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【韓国ドラマ】「愛の不時着」セレブと軍人の愛―軍事境界線を越えて―

【あらすじ】 

韓国の財閥令嬢ユン・セリ(ソン・イェジン)は、自身もファッションビューティー事業で才能を発揮し、社長として成功を収めている。

一方、北朝鮮の堅物軍人リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)は兄の死をきっかけに、「もう誰も愛さない」と心に決め、淡々と生きている。

ある日、セリは自社のフライトスーツのテストを兼ねて、パラグライダーに挑戦。だが悪天候に巻き込まれ、意外な場所へ不時着する。事故をきっかけに、出会うはずのなかった二人が出会ってしまう。

 

【感想】 
韓国のセレブな令嬢ユン・セリと、北朝鮮大尉リ・ジョンヒョクの愛の物語。ドラマは大ブレークし、日本でもかつての「冬のソナタ」に匹敵するほど人気を博した。

本ドラマ最大の魅力はジョンヒョクだ。「守る」と「大丈夫だ」が口癖で危機の時には救ってくれる一方で、セリに自らコーヒーを入れたり料理を振る舞ったりと決して男尊女卑ではない。加えて、すねたり嫉妬したり可愛い一面もある。日本中の女性が彼に恋したことは間違いない。

セリもただ守られているだけではなく、ジョンヒョクを助けようと胆力を見せ、現代女性の共感を呼ぶ。男は自分が怪我をしていてもまず「大丈夫か?」と彼女を気にし、女は命を懸けて彼を守ろうとする。二人の関係は羨ましくさえあり、この世に「愛」は確かに存在すると信じさせてくれる。

そんな障壁を超えての究極のラブストーリーに人々が感涙したのはもちろんだが、他にもみどころは多い。まず舞台が北朝鮮というのが新鮮だ。徹底したインタビューに基づき、謎に包まれた国での庶民の生活をリアルに描いた。一方でジョンヒョクの近所のおばさん衆を見ていると、家族愛や友情は万国共通だと思わせてくれる。北朝鮮のお嬢様ソ・ダン(ソ・ジヘ)と母の親子愛にも涙せずにはいられない。ジョンヒョクの部下5人もそれぞれにユニークなキャラクターで、特にピョ・チス(ヤン・ギョンウォン)は笑わせてくれる。

撮影は、北朝鮮を模したモンゴルのほか、韓国、スイスとスケールが大きく、1台の車が大陸を走るシーンは雄大だ。1話につき製作費1億円以上というのも頷ける。

ステイホーム期間に本作を観て、これをきっかけに韓流を知った人も多いだろう。「愛の不時着」は北朝鮮と韓国を舞台にした壮大なドラマだが、次は、私たちと同じ立場のOLや主婦を主役としたラブコメディ、職業ドラマに挑戦してはどうだろう。国が異なっても日々感じる悩みは一緒で、共鳴できるし勇気づけられる。

大長編ストーリーから身近な物語まで層に厚みがあるのが韓国ドラマ。ぜひ幅を広げて韓流の魅力を堪能してほしい。

 
【どんな人に見て欲しいか】

韓国ドラマを見たことがない人

韓国ドラマにネガティブな先入観がある人

愛の存在を信じられなくなっている人

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