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アメリカ、経済専攻新卒の就職事情。

留学生なら誰でもアメリカの企業に就職することを一度は考えると思いますが、これは難易度が高く、特に東京や大阪で就職先が見つかりやすい日本人は卒業とともに日本に帰る人が大多数です。

アメリカ企業への就職ということを第一に考えると、コンピュータサイエンスを専攻するのがまず間違いなく1番手っ取り早い方法だとされています。

大学院に行き、教授や研究者としての道を考えているのであれば、いわゆるSTEMと呼ばれるサイエンス系の学問を学ぶのも有効な手です。

これらの分野は、優秀でさえあれば外国人ということがハードルになりにくい分野であることは、個人的な体感として間違いないと思います。

ところが私の場合、サイエンスの世界は高校入学と同時に諦めており、大学で挑戦したコンピュータサイエンスも、パソコンとにらめっこしていることが苦痛でしかなかったため、1年で断念せざるを得ませんでした。

そのため、留学生の人気度で言えば、これらの分野に負けずとも劣らない経済・ビジネスを専攻しています。(正確には経済学と統計学のダブルメジャー。私の大学はビジネス専攻がありません。)

幸運にも経済学はかなり好きなので、クラス自体はとくに嫌なこともなく楽しく学んではいるものの、大学卒業後の進路という点では、もうすぐ4年生になるのに何も決まっておらず、頭を悩まされているのが正直なところです。

経済学を専攻している学生は、主に、アカデミア(教授かリサーチャー)、銀行、投資銀行、ファイナンス、コンサルティング、アカウンティング、その他ビジネス(不動産、営業、マーケティング)といった道に進みます。

この中で、ビザのスポンサーになれる規模の企業という点を考慮すると、留学生に残された選択肢は、アカデミア、投資銀行、ファイナンス、会計士、コンサルティングにほぼ限られてしまいます。

そのため、もし経済学を学びたい高校生や大学一年生などがいたら、ファイナンス、投資、会計の道(専攻やクラスに加え、資格やインターンなど)をおすすめします。

私の場合、これらの分野は大学で教えられておらず、またファイナンスと会計がどうしても好きになれなかったため、さらに選択肢は限られ、アカデミアか投資、アナリスト、コンサルティングのいずれかに進むのが最も現実的な進路と考えています。

アカデミアを選ぶと、奨学金を手に入れてマスター(修士)を取るか、給料をもらってPhD(博士)を目指すことになります。後者は大学卒業後、大学院受験と5、6年の勉強という、まさに茨の道であり、運良く教授になれた頃には40歳という道になります。

もちろんアメリカで経済学の教授といえば、非常に名誉のある立場であり、職を失う心配もなく、やりがいもある素晴らしい仕事だと考えられていますが、そこにたどり着くまでの道のりはとても険しいものとなります。

こちらも非常に厳しい競争を勝ち残って投資銀行やコンサルティング会社に就職すると、ポジションによっては週80時間という過酷な労働環境と年収1千万が同時に手に入るようです。

アナリストはもう少し負担が減るようですが、その分給与水準も相対的に下がるようです。

これらの仕事を手にするには、3年生の後の夏休みに志望する企業でインターンとして働くことが理想的となります。このポジションの募集は3年生になってすぐの9月から10月頃に始まるので、出遅れないことが大事です。

私の場合、ここでインターンを勝ち取ることができず、春学期はスペインに留学して人生を謳歌していたため(おかげでスペイン語は話せるようになりました!)、この夏休みは大学で経済学のリサーチを行なっています。

(私のように)このインターンのタイミングを逃した場合、4年生の学期中にインターンを見つけて内定にこぎつけることが必要となります。

これがうまくいけば、学生ビザの延長を使って1年か3年間アメリカで働くことができます。大抵の人は、4年生になった時点でアメリカでの就職に見切りをつけ、11月のボストンキャリアフォーラムにて日本企業からの内定を勝ち取る方向にシフトチェンジします。

留学生は、4年生になると大学のOBや教授など、ありとあらゆるコネクションを使い、なんとか仕事を見つけようとします。大学のOBや200人以上に電話やメールでコンタクトを取ったというのはよく聞く話です。

同じことをアメリカ人学生もやりますので、いかに競争が激しいかは想像できると思います、(なので応援してください、笑)。日本の就職も違った意味でまた大変キツいようですが、新卒一斉採用という概念がないアメリカではこういったコネが無いと仕事は基本的に見つかりません。

以上がアメリカの大学で経済を学ぶ留学生(=私)の就職事情となります。読者の95%の方には役に立たない情報だと思いますが、残りの5%の役に立てば何よりです。ぜひ参考にしてください。

(追記)

これは余談ですが、留学の目的はあくまでアメリカの大学で学ぶこと、日本の外で生きてみること、異なるバックグラウンドを持った人たちと交流することだと考えています。アメリカで働きたいという気持ちは常に私の中でモチベーションになっていますが、私にとってそれは恐らく1番大切なゴールではありません。

日本にやりたい仕事があるのにアメリカでつまらない仕事をするのは本末転倒です。そんなのはアメリカで仕事を見つけられなかった言い訳だ、など心無いことを言う人がいたとしても、私は日本で生まれ育った以上、日本で働くことが最も自然な選択肢だと思います。

しかし、私の場合、まだアメリカでやりたいことがあるという気持ち、NYやロサンゼルスといった街で働いてみたいという純粋な好奇心、経済学やアナリストという分野においてアメリカに留まることの意義、を考えアメリカでの就職を目指しています。

分かりにくいとは思いますが、このあたりを理解していただけると幸いです。今回は似たような状況にいる学生がいたらと思い、無料で記事を書きました。気に入ったらいいね&シェアしていただけると嬉しいです。

では。

Have a nice day!

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