見出し画像

ほんとの好きな物に認定


造形

コントラスト

文字

視覚伝達は、簡単だ。


肌が白い。黒い。

髪が白い。黒い。

細い。太い。

女子トイレ。男子トイレ。


めがねちゃんの学校は「ホワイト」。

産まれたときから決まっている。


アタシの学校は「ブラック」。


産まれたときから、それが変わる事はない。

髪の色で決まってしまう。遺伝子。


アタシは、真っ黒ではなかった。

グレーっぽい感じ。

まわりには、そんな人いなかった。

でも、白じゃないから黒になった。


「おい。大丈夫かよ」

「…悔しい」


見えないものと、いつも戦っている。

いまさら始まった訳じゃない。

産まれたときから、そうだったんだから。


いつだって、なにか許されたかった。


「ブローチが壊れかけてる。修理しにいかなくちゃ。」

「修理なんて、できんのか。案外、アナログだな」

「僕の戦友が、この学校の地下にいるんだ」

「ここ地下もあんのか!めがねちゃん、立てるか?」


めがねちゃんの膝から、少し黒い血がでていた。


白い人間も、黒い血がでるんだな。

とか、ぼんやり思った。


血の色は、本当は赤というらしい。

黒く見えるんだ。きっと、黒に似てる色なんだろう。


外が、寒すぎてちょっとまつげが凍った。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?