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VIVA LA ROCK 2023 BE:FIRSTレポ

BMSG史に伝説として残る、初のボーイズバンド参戦ロックフェス、ビバラロックから一年。
あの日から続くストーリーを自分の中でも繋げたくて、5月4日さいたまスーパーアリーナに向かった。

制約が撤廃されたライブスタイルの宣言と、人々の賑わいの様相と、雲ひとつない晴天から『解放感』が印象的だった。

制約だらけの時代に生まれ、育ち続けてきたBE:FIRSTはこの一年でなにが変わっただろうか。

既に配信を見た方もいると思われるため、このレポでは全MC忠実レポ!とかではなく、現場で自分から見えた景色や、感じたものを、自己中心的(後で見返したい)に記していくスタンスです。

それではBE:FIRST登場の少し前からレポスタート!

ビバラのステージは客席から向かって左側のSTARステージと、右側のVIVAステージとで別れていて、交互にパフォーマンスがされ、使用していない側は次のパフォーマンスのために準備が進められる。

去年もアリーナ前列ではあったが、前列ブロックの中では後方だった。
今年もアリーナ前列、去年よりも前に行けて、ステージまでは30〜40mくらいだろうか、ステージに対してど真ん中に待機できた。

BE:FIRSTはVIVAステージ出演

バンド構成の準備ではドラムセットやマイクスタンドが設置されていくのだが、BE:FIRST前のステージは機材がどんどん下げられていく。
この光景を見て一瞬俯瞰になって、『ああ、バンドだらけのここで、ダンスをするグループが存在を提示するんだよな』『初見さんを驚かせてくれ〜』と思った。

楽器のなくなったステージに、『歌声とダンス』という身体的な楽器を持ってくる彼らの登場が待ち遠しい。

STAR側のライブが終わり、VIVAステージでは照明の最終調整が続けられているのだが、この照明の調整一つでBE:FIRSTのステージがもう浮かんでくるくらい、冷静にではあるが興奮していた。
上部から落ちてくるスポットライトが真上から、そして左右からステージセンターの一点に集まる挙動(※1)をしたり、7本のスポットライトが真下にまっすぐ落ちたり、黄色と紫色のライトがけたたましくぐるぐる回る様子(※2)を見て、(※1)Screamっぽいねとか、(※2)BBBっぽいね なんて言ってワクワクをセルフドーピングして待つ。

これまでいくつかのBE:FIRST出演ライブに参戦してきたが、リハーサルで当人らが出てくることはなく、去年ビバラで、他のロックバンドがサウンドチェックをしたり、軽く演奏をしている様子を見て、同じようにBE:FIRSTが現れGifted.で軽くリハーサルしたのには、こちらの高ぶりと、リハを『もう見られていいんすか』という不思議な感情が相まった事が印象的だった。

調整も終わり、定刻までの間にブルーノ・マーズが流れ、B'zのウルトラソウルが流れ、(ブルーノがSOTAやBE:FIRST側の希望した、打ち合わせの賜物かと思ったけど最後がウルトラソウルだったから違うのかなとも思う)、待ちに待ったBESTY達が、声を揃えて『ウルトラソウルッ!』の掛け声で一体になったところでBGMが絞られ、、

BF is…でBE:FIRSTが登場!
2年目の出演ということもあって、緊張の色は薄まり、その薄まった分だけ濃くなったのが堂々とした態度だった。
衣装が新しくなっていたが、RYOKIはこの時はフードを被っていて、あの髪になっていることはまだ誰も知らなかった。
この段階ではSOTAの髪が黒じゃなくなっていることに最も驚いた。

フードのRYOKI

去年の一曲目は『踊らない』『何者かを誇示する』ビバラ参戦のために作られた登場曲『BF is…』だったわけだが、今年はリハで『ただいまの挨拶』をかましてくれた。

01. Boom Boom Back
みんな登場しながらYoYoって言ったり、HIPHOPスタンスなのがフェイクじゃなくて、動きに、振る舞いに現れていてもうイントロからアリーナが爆上がり〜の体揺らし〜の首振り〜のして、ステージでは7色の集合体が躍動しまくる。

満を持しての登場に、アリーナは熱狂と絶叫に沸いて、満員電車状態にもかかわらずヘンザと手だけコレオ✊🖐✊🖐してテンションも上昇。

『イーサイトゥザウェッサイ!』をみんなが大合唱しているのも最高だったし、2サビアイソレもど真ん中から拝めて、もうこの時点にして大満足なわけだけど、このあと怒涛のほぼノンストップセトリが圧倒してくることをまだ気づいていない。

