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USDCがUSDとのバランスを保てなくなったら...?- dYdXの見解

この記事は、dYdXの公式ブログ記事を翻訳、一部編集したものです。必ず、原文を確認してください。

「USDCがUSDからディペッグした場合、dY​​dXへの影響はあるのか?」

USDCとは、USD(米ドル)と連動して値動きをするステーブルコインの一つです。ディペッグとは、本来1:1であるはずのステーブルコインとそれに紐づく通貨(USDなど)の価格バランスが崩れることです。
3月10日、シリコンバレー銀行が破綻したことを受け、USDCを発行するサークル社がステーブルコインの準備資金を回収しようとしたところ、33億ドルが未回収となっていると公表しました。これを受け、ステーブルコインUSDCの価格が1 USDを下回る事態となりました。

分散型取引所であるdYdXでは、このUSDCを担保として使用しています。例えば、トレーディングのポジションの推定価格や担保プール、およびファンディングレート(資金調達率)の支払いはすべてUSDCで測定されます。

通常1 USDCが1 USDであるはずのステーブルコインの価格に不具合が発生した場合、dY​​dXは引き続き通常どおり機能しますが、ポジションや担保、ファンディングレート(資金調達率)、保険基金はすべて、USDにおける価格が下がります。

USDCが1 USDを下回った場合、米ドル建ての価値は下がりますが、レバレッジと清算ステータスは変更されません。dYdXは、USDC-USDの価格に関係なく正常に機能します。

よくある質問

USDCはどのように機能しますか?

USDCは完全担保型のステーブルコインです。USDCを管理する会社であるサークル社は、USDとUSDCを1:1 の比率で取引し、会計事務所による定期的な監査を受けています。

dYdXは、USDCをどのように使用しますか?

dYdXでは、資金の担保をUSDCとして保持します。例えば、dYdXユーザーが取引を注文する場合、ポジションは次のようになります。

(資産注文サイズ) × (USDでのETH 価格) → USDCに変換
例えば、1 ETH(=1500USD)を注文する場合は、以下の画像の通り 1×1500 USDCとなります。

そして、ETHの価格が3000 USDに上昇した場合、ポジションは 1×3000 USDCに変わります。

ユーザーのポジションはUSDではありません。dYdXにはUSDCの価格フィードがなく、USDC-USDの価格連動を追跡しません。

USDC ≠ USD の場合はどうなりますか?

例えば、ETHの価格が1500 USDのときにユーザーが1 ETHの注文サイズでロングポジションを開くとします。この場合、ポジションの想定元本は1500 USDCとなります。

1 USDC = 1 USDの場合、想定元本も1500 USDになります。この記事の解説のためにUSDで想定元本を計算していますが、通常はUSDに換算されず、dYdXは、USDの想定元本を追跡することはできません。

USDCの価格が0.5 USD まで下がった場合、USDCのポジションは 1×1500 USDCのままになります。ただし、USDC のポジションの想定元本をUSDに換算すると、750 USDに低下したことを意味します。

ユーザーが500 USDCを担保として3倍のレバレッジを適用した場合、1500 USDC分のETHポジションを有することになります。USDCの価格が0.5 USDに下がると、500 USDCの担保の価値は250米ドルに下落します。

これに伴い、USDでのポジションの想定元本は1500 USDから750 USDに下落しますが、ユーザーは引き続き3倍のレバレッジを維持します。USDCのポジションおよび担保の想定元本はそれぞれ1500 USDCと500 USDCのままであるため、ユーザーはUSDC換算で3倍のレバレッジを維持します。

つまり、USDC-USDの価格変更は、ユーザーのレバレッジや清算ステータスには影響しません。

USDCの価格が0.5 USDに下落し、ETHの価格が3000 USDに上昇した場合を見てみましょう。USDCの価格が0.5 USDに下がった場合でも、トレーダーはまだ1500 USDC相当のETHをロングしています。一方で、ポジションと担保は、それぞれ3000 USDC(=1500 USD) および2000 USDC(=1000 USD) となります。

ユーザーがポジションをクローズ(終了)する場合、ユーザーは2000 USDC を受け取ります。これは米ドル建てに換算すると、1000ドルです。

ファンディングレート(資金調達率)への影響は?

ファンディングレート(資金調達率)とは、ポジション保有中に課される手数料です。これにより、パーペチュアル(無期限先物)取引の価格と市場の価格の差が開かないように保ちます。

dYdXの全てのマーケットは、米ドルとペアになった原資産市場からのオラクル価格を使用していることから、dYdXの各暗号資産の価格は、米ドルの価格を引き続き追跡します。

一方、dYdXの資金はUSDCで支払われ、資金調達率の計算はUSDC-USDの価格とは無関係です。したがって、資金調達の支払いは、オープンポジションの想定サイズに基づいて計算され、パーペチュアル価格とオラクル価格に比例します。


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