前田日明さんと私

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前田日明さんがポップアップストアでグッズを色々と出されるという事で
じゃん!
写真を購入しましたー

霊長類最強の男、ロシアのアマレスチャンピオン、アレキサンダー・カレリンに蹴りをブッ込んでいる写真。さすが格闘王は蹴飛ばす相手もスケールが違う。
同じ団体、同じ競技、同じ国同じルール同じスポーツでもない、ただ一人の男がそれぞれリングに上がってきて戦ったら、どうなるか。どっちが強いのか、その試合は面白いのか、凄いのか。

リングスは、そしてプロレスは、そんな壮大かつ無限のイフを内に秘めて今日まで連綿と歴史を紡いできた。内に秘めた無限のイフが何処までも、宇宙まで突き抜けちゃいかねないのが前田日明さんだ。

ちなみに、この時の様子を前田さんご本人が回想していて
「全然効かなかったよ、ゴリラだよアレは。蹴っても当たっても効かなかった」
と言っていた。フツーそこはもっと自慢するとか、ハナシ盛るとかしそうなもんだけど、素直に効かなかったと言っちゃう辺りが前田さんのいいところ。
そのかわりと言っちゃナンだが
「なんでカレリンがオリンピック連覇できなかったと思う?オレに足、蹴られて怪我したからやんけ。って一生言ってやろうと思う」
と自慢していたのはご愛敬…人類最強の男を蹴ったんだから、そりゃもうアンタの勝ちだよ。そう言わざるを得ない。モハメッド・アリと戦ったアントニオ猪木さんぐらいじゃないか。

昔から前田日明という男に心惹かれていた。
なんだろうね、デカくて強くて物知りで、一人で突っ走って世界中の強い奴を集めて戦うという。ひとり大河ドラマ、ひとりストリートファイター、映画並みのスケールで格ゲーとか漫画アニメさながらの世界を作り上げて、実際そこで戦っている。誰にも真似の出来ないことをやって来た男。それが前田日明さんだ。

私が前田さんを知った時には、すでに選手としては晩年で、リングスを旗揚げして暫く経っていた。プロレスを知り、掘り下げていく中で必ず、ある年代のドコ掘っても出てくるのが
前田日明という地層
だった。UWF、顔面蹴撃、そしてリングスと、私も順を追って興味を持ち調べて行った。
そうするとまあ、このリングスと言う団体、そして競技大会の面白いこと。
東欧や旧ソ連、そのほか欧米南米アジアも日本からも、色んなヤバい奴が出て来て戦っている。グロム・ザザとかヴォルク・ハンとかディック・フライ、ビターゼ・タリエル、アンドレィ・コピィロフみたいなマジモンの猛者と、ウィリー・ピータースみたいなガチの不良がぶつかるんだもん。名前ばっかズラズラ並べてもしょーがないんだけど、誰か誰かを思い出して、まあちょっとニヤっとしてちょうだいよ。
私はねえ、やっぱりビターゼ・タリエルなんだよねえ。ザザもいい。
コピィロフの寝技も熱かったよねえ。ノゲイラとの寝技合戦、あれは壮絶だった。覚えてる人いる?

で、当時小学生だか中学入りたてぐらいだった私は
凄い!前田日明はサイキョーだ!!
とすっかり、火の通ったマニアになってしまった。
のだが、そのすぐ後ぐらいに、実は前田さんが引退しちゃうことになって。
そこで対戦相手にあがったのが、当時霊長類最強と謳われたカレリンだった。

プロレス・格闘技にのめり込み始めた私じゃなくても、カレリンと聞けばレスリング、オリンピック、強い、と大抵の人がニュースを見て知っていた時代。
そのカレリンを唯一プロ格闘技戦の場に引っ張り出し、一騎打ちを挑んだのが前田さんだったのだ。

