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DV2021 (20) 費用

こんにちは。今回は正直あまり気の進まないテーマでして、お金の話です。
DVプログラムへの応募は無料でできます。しかし応募自体は最も簡単なステップで、当選から実際ビザを手にするまでには様々な段階があります。そして各段階で少しずつ、しかし確実にお金が落ちていきます。一度に払う金額は少しずつで、しかもこのプロセス自体が1年半程度かかるゆっくりとしたものなので、どの程度のお金を使ったのかがいまいちピンとこないのです。

我々は9月上旬に移民ビザを取得し、永住権取得まで残すところは初回入国・有効化のみとなりました。ここまで来るとプロセス全体を通してどの程度の金額がかかるのかがほぼ正確に分かるようになるので、ここで費用に関する記事を書いておきたいと思います。
これから申請を始める方やDV応募を検討している方に向けて、だいたいどれくらいの金額を見積もっておけばいいのかを試算する上での参考情報になれば幸いです。

それぞれの項目で具体的にいくらかかったかを以下の表にまとめました。これは夫婦2人分の金額ですので、単身で申請する場合はほぼこの半額という計算でいいかと思います。
(画像はクリックすると拡大できます。)

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書類関連

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この中で一番大きいのがパスポートの更新費用です。応募時のパスポートのままだと残りが1年未満だったため、夫婦2人とも更新しました。10年パスポートだとひとり16,000円ですので2人で32,000円、10年に1度のことではありますがそこそこの出費です。

これ以外で人によって差が出るところがあるとすれば写真、英訳、残高証明発行費用でしょうか。ビザ面接の写真はいつもの通りヨドバシカメラで撮ってもらいました。私は子供の頃からヨドバシカメラが大好きなので、ヨドバシで済ませられる用事はすべてここで済ませるようにしています。
ビザ面接で提出する写真はグリーンカードにも印刷されるものなので、本格的な写真館で気合い入れて撮りたい!という方もいらっしゃるでしょう。その場合はひとり1万円程度かかることもあるかと思います。

また書類の英訳に関しては、「自分で翻訳してもOK」という情報もあれば、国務省のサイトに申請者本人の翻訳ではだめだと見受けられるような記述もあり、どちらが正しいのかはっきりとは分かりませんでした。そのため念には念をということで司法書士事務所に依頼しました(4,400円)。
ですが、大使館からの事前書類郵送指示のメールにははっきりと「英訳は申請者本人がしたものでも構いません」と書かれていました。というわけで、自分で翻訳する方は英訳費用を節約できますね。

健康診断

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ここはあまり節約のしようがない部分です。
もし予防接種の記録を提出できる方は一部の抗体検査、予防接種を免除されますので、これで数千円の差が出てきます。
また、私はわりと最近(1年以内)にちょっとした病気にかかって通院していたことがあり、それに関する診断書(予後も含めて)を担当医に作成してもらう必要がありました。ここで約1万円かかっております。

面接

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ここも人によって大きく差が出てくるでしょう。我々は自宅が横浜市内ですので赤坂の大使館まではまったくもって日帰り圏内ですが、当日の朝に電車が止まるといった不測の事態の影響を排除するため、そして早起きが苦手なため、前日に大使館近くのホテルに宿泊しました。
面接時間が午後で十分余裕のある方は前泊は必要ないでしょう。
逆に、遠方からいらっしゃる方は宿泊費もさることながら交通費がより多くかかります。

手数料

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手数料はすべてのDV申請者が同じ金額で、ひとりあたり合計550ドルです。

初回入国

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これも渡航先や滞在期間、また日本の自宅から空港までの距離によって大幅に変わりますので、あくまでもご参考程度にご覧下さい。
我々は首都圏に住んでいますので比較的成田空港は近いですし、渡航先もグアム、最短日程で旅程を組んでいますので、最低に近いコストじゃないかと思います。(お宿もヒルトンやハイアットといった高級なところではないです…。)
通常であれば自宅から空港への往復はバスを利用するのですが、パンデミック下の現在海外からの帰国者は公共交通機関を利用することができません。そのためレンタカーを借りる必要があります。利用料金+片道利用の追加料金、ガソリンや高速料金で2万円近くかかります。通常であればこの費用はバス往復1人6,300円、2人で12,600円ですので、水際対策の緩和が進めば交通費が少し抑えられるかと思います。
パンデミック下特有の出費としてもう一つ、グアム入国時と日本帰国時に求められるウイルス検査費用があります。出国前に日本で受ける検査がひとり2万円、グアムで受ける検査がひとり200ドル(概算で45,000円)、2人分で合計85,000円程度かかります。

訴訟費用

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DV2021はパンデミックと政治情勢にもっとも影響を大きく受けた年度なんじゃないかと思います。DV2020の時にも訴訟の原告が有利になっていたのを横目で見ていたため、DV2021事案の訴訟が起こると分かった時も原告になっておいたほうがよさそうだな、と思い意を決して訴訟 (Goh v. Blinken) に参加することにしました。これに1,500ドル、日本円で約165,000円の費用がかかりました。ビザ関連の費用項目では堂々の一位です。実際これが有利に働いたのかどうかは正直なところ分かりません。どちらにしてももう払ってしまったお金ですし、このお金で弁護師団が動いてくれることによって他の当選者の利益になっているのであれば、それはそれでよかったという気持ちです。

総額

夫婦2人分の費用総額は約69万円でした。
他の方法で取得する永住権(家族、雇用等)と比べてDVはかかる時間も費用も少なくて済んでいるので、大変ありがたく幸運なことではあります。
それでもこうして改めて金額を目にすると「こんなにお金使ってたんだ」と意外に思いました。冒頭に書いた通り長期間に渡って少しずつお金を出しているので、こんなに払った実感がなかったのです。せいぜい2人あわせて30万円くらいの感覚でした。恐ろしいですね。

おまけ: 特殊費用

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表の中で緑色にハイライトしたのはコロナ禍、2021年度の特殊な状況下で必要になった費用です。これらの費用の合計が25万円になりました。
特殊費用抜きでの費用総額は2人分で約44万円でした。


他の当選者の方々はどれくらいの費用がかかっているんでしょうか。皆さんこんなもんですかね?
「これを忘れてるよ」というのがもしあれば教えて下さい。

今回ご紹介したのはあくまでも永住権取得までのコストなんですよね。
移住する段階でさらに引っ越し、渡航、入居など様々な費用がかかりますので、その記録は移住の直前か直後に記事にしたいと思います。
今回もお読みいただきありがとうございました。

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