7者7様の個性で魅せてくるから、一人ひとりのパートが繋ぎなんじゃなくて、発光するメインパートになる。
だから配信を見た人も気づいているかもだけど、それぞれのメンバーが歌唱すると会場が歓喜と歓迎と感動で沸きあがる。

それも顔をキメた時だけじゃなくて、パフォーマンスがヤバい時に、音楽的に沸いているのが最高だった。

アリーナ以外がどうだったかわからないし、周りにいたのはBESTYだけと言って過言じゃない状態だったから、あの熱感は俯瞰でも感じてみたかった。


02. Milli-Billi
まだBBBの余韻からも抜け出せないまま、予想外のセトリ順に会場はどよめく。

ライブ前までは、去年のセトリを踏襲しつつ、ロック調に寄せたセトリで構成されるものかと思っていたが、まさかHIPHOP、ラップのマイクリレーものが続くというのは予想外だった。

といいつつも、先述のHIPHOPの話と通ずるんだけど、最近のBE:FIRSTの雑誌インタビュー(QJ)等でHIPHOPスタンスや表現するもの、アートワーク等について、カルチャーのルーツをちゃんとたどって、敬意を払いつつうわべにならぬ様努めているというスタンスが伝わってきていた。

それがあって、BBBからMilli-Billiは妙な納得感もあったし、ある種BGB、SAのクリーンイメージで『試しにBE:FIRST見てみようかな』の予想を裏切り、既成概念をも飛ばせたんじゃないかと思う。

全員のオラついた統一性のあるアティチュードも、しっかりと擦り合わされた方向性だったのだろう。

今となって初見の気持ちになるのは難しいけれど、あえて初見の気持ちになってみると、ロックフェスだけど、HIPHOPサウンド、オルタナティブロック、EDM、J-POP、ダンスミュージックをまんべんなく混ぜ合わさっていることが気にもならなくなるセットリストで『7つの光が束になったハイクオリティ音楽集団』という印象を持つと思う。

パフォーマンスに話を戻す。(まだ2曲目だったわ)
LEOによる『2XL』のところ、フーディーを被ってとても雰囲気出ていた。MVでも過去ライブでも見せたことのない、プラスアルファのアレンジに芸術が宿っていて、つくづくアーティシズムをBE:FIRSTから感じる。

そしてMilli-BilliのSTOMPは改めて最高なパフォーマンスだと感じた。
まだBE:FIRSTに出会う前、初めてSOTAのオーディションダンスを見たとき、KANABOON(ダンスチーム名)を見たときに、予備知識がなくても『これはヤバい!』『カッコイイ!』と問答無用にぶん殴ってくる感じ、あれに似た衝撃を初見さんに与えられたんじゃないかと思う。
現代ならTikTokでスクロールの手が止まる感覚じゃないだろうか。
Milli-BilliのSTOMPという飛び道具は本当に強い。

Milli-Billiアウトロのビートが変調していって、お馴染みの繋ぎ…

03. Move On
である。
ただでさえ頭頂が真っ赤なメンバーがいるが、ステージを照明でさらに赤く染める。
その視覚の赤と、発せられる熱量の赤とで、集中力が否応なしに高められる。
SHUNTOのゲラァとRYOKIのビバラー!シャウトも、音源では感じられない、生の醍醐味。
そしてSOTAのラップの発声が相変わらず力強くて頼れる。

04. BraveGeneration
ここで待望のBraveGeneration。
歪むギターから始まるKMビートでロック耳にも突き刺さったんじゃないだろうか。
SHUNTOの煽り、自分の言葉で叫ばれる『夢はいつ見たって遅くねーからなー!』はリアルで、涙腺に来てしまう。

演技の『●●らしく振る舞う』ではなく、一人ひとりの内から発露しているヴァイブスが見るものを揺さぶってくる。

RYOKIの、本来なら『シナリオ踏みつけろ』と歌う箇所を、『シナリオなんてぶっちゃけさどうでもいいよねー!』と、アレンジの常識越えている表現には、その言葉通り決められたシナリオを度外視させちゃうパワフルさがあった。

みんなで飛んで、みんなでクラップして、一体感が楽しかった。

05. Smile Again
Smile AgainはANESSAのCMでの大告知や地上波露出もあって、けやきひろばの日陰で昼食を食べているときに、隣の隣に立っていたロックキッズが『Smile Againだけは絶対に聞きたい!』と言っていたのが聞こえた。

