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DV2022の進捗と懸念について

こんにちは。先日ツイッターでもお伝えしたのですが、BritSimonが以下のLive QAセッションの中でDV-2022の状況に関する重要な分析をしています。DV-2022の当選者の皆さんにぜひ把握しておいていただきたい内容なので、当ブログでもおさらいしたくこの記事を書きました。

今回書く内容は、DV-2022当選者の方にとって知っているのと知らないのとではかなり状況が変わってくる可能性もありますので、できるだけ多くの方の目に留まればいいなと思っています。

背景

DV-2020、DV-2021はコロナのあおりや前政権の移民政策(主に大統領令PP-10014)による影響を大きく受け、ビザの発給数が激減しました。そのため政府(国務省)を相手取った訴訟が複数起こり、その結果おもに裁判の原告として名前を連ねていた当選者たちには救済措置がもたらされました。
特にDV-2021に関しては、Class認定されたDV-2020と異なり、原告のみが救済措置の対象になるという裁判所命令だったため、裁判に参加しているか否かが運命の別れ道となるケースが多数あったはずです。
上記の前提を頭においた上で、現在DV-2022の処理状況や進捗がどのようになっているか、BritSimonが分析してビデオで語った内容を簡単にまとめたいと思います。

DV-2022の現状(サイモンの推察)

・KCCがDS-260や提出書類を処理する際の順序、優先順位はここ数年ほぼ変わっていない。これはDV-2022でも同様。

・具体的に言うと、KCCではDS-260は提出日時順に、提出書類はケース番号順に処理されている。いずれも、KCCの人員に余力があり受信箱に入ってくる案件がさばき切れている(バックログがない)状態であれば、待ち時間が長期になることはない。ところが、DV-2022では既にかなりバックログが溜まっている状況。

・DV-2022の年度は2021年10月から始まっており、通常であれば10月から面接が始まるはずだが、現時点で10月、11月、12月に設定されている面接の数は例年に比べてかなり少ない。またDQメール(Documentarily Qualified, つまり提出書類の審査が完了し面接予約ができる状況になっています、ということを通知するメール)をまだ受け取れていない人もかなり多い。

・BritSimonのところに寄せられる質問の多くは「自分より大きいケース番号(CN)の人が自分より先にDQメールを受け取ってるのはなぜか?」というもの。
これは前述の処理順序のルールで説明できる。
DV-2022の当選発表後、初めのうちはDS-260や書類提出のスピードも緩やかなので、1日あたり受信箱に届く案件数はまだ少ない。そのためDS-260も提出書類も、CNにあまり関係なく早々に処理される。

・ところが、5月20日あたりを境にしてDQメールを受け取る人がパタリと減った。これは恐らくDV-2021の訴訟が原因と思われる。裁判の審問が始まったら政府側はDV処理をどの程度実行しているか裁判所に申告することになる。その時に何もしてないことがバレると不利な状況に追い込まれるため「ちゃんと仕事してます感」を出すためにDV-2021の処理件数を稼ごうとし、本来であればこの時期はDV-2022分のDS-260や提出書類処理にあたっているはずの人材がDV-2021の処理に充てがわれ、DV-2022の処理に対応する人手が減り処理が滞ることになった。
結果:5月20日以前にDS-260も書類提出も完了していて、比較的シンプルなケース(子供がいない、無難な出身国、渡航歴が少ない等)はCNに関わらずDQメールが届いているケースが多い。
一方で5月20日以降にDS-260や書類を提出した人はバックログの中に溜まっていくことになる。つまりここから先はケース番号が大きい場合は優先順位が低くなるため、書類確認の順番が回ってくるまでの待ち時間が長くなる。

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(画像はクリックすると多少拡大できます)

・過去のDVをつぶさに観察・分析してきたSimonによれば、KCCが1か月あたりに処理できる件数はだいたい6000から7000件程度。最初の3か月がほぼ失われたことを考えると、18,000件程度のバックログが溜まっていると予想できる。今後フルスピードで書類処理をすれば取り返せないことはないが、その努力を政府側がするという保証もない。なので結局2020、2021と同様に2022でも裁判沙汰になる可能性は十分ある

・それならもうさっさと訴訟を起こせばいいんじゃないの?と思われるかもしれないが、それは得策ではない。タイミングが早過ぎる。今の段階ではまだ2022年度の終わりまで十分な時間があり、政府の怠慢が損害をもたらす(十分な数のビザが年度内に発給できない)ことを証明できない。よってそもそもStanding(起訴の正当性)を成立させることが困難で、訴えを起こしても受理されない可能性がある。

以上がSimonのビデオの重要な部分をかいつまんで日本語にした説明です。

何をするべきなのか?

じゃあ今この時点で何をすればいいわけ?というのが一番気になるところかと思います。

まず1点目には、DV-2022に関する情報のチェックを日頃から欠かさず、訴訟に関する情報をいち早く得るようにしておくことです。集団訴訟の場合、参加するには参加表明と料金(前金だけの場合もある)の支払いを期日までに済ませる必要があります。できるだけ早く情報をキャッチすることで、その訴訟に参加する意義があるかどうかを検討する時間を少しでも多く稼ぐことができます。

2点目は、もし現時点でDS-260や書類の提出をしていない場合はできるだけ早めにこれらを完了させることです。
とは言っても、DS-260の提出は移住の意思を正式に表明することと同義であり、もし仮にDVビザの取得がかなわず将来非移民ビザを申請することになった場合、却下の理由になる可能性があります。DS-260の提出は慎重に検討した上で(ケース番号が大きい方は特にです)行うようにして下さい。
(DS-260の提出時期に関しては過去の記事でも書いております。)
既にDS-260を提出された方はもはや迷う余地はどこにもありませんので、早急にKCCへの書類提出を済ませることをおすすめします。

ご質問、ご不明点がありましたら、お気軽にご連絡下さい。
永住権取得まではなかなか気の休まらない時期が続きつらいですが、考えてもどうにもならないこともあります。(それが分かっていても考えずにはいられないつらさもありますね…。)
適度に息抜きをしながら、健康にお過ごし下さい。

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