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数学Ⅰ 第1回 単項式の係数と次数

単項式とは,数字と文字のかけ算のみで出来ている式のこと


単項式の例:$${2{x}^{2}}$$ ,$${\displaystyle\frac{xy}{3}}$$
   注:$${\displaystyle\frac{1}{x}}$$のような分母に文字の入った式は単項式とは考えない

   数字だけ出てきている単項式のことは『定数項』という

例題 1 次の①~⑨から単項式を選びなさい。
① $${x}$$   ② $${x+y+z}$$    ③ $${7{{x}^{2}}y}$$
④ $${\displaystyle\frac{3}{7}ab}$$   ⑤ $${\sqrt{a+1}}$$    ⑥ $${2a-3b+c}$$
⑦ $${-5}$$    ⑧ $${\sqrt{2}xy}$$   ⑨ $${\displaystyle\frac{a}{b}}$$

例題 1 解答
単項式は ①・③・④・⑦・⑧
⑤は$${\sqrt{ }}$$の中に,⑨は分母の中に文字が使われています。$${\sqrt{ }}$$の中,
分母の中に文字が使われていると単項式ではなくなってしまいます。
⑦は数字だけでできて定数項です。定数項も単項式に含まれているので
注意をしてください。


係数とは単項式の文字以外の部分のこと


基本的には単項式の数字と符号の部分を係数という。

例題 2 次の①~⑤の単項式の係数を答えなさい。
①  $${2a{{b}^{2}}}$$   ② $${-7xy}$$   ③ $${\displaystyle\frac{4}{3}ab}$$
④ $${\sqrt{3}a{{b}^{2}}}$$   ⑤ $${x}$$   ⑥ $${-xyz}$$

例題 2 解答
①  $${2}$$   ② $${-7}$$   ③ $${\displaystyle\frac{4}{3}}$$
④ $${\sqrt{3}}$$   ⑤ $${1}$$   ⑥ $${-1}$$

⑤では係数が無いように見えますが,$${x}$$は$${1x}$$という意味なので係数は$${1}$$になります。⑥の$${-xyz}$$は$${-1xyz}$$という意味なので係数は$${-1}$$になります。


特定の文字に注目して係数を考える』場合, 例えば$${2{{x}^{2}}y}$$の$${y}$$に注目して考えるときは,$${y}$$のみを文字と考えるので$${2{{x}^{2}}}$$を係数と考える。

例題 3 次の①~⑤の単項式の係数を〔 〕の中の文字に注目して
     答えなさい。 
①  $${2\sqrt{3}a{{b}^{2}}c}$$ 〔$${b}$$〕   ② $${-17{{x}^{3}}y)}$$ 〔$${x}$$〕
③ $${-\displaystyle\frac{4}{3}xy}$$ 〔$${y}$$〕   ④ $${-\displaystyle\sqrt{3}a{{b}^{2}}}$$ 〔$${a}$$〕
⑤ $${-xyz}$$ 〔$${x}$$と$${y}$$〕

例題3 解答
①  $${2\sqrt{3}ac}$$   ② $${-17y}$$   ③ $${-\displaystyle\frac{4}{3}x}$$
④ $${-\sqrt{3}{{b}^{2}}}$$   ⑤ $${-z}$$
〔 〕の中の文字以外が係数となります。⑤の〔$${x}$$と$${y}$$〕のように
複数の文字が指定されたとき,指定された文字以外を係数にしましょう。

次数とは掛け合わせた文字の個数のこと


かけた文字の個数を次数という。
係数と同じように特定の文字に注目するときがあり,$${y}$$に注目して$${2{{x}^{2}}y}$$の次数を考えるときは,$${y}$$のみを文字と考え次数は1になります。
また,文字のない数字だけの項は0次とかんがえます。ただし,数字の0は定数項としても書かないですから次数を考えないものとします。

例題 4 次の①~⑤の単項式の次数を答えなさい。
①  $${\displaystyle\frac{4}{3}xy}$$   ② $${17{{x}^{3}}y}$$   ③ $${2\sqrt{3}a{{b}^{2}}c}$$
④ $${3}$$    ⑤ $${-xyz}$$   ⑥ $${\displaystyle\frac{4}{3}\pi {{r}^{3}}}$$

例題4 解答
① 2次式   ② 4次式  ③ 4次式   ④ 0次式   ⑤ 3次式 

① $${\displaystyle\frac{4}{3}xy=\displaystyle\frac{4}{3}\times x\times y}$$ 文字を2個かけ合わせているので 2次式 
② $${17{{x}^{3}}y=17\times x\times x\times x\times y}$$
  文字を4個かけ合わせているので 4次式
③ $${2\sqrt{3}a{{b}^{2}}c=2\sqrt{3}\times a\times b\times b\times c}$$
  文字を4個かけ合わせているので 4次式
④ 文字の無い定数項なので 0次式 
⑤ $${-xyz=-1\times x\times y\times z}$$ 文字を3個かけ合わせているので 3次式
⑥ $${\displaystyle\frac{4}{3}\pi {{r}^{3}}=\displaystyle\frac{4}{3}\times \pi \times r\times r\times r}$$
  ここで注意したいのはπの扱いです。『$${\pi}$$は文字として扱いません』。
  $${\pi}$$は円周率を表すもので文字扱いではないのです。
  したがって,文字として扱う$${r}$$を3個かけ合わせているので 3次式

例題5 次の①~⑤の単項式の次数を〔 〕の中の文字に注目して
    答えなさい。
①  $${2\sqrt{3}a{{b}^{2}}c}$$ 〔$${b}$$〕   ② $${-17{{x}^{3}}y}$$ 〔$${x}$$〕
③ $${-\displaystyle\frac{4}{3}xy}$$ 〔$${y}$$〕   ④ $${-\sqrt{3}a{{b}^{2}}}$$ 〔$${a}$$〕
⑤ $${-xyz}$$ 〔$${x}$$と$${y}$$〕

例題5 解答
① 2次式   ② 3次式  ③ 1次式   ④ 1次式   ⑤ 2次式 

① 〔$${b}$$〕に注目するので,$${b}$$のみを文字として考えます。
  $${{{b}^{2}}=b\times b}$$ 文字として考える$${b}$$を2個かけ合わせているので 2次式
② 〔$${x}$$〕に注目するので,$${x}$$のみを文字として考えます。
  $${{{x}^{3}}=x\times x\times x}$$
  文字として考える$${x}$$を3個かけ合わせているので 3次式
③ 〔$${y}$$〕に注目するので,$${y}$$のみを文字として考えます。
  文字として考える$${y}$$は1次なので 1次式
④ 〔$${b}$$〕に注目するので,$${b}$$のみを文字として考えます。
  $${{{b}^{2}}=b\times b}$$ 文字として考える$${b}$$を2個かけ合わせているので 2次式
⑤ 〔$${x}$$と$${y}$$〕に注目するので,$${x}$$と$${y}$$の2つを文字として考えます。
  $${x}$$と$${y}$$がそれぞれ1つずつ単項式の中に入っているので  2次式