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DV2021 (18) 初回入国の準備

こんにちは。今年は早めの秋到来で万歳三唱しているぴよです。暑いのが大嫌いなので夏の終わりは本当に嬉しい。もしかしたらこれが渡米前に日本で過ごす最後の秋かもしれないので、今のうちに近所で見られる季節の移ろいをしっかり目に焼き付けておきたいなと感じるこの頃です。

この秋は我々夫婦にとって大きなイベントがあります。グリーンカード発行のための初回入国です。
通常であれば初回入国はただアメリカに入って帰って来ればいいだけだと思うのですが、みなさんご存知の通りパンデミック下では様々な渡航規制が敷かれています。これらの状況を鑑みた上で、入国にどういった準備が必要かを以下にまとめておきたいと思います。
DV2022以降の皆さんには不要な内容となっているといいんですが…。

移民ビザってグリーンカードと違うの?

まずそもそもなぜ入国が必要なのかという点ですが、大使館で面接して発行されるのはあくまでも移民ビザであり永住者カード I-551(グリーンカード)ではないからです。以下は東京大使館のウェブサイトからの抜粋です。

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移民ビザは米国に移住の意思を持つ外国人に対して発給されるものであり、移住目的で米国に渡航する外国人はこれを持ってないといけない。移民ビザでアメリカに渡航し入国が認められた外国人には永住資格が与えられ、これを証明するためのI-551(永住者カード)が発行される、ということらしいです。
そもそも移民ビザをもらう人は永住の意思があるはずなので、最初から移民ビザじゃなくI-551をくれればいいじゃないか、と思うのですが、上記抜粋のいちばん下に書かれている通りグリーンカードは米国内でのみ発行可能という背景があるため、このような2段階方式が採られているものと思われます。

他のすべてのビザと同じく、移民ビザには期限があります。DVビザはビザ検診受診日から6か月と決められており、期限を過ぎると当然のことながら失効します。ですので移民ビザの有効期限内にアメリカに入国してI-551を発行してもらう必要があります。
移民ビザで渡航してそのまま米国に住んだっていいのですが、多くの日本人の場合移民ビザを取得してからたった半年以内に国外への引っ越しの準備を済ませるのは難しいと思います。単身者ならともかく、家族がいる場合は住む家だって探さないといけないし子供がいる家庭は学校のことも考えなければならない。
なので移民ビザ失効前に入国してグリーンカード発行を済ませ、その後1年(再入国許可を取得できた場合は最大2年)かけてアメリカへ引っ越す準備をする、というのが日本のDVビザ取得者の定石になっているようです。

渡航先を決める

これはアメリカ50州もしくはアメリカ領であればどこでもいいようです。空路の場合が多いと思いますが、海路でも大丈夫です。
根暗な私は海辺のリゾート地というものに縁がなく(海水浴は湘南と須磨しか行ったことない)、これを機にハワイデビューしようと至極楽しみにしておりました。せっかく行くのだから最低10日くらいは滞在しよう、ハワイの海辺からリモートで仕事すれば晴れてリア充女子(死語?)の仲間入りだと張り切っていたのです。
ところがいろいろ調べ始めると、帰国後は日本国民であっても予防接種が完了していても陰性証明を出しても自主隔離2週間が必須だということが分かりました。(経団連の要請でこれが近々10日なる気配が濃厚です。)
私の夫はフリーランスの芸術家をしており、秋から年末に向けて展示の予定が山のように入っています。
「2週間アトリエに行けないとなると作業が大幅に遅れる。悪いけどハワイでゆっくりしてる時間なんてないよ、1日でも早く帰ってこないと。」

こうして私のハワイリア充計画は敢えなく頓挫し、最短日程で往復できることを優先した結果、渡航先はグアムに決まりました。

渡航日程

現状日本の水際対策の一環として、出国前72時間以内の検査証明書が求められます。これがないと上陸が許可されません。つまり渡航先(グアム)で検査証明を取りにいかなければならないのです。(そもそもグアムに上陸するのにも陰性証明が必要ですが、これについては以下の「準備」の項目でご説明します。)
幸いグアムの観光局が日本人向けのウェブサイトを開設しており、そこにCOVID-19の検査を受けられる施設の案内も出ています。これによると

・検体取得の受付時間は 平日 朝10時から正午までの2時間
・検体取得してから証明書の受け取りまでに1日かかる
(ちなみに金額は200ドル)

ということなので、最低でも
①上陸日 + ②検体取得日 + ③証明書受け取り日 + ④出国日
の3泊4日が必要ということになります。上述の通り時間の余裕がない夫の予定を鑑み、我々はこの最短日程3泊4日で旅程を組みました。
なお日本からグアムへの直行便は現在ユナイテッド便が1日1回あるのみで、それ以外の選択肢は皆無です。しかも成田発…。考える余地がないのでそれはそれで楽ですが、グアムのような近場に行くのにわざわざ成田くんだりまで行く手間(と交通費)を考えると少々気が滅入ります。

