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認知のあり方と修正

 こんにちは。

 今日は、仕事やプライベートで私たちに降りかかる様々な出来事について、どう捉えるかで適応障害やうつ病にもかかってしまいますということを記事にします。

1、主観型、客観型

 何か出来事が起きた時、私たちの脳はその出来事を受け止めますが、その受け止め方には主観型と客観型に分けることができます。

主観型‥辛い出来事や問題が起きたときに「辛い、嫌だ」など感情を主体に受け止める。解決策を模索する以前に「どうしよう、困った」など悩みの堂々巡りに陥りなかなか解決できない。

客観型‥事実関係を理路整然と捉え、感情よりも理性を優先する。そのため、解決への道筋を比較的容易にたてられる。

  例えば、仕事でミスをした時に上司に厳しく叱責されたとします。主観型の人は、また上司に怒られたもう気分最悪だと思い、1日中モヤモヤした気分のまま仕事することになります。一方で客観型の人は、同じような事が起きても、上司はちょっと言い過ぎだけど、部下の責任をさらに上から追及されてしまうので怒る気持ちもわかる。自分の失敗に原因がある。失敗した原因は、こういう点だからそれに気をつけて仕事をしよう。と、事実を客観的に捉えて解決に持ってくことができます。

 どちらの意識が鬱や適応障害になりやすいかといえば前者の主観型ですね。

2、外向型、内向型

 主観型、客観型の意識に加えて自分の意識が内に行くか外に出るかの違いで内向型、外向型にも分けることがでいます。スイスの心理学者ユングによって分類された心理的傾向です。この内向型、外向型はどちらがいい悪いということはありません。どちらにも一長一短あります。

 内向型とは、自分の内側の感情や感覚、思考などに興味のベクトルが向かう傾向があります。一方で外向型は、自分の外側で起きている出来事や他人に興味が向かいやすい傾向があります。外向型の人の方が協調性が高い傾向があるため、日本社会を渡り歩くためには外向型の方が良さそうに見えますが、決してそうではありません。内向型の人は、自分の興味のある分野にはとことん時間を費やして趣味を追及するので、芸術家や映画監督で活躍されている人は内向型だと思います。最近だと、シンエヴァンゲリオンが大ヒットしましたが、その作品を手がけている庵野監督は間違いなく内向型だと思います。

 ただ、この内向型に主観型が加わると、何か問題が起きたときに生じた辛い感情をさらに自分の中に押さえ込んでしまうので、鬱や適応障害の発症リスクは高くなってしまうと思います。ただ、この傾向が悪いということでは決してありません。芸術家や小説家など自分の仕事に没頭できる人は、このタイプが多く、作品を手がけているときには自分の時間に没頭できるので、このような仕事で活躍されている人の多くはこの方だと思います。

 一方で、外向型の客観型の人は、視野が広くストレス対処の方法を複数持っている傾向があるので、内向型の人に比べるとうつ病にはなりにくい傾向があります。一方で、身が手な同僚や取引先ともうまく振る舞うことができる一方で失体感症(自分の身体感覚に無症状に陥ってしまう症状)失感情症(自分の感情に無感覚になってしまう症状)に陥りやすい傾向があります。

 以上、主観型と客観型、内向型と外向型という認知の傾向について書きました。私の場合は、主観型で内向と外向型の中間のような心理的傾向があります。

3、社会のストレスを軽減するために

 この認知のあり方、認知の癖なので一朝一夕で変えることはできません。一方で、社会の変化のスピードは早く、このスピードに対応しきれていない人も多いかと思います(私を含め)。

 会社の社風や働く同僚、上司、取引先、労働環境は変えることはできません。変えるときは、転職など大きな決断が必要になります。しかも、仮に転職し今の環境を脱出できても、新しい会社では何かしら問題が怒ったり、トラブルは起きるものです。これは、自分の力ではどうしようもできません。

 では、どうするか。自分の認知の方法を少しでも変えるしかありません。主観型が決して悪い認知傾向だとは思いませんが、社会に適応するためにはある程度この主観的な認知を少しでも客観的に変えるしかないでしょう。では、どうするのが良いか。これから書きます。

①どうしよう思考→そうしよう思考へ

 主観型内向型の人が仕事やプライベートでトラブルに陥った時、思い浮かぶ感情が「どうしよう」というものです。ただ、どうしようどうしようと頭の中で堂々巡りしても問題の本質は見えずに解決しませんし袋小路に陥ってしまいます。

 では、どうするか。まず、今起きている問題を客観的に見ます。そして、その事態の解決するために〇〇しようという「そうしよう」思考に変えるのがいいでしょう。

 例えば、今の私の例で例えると3月に会社を適応障害で退職しました。今は、コロナ禍で求人も少ないし、30歳過ぎているし、前職は食品関係でろくなスキルも身についてないからもうブラックな職種と企業しかないわ。人生オワタわと思ってしまうのが、主観型で物事を捉えていた以前の私。

