ディスレクシアのためのPCモニター!?

この記事は、こちらの記事をもとに書いています。


フランスのスタートアップ企業Lili for Lifeは、2024年のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で、ディスレクシアの人々がPC作業を容易にするために設計された新しいモニター、「Lili Monitor」を展示しています。同社はこれを「ディスレクシアに優しい初のPCモニター」と称しています。

https://attoday.co.uk/new-dyslexic-friendly-computer-monitor-unveiled-at-ces-2024/



んん、ディスレクシアと言っても個人によって特性やその症状は異なるけど、このモニターはどのグループにどのような仕組みで効果的なのだろう?と考えながら元記事を読み進めていきます。

パルス光技術をモニターに搭載

この新しいLili Monitorは、Liliの特徴であるパルス光技術を採用しており、ディスレクシアの人々が読書を快適にし、疲労を軽減することを目指しています。この新しいスクリーンのパルス光技術は、メール、学習、または娯楽に関わらず、PCの使用性を向上させると主張しています。

https://attoday.co.uk/new-dyslexic-friendly-computer-monitor-unveiled-at-ces-2024/


なるほど、パルス光が有効と書いてあるけど、、、そもそもパルス光ってなに?(私も初耳です)。パルス光技術をモニターに搭載することで、どうやってディスレクシアの人々の読みの負担を軽減できるのでしょうか?

その仕組みが解説される前に、このモニターはディスレクシアの中でもある特定の人々に有効であることが述べられています。



二つの優勢(dominant)な目?

最初に述べた通り、このパルス光が搭載されたモニターは全てのディスレクシアの人々に有効かと聞かれると、そうではなく、対象となるのは"二つの優勢な目"を持ったディスレクシアの方のようです。

ディスレクシアの人々は、そうでない人とは異なり、二つの優位な目(dominant eyes)を持っていることがフランスの物理学者によって発見されました。これにより、(二つの優位な目)を持つディスレクシアの人々は読書中に脳内で画像や字が重なり読むことに困難が生まれると同社は述べています。

https://attoday.co.uk/new-dyslexic-friendly-computer-monitor-unveiled-at-ces-2024/


元の英語の記事ではディスレクシアでない人は常時どちらか片方の目(固定)が優勢(dominant)であり、ディスレクシアの人はどちらか片方ではなく両目とも優勢になるとここでは述べられています。(しかし何度も繰り返しますが、ディスレクシアの症状がある人全員にこのセオリーが適用される訳ではありません。

両目が優位?片目が優位とはどういった状態を指すのでしょう。

テキストを読むときには、一方の目(優勢な目)が単独で単語を狙う作業を担うべきです。もし両目が同じ作業を行おうと競合すると、単語や文字が順序を崩して移動するように見え、脳に混乱したメッセージを送り、読書やスペリングに困難を引き起こします。安定した目の優位性がない場合、注意は一方の目から他方の目へと絶えず移り変わります。移り変わる瞬間に、文字や単語は空間内で位置を変えます。

https://www.anstice.co.nz/SchoolVision/


両目が優位になりえると、優位になる目が片目ずつ移り替わるので読書時にテキストが安定しないとのことです。

いまいち何を言っているか分からない、と思った方(すみません、これは私の翻訳力と文章力のせいです)、遠くの物体を狙って指さししてみてください。まずは右目を閉じて左目だけで遠くにある物体を指さします。次に左目を閉じ、右目だけで同じ物体を見ると、指か物体のどちらかが動いているように感じます。これが読書中に起こると、文や段落の中で自分が読んでいる位置を見失うことが起きたり、文字が静止しないので新しい単語を習得したり、スペルを覚えることが難しくなります。

そして新しいディスレクシアフレンドリーのモニターは両目が優位になる故の文字の重なりを解消できるとのこと。


パルス光の利用により、文字が重なりあって見える現象を修正

Lili for Lifeは、肉眼では見えない光の閃光を放出する技術的なデバイスを開発し、この重なり合う効果、いわゆる「ミラー」イメージを修正します。これらの閃光は、文字の視覚的認識に時間的なズレを生み出し、これらの重複したイメージを排除します。読書がスムーズで迅速になり、疲れにくくなるため、テキストの理解が向上すると同社は述べています。

https://attoday.co.uk/new-dyslexic-friendly-computer-monitor-unveiled-at-ces-2024/


元記事ではミラーイメージ(アルファベットのbとdを逆に視覚的な情報が左右逆転して認識される現象)を修正すると述べていますが、ミラーイメージは目に関する問題ではなく脳での情報の処理なのでは?と思いました。お恥ずかしながら自信をもって言い切ることができないので、今度はミラーイメージについて調べてみようと思います。

これらの商品は残念ながら日本では現時点で販売予定はなさそうです。イギリスにて予約注文が可能です。



まとめ

・一部のディスレクシアの方にとって見やすい読みやすいPCモニターが発売される。
・その一部とは、文字を読むときに両目が優位になってしまう人たち。通常文字を読むときは常に同じ片目が優位で読むが、両目の優位性がころころ変わると焦点も変わることから、文字や絵が重なって見えることがある。
・パルス光をモニターに搭載することにより、文字の視覚的認識に時間的なズレを生み出し、文字の重なりを防ぐ。
・ミラーイメージ(bをdと認識する)を防ぐ。→これについてはもう少し調べる必要あり。
・残念ながらこのモニターは日本では販売しておらず、イギリスでの予約販売のみ。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?