どおぉーーーーーーーしても、みたい!!!!!!!!!
せっかく宝島社の編集さん(美人で少林寺拳法の猛者)から教わった文章の基礎を一旦全部放り投げてしまうぐらい
どーーおおおおーーーーーーーーーーしても、見たいっっ!!!!!!!!
と思ってしまった私は、近所に住んでいるマニア仲間のY君の元へビデオテープを買って持参して、WOWOWで中継される試合を録画してもらえるように頼み込んだ。
あの時分、今みたいな動画配信やらPPVどころか衛星放送だってそこまで定着してなくて、WOWOW入ってるご家庭なんか珍しかった。少なくともウチの近所では。

ところがY君の家は入ってた。彼は格闘技やプロレスじゃなく、映画とか漫画とか殺人事件とか歴史、陰謀、戦争、そのほか色んなことに興味があって首を突っ込んじゃ面白おかしくそれを聞かせてくれるタイプのマニアで、私のイッコ上の友達だった。
でWOWOWだよ。前田日明引退試合だよ。もうね、テープを受け取った時は手が震えたね。
アントニオ猪木さんの引退試合は地上波テレビで中継されてたんでそれも見たし、ワールドプロレスリング内で放送されたマサ斎藤さんや小林邦昭さんの引退試合も見た。
近所のレンタル屋さんでFMW時代の、二度目の引退試合をやった大仁田厚さんの試合も見た。
でもねえ、この前田日明VSアレキサンダー・カレリンは別格だね。
内容云々じゃなく、もう、この試合が実現した時点で歴史的には前田さんの勝ちだよ。

勝敗も内容も全然頭に入らないまま試合が続き、いつの間にか終わってた。

でも
「オレは前田日明の引退試合を見たんだ!」
と堂々と言えることが嬉しくて、でもやっぱり前田さんが引退しちゃうのは寂しいし喪失感もデカかった。なので、引退後も団体やイベントが変わっても表舞台に出てくるだけで嬉しかったし注目していた。
ただまあ、私がプロレスマニアとして醸されていく過程でUWFの三文字を背景に見る人たちにどんどん冷めて行ったのは、出てくるたびに内輪揉めしてるか、組んで始めたことが長続きしたためしがないからで。結集、離脱、解散とちゃんとニュースになればまだいい方で、自然消滅したり無かったことになってるものもアレコレあって。
前田さんは、その中では高田延彦さんのPRIDEとかと並んで一本ずーっと同じことをし続けているだけでも凄いと思うし、未だにアレコレと考察されたり検証されたりしている、謎が多い、話題に事欠かないというのがやっぱ流石だなあと思うところで。

だって令和も3年になって、まさか前田さんがYouTube始めて色んな元レスラーや現役格闘家と対談するならまだしも、お料理をしたり散歩に繰り出したり、神社にお参りに行くところまで見せるとは思わないじゃない。

いい時代になったよねえ。
前田さんについて色々と思うところある人も多いと思う。プロレスマニアも格闘技マニアも、それぞれの解釈があって当たり前だし、私はもう多感なころにキッチリと
Captured
されてしまい、脳天から叩き落されているのでこればっかりは仕方がない。
どれぐらいかというと、以前お付き合いしてくれていた女性が、その子自身はプロレスと格闘技どころか空手と柔道の区別もあいまいだったぐらいの人なのに
前田日明
という四文字だけはしっかりインプットされてしまい、ニュースとかで名前が出ると今でもたまに連絡が来るくらい
なんか、思い出すらしい。
そんぐらい私は、一時期ホントに前田日明さんの話ばかりして居た頃があった。

流石に最近は落ち着いてきたものの、こうして今でも写真を買って飾ろうと思ったり、連日YouTubeでお料理動画を見て、ニンニクたっぷりのメニューを真似して作ってみたりしている次第で。

前田日明さんは、フツーに下衆い話もすれば、色々と波風も立てているし、格闘技のみならず賛否両論のある人だと思う。良いも悪いも極端で、だからこそ目が離せない。
前田なら何やってもいいのか!
ってわけじゃないけど(これも前田さんの発言の引用)これからも何をしでかすか、どんな話題が飛び出すか、楽しみに追い掛けて居たいと思います。
この写真、どこに飾ろうかな。

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