追記(2021年9月24日)
Q:日本出国前日に検体採取・ウイルス検査を1日で済ませ、翌日グアムで入国して弾丸帰国した場合、日本で取得した検査の陰性結果があれば日本に入国できますか?
A:結論から言うと無理です。
厚労省に問い合わせたところ「日本入国時に必要な陰性証明は渡航先で取得したもの」ということでした。なのでたとえ日本帰国時に出国前検査の検体採取から72時間が経過していなくても、渡航先(グアム)でもう一度検査してもらう必要があります。
なお「渡航先で取得した陰性証明」に関しては例外があります。渡航先で入国が許可されなかったたため、空港から出ずにそのまま日本に帰国したケースです。この場合は日本の陰性証明が72時間以内であればそのまま入国はできるそうですが、14日間の自主隔離は必要とのことでした。

準備、持ち物

入国に際して以下の準備が必要です。持ち物はこのページにもリストされているのであわせてご確認下さい。

① 日本で取得したウイルス検査証明、COVID-19予防接種証明
グアムでは、COVIDの予防接種完了証明書もしくは陰性証明があれば隔離が免除されます(証明書の項目など詳細はこちらこちらでご確認下さい)。
(各国の入国要件はこちらで確認できます。)
私は渡航時には2度目の予防接種完了から十分時間が経っているため、接種証明書を提示すれば陰性証明がいらないんだ、検査代が節約できる!と思い、即座に予防接種証明書を取り寄せました
が、グアムへの入国要件をもう一度よく見てみると、こんなことが書かれていました:

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どっちみち陰性証明は必要じゃん。予防接種証明書、意味なくない?
なお検査はSAR-CoV2遺伝子を定量PCRで検出したものに限られるようです。抗原検出でも上陸は許可されますが、グアムでの隔離免除対応が異なりますのでご注意下さい。

さてどこで検査予約するかなーと検索し始めたところ、TeCOTなるものが出てきました。皆さんTeCOTってご存知でした?私は初耳でした。
知らない方のために一応説明すると、これは経産省が旗振りしている海外渡航者向けの検査支援の枠組み的なものです。登録するとTeCOTのサイト(もしくはアプリ)で経産省お墨付きの検査施設を検索できます。
施設によって価格や結果が出るまでの所要時間が異なりますので、何件かチェックすることをおすすめします。
なお一部の施設では電子証明書の発行に対応しており、モバイルアプリ上でPDF形式の証明書をダウンロードできるらしいです。なんだ日本もやればできるじゃん!と思ったのですが、残念ながらこの電子証明書に対応している施設自体が圧倒的に少ないですね。
(愚痴:常々思うのですが、日本の医療業界って時代遅れかつリテラシ最下層の医師の言いなりで効率化が全く進まず、客である患者側が常に不便を強いられるという現状がいつまで経ってもよくならないの、これなんとかなりませんかね?)

② 移民ビザ
これを忘れていったらただの観光旅行になります。そもそもパスポートに貼ってあるので忘れることはないと思いますが…。

③ 大使館から渡されたオレンジの封筒
面接後、移民ビザと一緒にレターパックで送られてくる謎の封筒を持参します。預け荷物の中には入れず、必ず手荷物で持参します。

④ X線ファイル
健康診断結果の書類と一緒に、胸部X線のDICOMファイルが入ったディスクが入っていると思いますので、これも必ず手荷物で持参します。

⑤ 予防接種記録
子供が同伴する場合は予防接種記録があると安心です。

⑥ 移民手数料の支払い
持ち物ではありませんが、渡航前までに済ませておいたほうがいいステップとしてUSCIS宛てに申請者一人あたり220ドルの移民手数料の支払いがあります。
手数料の支払いはこのウェブサイトで行います。大使館から移民ビザが送られてきた際に手数料支払いに関するお手紙が同封されていますので、そこに書かれている外国人番号(A-nnn...)を手元に準備して支払いを済ませます。

⑦ 空港から自宅(隔離場所)までの移動手段の確保
これも持ち物ではありませんが、日本に帰ってきた時に自宅まで帰る移動手段を用意しておかねばなりません。というのも、これも水際対策の一環として、海外からの帰国者は公共交通機関を利用しないよう要請されているからです。
成田空港から歩いて帰れる人はいいんでしょうが、そうでない人は車での移動手段を用意しなければなりません。

ハイヤー
人件費がかかってるので当たり前ですが、高価です。成田ー横浜間だと安いところでも35,000円くらいします。

レンタカー
トヨタレンタカーではワンウェイ(乗り捨て)サービスがあり、価格も割と手ごろです。成田から神奈川だと、通常のレンタカー料金に5,500円を追加すれば行き先で返却することができるようです。他の会社でも似たようなサービスがあるかもしれません。

自家用車
自宅と空港間の往復を自家用車でする場合、渡航している間は空港の駐車場に車を預けなければなりません。
駐車料金は4日間止め続けても8,000円ちょっとで思ったほど高くありませんので、自家用車がある方はこれがいちばん手頃かもしれません。

家族にお迎えを頼む
同居家族がいて車の運転ができる場合は、お迎えをお願いするのもありです。

スケジュールまとめ

渡航前のウイルス検査から隔離完了まで、全部でどの程度の期間がかかるかを簡単にまとめました。

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出国前の検査を含めると約3週間のプロセスということになります。


我々は10月にグアム行きを計画しています。まだ日数があるので、それまでの間に規制や渡航要件が変わるかもしれません。その際はこの記事を更新したいと思います。
今回も長い記事になってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。

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