽しみください。

カニエ・ウェスト年表

文:編集部

2009年
1月22日
デザインを手がけたルイ・ヴィトンとのコラボスニーカーがランウェイショウにてお披露目される。

2月8日
第51回グラミー賞の授賞式にて、T.I.、ジェイ・Z、リル・ウェイン、M.I.A. とともに〈Swagga Like Us〉を披露。

4月6日
デザインを手がけたナイキとのコラボスニーカー「Air Yeezy」が発売。ナイキがスポーツ選手以外の人物と本格的にコラボするのは史上初。

9月13日
MTVヴィデオ・ミュージック・アワードの授賞式にて、最優秀女性アーティスト・ヴィデオ賞を受賞したテイラー・スウィフトのスピーチに割り込み、「ビヨンセのヴィデオこそ最高だ」と発言。全米から大ひんしゅくを買う。

10月1日
レディ・ガガとの合同ツアー「フェイム・キルズ」の開催中止が発表される。

2010年
1月4日

スタジオ作業を再開させたことをブログにて発表。

5月28日
新曲〈POWER〉がリークされる。

6月28日
BETアワードにて〈POWER〉を披露。

7月

アンバー・ローズと破局。

28日
ツイッターのアカウントを開設。次作のタイトルが、かねてより噂されていた《Good Ass Job》ではなくなることを明かす。

8月5日
MTV にて〈POWER〉のミュージックヴィデオを先行公開。

22日
毎週金曜日に新曲を無料公開する「G.O.O.D. Fridays」の開始を予告。

9月12日
MTVヴィデオ・ミュージック・アワードの授賞式にて、新曲〈Runaway〉を初披露。

28日
XXL誌の表紙を飾る。

10月2日
「サタデー・ナイト・ライブ」に出演し、〈POWER〉〈Runaway〉を披露。

12日

BETヒップホップ・アワードに出演し、自身の主催するレーベル「G.O.O.D. Music」のメンバーとともにサイファーを披露。

23日
ショートフィルム『ランナウェイ』を公開。

11月22日
5枚目のアルバム《My Beautiful Dark Twisted Fantasy》発売。
初週売上49.6 万枚、ビルボード200で初登場首位を記録。

2011年
1月11日

ジェイ・Z とのコラボアルバム《Watch the Throne》からの先行シングル〈H.A.M.〉をリリース。
《My Beautiful Dark Twisted Fantasy》がプラチナ・アルバムに認定される。

4月17日
コーチェラにヘッドライナーとして出演。

6月
「G.O.O.D. Music」が正式にデフ・ジャム傘下のレーベルに。

8月8日
《Watch the Throne》発売。初週売上43.6 万枚、ビルボード200で初登場首位を記録。9月15日にはプラチナ・アルバムに認定される。

10月1日
女性服ブランド「DW」を新たに立ち上げ、パリ・ファッション・ウィークでコレクションを披露。ブランド名は亡き母ドンダ・ウェストの頭文字より。

10月28日
アトランタのフィリップス・アリーナ公演を皮切りに「ウォッチ・ザ・スローン」ツアーを開始。同ツアーでは〈Niggas in Paris〉を複数回くり返し披露するのが恒例になる。その回数は当初3回だったのが、公演を重ねるごとに増えていき、ロサンゼルス公演の全3日間で歌われた合計回数は26回に達した。ご当地のパリ公演では12回を記録。

2012年
4月4日
新曲〈Theraful〉をリリース(タイトルは市販風邪薬の商品名。のちに発売元から訴えられ〈Way Too Cold〉に変更、最終的に〈Cold〉に改題)。当時、プロバスケットボール選手と離婚調停中だったキム・カーダシアンに対する恋愛感情をほのめかす歌詞が話題になるが、翌日ふたりでデートする姿がパパラッチされる。

6日
「G.O.O.D. Music」のコンピレーション・アルバム《Cruel Summer》からの先行シングル〈Mercy〉をリリース。

5月23日
カンヌ映画祭でショートフィルム『Cruel Summer』を発表。本書の刊行時に至るまで一般未公開。

7月1日
BETアワードにて〈Mercy〉〈Cold〉〈New God Flow〉を披露。

8月7日
「G.O.O.D. Music」のメンバーでコンプレックス誌の表紙を飾る。

9月14日
《Cruel Summer》発売。初週売上20.5万枚、ビルボード200で初登場2位を記録。

2013年
5月2日

「6月18日」と意味深なツイートを投稿。

17日
新曲〈New Slave〉のミュージックヴィデオを公開。映像は世界66箇所の建物に投影される。

19日
「サタデー・ナイト・ライブ」に出演し、〈New Slave〉〈Black Skinhead〉を披露。

6月11日
ニューヨーク・タイムズ紙に約3年ぶりとなるインタビュー記事「Behind Kanye's Mask」が掲載される。

18日
6枚目のアルバム《Yeezus》を発表。初週売上32.7万枚、ビルボード200で初登場首位を記録。

15日
キム・カーダシアンが第一子となる女児を出産。ノース・ウェストと命名。

10月19日
シアトルのキーアリーナ公演を皮切りに、単独では5年ぶりとなる「イーザス」ツアーを開始。クリスタルで覆われた風変わりなマスクとステージ上にイエス・キリストを登場させたことが話題を呼ぶ(〈I Am a God〉にはイエスと対話する場面あり)。サポートアクトはケンドリック・ラマー。

21日
キム・カーダシアンにプロポーズする。

11月25日
アディダスとのパートナー契約を発表。(続きは『カニエ・ウェスト論』P.235にて)

画像1

※転載にあたり、動画および埋め込みリンクを加えています。

画像2

《書誌情報》
『カニエ・ウェスト論 《マイ・ビューティフル・ダーク・ツイステッド・ファンタジー》から読み解く奇才の肖像』
カーク・ウォーカー・グレイヴス 著 池城美菜子 訳・解説
四六・並製・256頁
ISBN: 9784866470900
本体1,800円+税
https://diskunion.net/dubooks/ct/detail/1007889220

〈内容紹介〉
天才芸術家にして、当代一の憎まれ屋――その素顔とは?
21世紀屈指の名盤《My Beautiful Dark Twisted Fantasy》を大分析。
現代ポピュラーカルチャー界に君臨する神(イーザス)の実像に迫るファン待望の決定版!

画像3

目次
第1部 ポップ界のキリスト イーザス7つの美徳
第2部 早熟の巨匠あるいはモンスターの肖像
第3部 現代一のナルシシスト
第4部 不穏な5枚の絵
第5部 贖罪のアート
第6部 大学(ユニバーシティ)という宇宙(ユニバース)――《The College Dropout》
第7部《808s & Heartbreak》についての短い考察

My Beautiful Dark Twisted Fantasy
Dark Fantasy――高みを目指す男の暗いファンタジー
Gorgeous――自信こそセクシーの源
POWER――デジタル時代のオジマンディアス
All of the Lights――前科者もマイケルも光からは逃げられない
Monster――4つ首のラップ・モンスター
So Appalled――トップ40ヒップホップを揶揄したポッセカット
Devil in a New Dress――マジックアワーに包まれた、悪魔との戯れ
Runaway――許しを請う音のバレエ
Hell of a Life――AV女優と結婚してみたら
Blame Game――分裂していく罵り合いゲーム
Lost in the World――作品全体のDNAを内包する祈り
The Yeezus Singularity――「ただ愛されたい」カニエ・ウェスト教のマニフェスト

解説――カニエ・ウォッチャーが見た奇才の素顔
付録――カニエ・ウェスト年表

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?