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美容院で簡易自己分析をする

酷暑につき、髪を切った。

ウーバーイーツ配達員の時はニット帽を被っているのだけど、それでも帽子の端から髪の毛が溢れ出てきて不快であったのだ。

埼玉に引っ越してきてから初めて行った美容院は安かったけれど技術的に問題があった。仕上がりに疑問を持ちつつも、それに耐えた数ヶ月でもあった。髪を切りたいと思っていたところに、近場に美容院が出来た。調べてみると、リニューアル記念に300円安くなっていたので行ってみた。

入店すると、すぐ目の前にスタッフの方がおり出迎えてくれたのだけど、台の上のマリモのような物体が落下したのでそれを拾うと何故か笑われた。僕の動作を笑ったのではないことは分かるのだけど変な気持ちになった。

席に案内されると中年の女性が担当してくれた。

美容師「暑いですね~」
僕「…ですねぇ~」

話しかけてくるタイプの人か~っと若干面倒な気持ちもありつつ会話が進行していく。

美容師「今日はお仕事お休みですか?」
僕「えぇまぁフリーランスなんで」
美容師「あら、じゃあお仕事抜け出して?」
僕「そうですね」

嘘とも本当とも言えない微妙なラインで返答する。

美容師「この夏はどっか行かれる予定はあるんですか?」
僕「いや…特に…どっちかと言うとインドアなんで」
美容師「そうなんですか?運動されるタイプに見えました」

この時はなぜそう見えたのか分からなかったけれど、後になって考えてみたら、配達の仕事のおかげでゴリゴリに日焼けしており明らかにインドア派だという主張と矛盾していた。

美容師「お酒は飲まれます?」
僕「はい。でも一人では飲まないですね。飲み会とかで」
美容師「ウィスキーとかそっち系は?」
僕「いや、サワーとかカクテルとか…そんな感じです」

美容師の方は意外そうなリアクションを見せた。僕は見た目だけで言えばアウトドア派のお酒好きにうつったようだった。

その日のファッションがまずかったか…?

(グラサンは嘘だけど、Tシャツと帽子はほんと。)

美容師「自炊されてるんですか?」
僕「ご飯だけ炊いて、おかずはスーパーとかそんな感じです」
美容師「唐揚げとか?」
僕「そうっすね、揚げ物とか(笑)」
美容師「あー(笑)」
僕「僕、子供舌なんで高い物も安い物もあんまり差が分からなくて。カレーとかラーメンとか分かりやすい味の方が好きです。」
美容師「だったら○○っていう唐揚げ専門店おすすめですよ」
僕「へ~今度行ってみます」

一通り散髪が終わり、シャンプーのあと髪を乾かしてもらった。美容師の方は僕の頭頂部をマッサージしながら言った。

美容師「ここの頭皮が固いですね。ご自分でもマッサージされた方が良いですよ。薄毛の原因になりますから」

「現段階で、もう危ないんですか?」という質問は怖くて出来なかった。

美容師「でもお若いですよね。白髪も無いし」

恐らくフォローして頂いたのだと思うけれど、白髪の生えるような年齢であることは推察できるけれど、その割には白髪が生えていないという意味での若いだから、素直に喜べない自分がいた。

というわけで、新規に美容院に行くことで図らずも簡易的な自己分析ができた。まとめるとこうだ。

一見アクティブに見えるが、実際のところは夏の予定が何も無いインドア派で甘いお酒好きの子供舌おじさんである。

美容師さんにおすすめされた唐揚げ専門店に行ってみた。事前にレビューを見てみると、「味が濃い」「しょっぱ過ぎる」という声もあった。

僕の口に合ったのは言うまでも無い。

夕飯が豪華になります。