 しかし、今の事態を整理します。退職を決定したという事実はもう変えることはできません。なので、未来のために今何ができるかをもう1人の自分になった気分で客観的に見て考えます。もう1人のボクというと私の世代では、遊戯王の武藤遊戯と闇遊戯を思い浮かべてしまいますが、客観的に自分を見つめるというのは大事です

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 何もスキルがない→自分が将来どんな仕事をしたいのかを考え、それに不足しているスキルを補うために職業訓練校に通う。ハローワークなどで就労支援を行なっているので、悩んでいる無駄な時間があればまず相談に行きましょう。

 ろくな就職先がない→日本には数千以上の会社がある。そして、人不足の会社も多い。正社員に拘らなければ、就職できないことなどない。

 何もしたい仕事がない→自分の人生を今一度振り返り、子供の頃にハマったことは必ずあるはず。それを元にどんな仕事が向いていか考えれば見つかる。

 世間の目が気になる→今まで大学を卒業し、9年間も仕事で頑張ってきんだ。休養の期間も必要。日本はただでさえ、Karoshi過労死が英語になるくらい過労自殺やストレスによる脳疾患、心疾患での死者が多いのだから。

 など、客観的に今の状況を見つめ直し状況を判断し、未来に意識を向けて考え行動することが大切だと思います。

②認知の歪みを修正

 人間の脳には様々な認知の歪みがあり、その歪み(バイアス)によって誤った判断や行動をとってしまいますよ、ということは別の記事でも書きました。今回もその歪みの事例をいくつか紹介します。

・全か無か、オールオアナッシング

 完璧であることが価値でそこしでも欠陥があると無価値に思えてしまう。

例)また、仕事で失敗した私は社会人として失格だ

・過度の一般化

 たまたま起きた悪いことが、常に起きていることだと思う

例)面接で緊張してうまく話せなかった。次の試験もまた不合格だ

・低いポジティブ評価

 成功したポジティブ体験を過小評価し、失敗したネガティブ体験を過大評価する(一説では、ネガティブな体験はポジティブな体験より6倍も印象に残りやすいようです)

例)応援しているプロ野球チームが勝った試合はすねてがうまくいっただけだと考える。一方で、負けた試合の敗因(エラーや残塁など)にこだわって批判ばかりしてしまう。

・マイナス思考

 何に対してもネガティブな見方しかしない

例)褒められても、今回はたまたまうまくいっただけ、どうせ今度は失敗する

 職場で同じ仕事内容でストレッサー(仕事量、人間関係、上司からの圧力)が同じにもかかわらず、適応障害になる人とそうでない人が出るのは、このような認知の歪みが過度に出る人が多いということです。私も適応障害と診断されましたが、上記4つの思考の癖は持っていました。

 この認知の歪みというのは繰り返されるほどに強化され、結果的に自己洗脳に陥ってしまい、マイナスな物の見方をする自分が出来上がってしまいます。

 解決法としては、自分の考えには、このようなバイアスがかかっていることはまずは受け入れることから始まります。その上で、上記のような考えに陥りそうな時は、修正した思考を考えて一度ノートやExcelファイルにでもいいので書いてそれを日常生活の中で繰り返し実践していくことが大事です。

例を出します。

1)また仕事で失敗した社会人として失格だ→社会人なら失敗は誰にでもある。その失敗を繰り返さないために、対策を立てて行動すればいいよ

2)面接で緊張して話せなかった→誰でも面接では緊張するよ。失敗を悔やむよりもうまく話せなかったところを整理して次にいかそう

3)今日も応援している楽天⚾️が負けた→シーズンは長いし、勝つときもあれば負ける時もある。自分自身では、応援しているチームの勝敗はコントロールできないし、次は勝つことを思って応援しよう。

4)今回はたまたまうまく行っただけ次は失敗するよ

→努力したからうまく行ったんだよ。さらに成功するために考えて行動しよう

ここで示したのはほんの1例ですが、このような作業を繰り返すことが病気にならないためにも大切だと思います。私が前の会社で働いていた時は、目の前の仕事で一杯一杯で視野が狭くなっており、こんな考えはできませんでした。

4、まとめ

 以上、認知のあり方と歪みの修正方法について書きました。仕事や学校でのストレスと繰り返される新型コロナのニュースで精神的に参ってしまいそうな世の中です。

 そんな中でも、時間は前に戻すことはできないので前に進むしかできません。まず、自分でコントロールできることとできないことに分けて自分にコントロールできることに専念することが大事だと思います。

 会社の上司や同僚、社会情勢(新型コロナ)などは自分1人ではどうしようもできません。一方で、自分自身の物事の捉え方は時間はかかるかもしれませんが修正することはできます。

 まず、自分が、主観型客観型、内向型外向型のどれなのかを考え受け止める。決して、主観型で内向型だからダメだということではありません。

 自分自身の考えを受け入れたら、自分自身を客観的に見て、考えの歪みに陥りそうな時は修正方法を書いて日常生活の中で修正していくことが大事だと思います。

 記事は以上になります。最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。

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