曲名が認知され、一聴する必要性を感じてくれているのが嬉しかった。

そしてこのセトリ順で巡ってくる同曲。
HIPHOP、ロック、J-POPと、ひとつのグループが披露しているのが信じられないくらいに、多様に、それも彼ららしく色が出た展開をするから、まだ中盤といえ満足度の上昇具合に胸を張りたくなった。

MANATOの美ブラートからのJUNONの大サビ、『君は綺麗だ』に爆沸きの会場に、輝きを放つ視覚情報と、情感こもったハイトーンサビによる聴覚情感とで多幸感に包まれた。

06. Spin!
まさかの展開だった。
3人曲ではあるものの、4人がステージで被せたり、うろついて治安の演出にも一役買っていた。
『ラップに複数人ステージうろつきスタイル』はKANDYTOWNとか梅田サイファー、BADHOPらクルーものに通ずるものがあってBE:FIRSTとしては新しかった。

それとSOTAのオートチューンの表現力と相性がレベルアップしていたのもライブと配信で堪能。

BE:1の流れだと曲終わりの『Move On..』からMove Onに繋がるところだけど、今回はSOTAがMove On箇所を『行こうぜビバラ!Are you ready』からの..

07. Scream 
開演前の照明が一点に集中する挙動はやっぱりScreamだった。
ここまで曲前の煽りくらいのものを挟むことはあったけど、ほぼノンストップで回ってきたのがScreamだったときは、その怒涛さに対して、つい笑いが出てしまうほどだった。
信じられない構成に、それを実現する体力が礎になっていることに感動する。

JUNONの、Tiger Styleなどでも培われたであろう強い歌い方もライブに熱とスパイスを足す役割を担っていた。

定番のRYOKIの『Hahaha』はもはや『ア"""ーーーー!』しか叫んでなかったし、赤坊主と相まって大噴火していた。
Smile Againを聴いたあとのScreamに、『同じグループ?』とバグを起こした人もいるのではないだろうか。

そしてこの日一番の収穫は、曲終盤のRYOKIとJUNONのフェイクの流れにSOTAが音ハメするところ。
これまでに見たライブでは最後の強ヒットを打つくらいだったけど、この日は声に対して完全にハメていて1番ぶち上がった。
配信で完全に映像に収まっていないのが惜しい。

08. Don’t Wake Me Up
ここでスローダウン。
とはいっても、3.2.3.2.1.レッツゴー!で飛び跳ねて、また一体になる。
D.U.N.K. Showcaseでやられるんじゃないかと思っていた同曲だったから、制限のなくなったこの日の会場で声出して飛び跳ねられて、かなり楽しかった。


09. Bye-Good-Bye
いつもは優しく、ゆっくりと語るLEOのMCは今回熱のこもったもので、LEOの命をかけてパフォーマンスをするという、強い言葉が今回のライブでSHUNTOの『夢はいつ見たって遅くねーからなー!』と並ぶ、胸熱、涙腺刺激ポイントになった。
しかもその、叫びに近い思いはすごく前に飛んでいて、今までのLEOによるMCで1番情感がこもっていた。
その情感のままBye-Good-Byeの歌い始めに繋いだところも、本当に素晴らしかった。
これぞ音源では得られない、ライブならではの生感で、今回のビバラでトップクラスにカマされた瞬間だった。

10. Shining One
ラストはGifted.じゃなくShining One。
まだ最終兵器残したまま終わる感じも余裕があってそれも『最高』の証明の仕方なんじゃないかと感じた。

それにしても生のSOTAバイブレーションは何度見てもヤバい。
この頃には既に『ただものじゃない』『思っていた以上』と初見さんには衝撃を与え、見る目が変わっている頃に原点に戻って、紅白披露曲のShining Oneをやることは、アハ体験になった人もいたのではと期待してしまう。

どの曲でも天賦の才を誇示していたSHUNTOはやっぱりフェスに向いていて、初見キラーしていたと思う。
そして全員がMVPではあるけれど、玄人好みの初見さんに、全曲に渡って安定してマイクに声が入っていたことで印象付けたのはRYUHEIだったんじゃないかとも思う。
QJのインタビューで『腕を伸ばすだけでそこにアーティシズムが宿る』的な話を読んでから、特にRYUHEIの一挙手一投足の深みに目が離せなくなった。

毎ライブ毎ライブ最高を更新して、表現力や、ネクストステージのスタンスの提示をしてきて、本当に同じ時代にリアタイできてて、現場にいれることに幸せ感じる。

これからも彼らに感謝をしながら、揺るぎない応援を続けていこうと思う。


ここまで読んでくださった方ありがとうございました。
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