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『イタリアまもなくサマータイム』

今年は来週の日曜日にイースターを迎えますが、その前に欧州はこの週末(3月27日-28日)に冬時間から夏時間に変わります。

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 ここイタリアと日本では冬時間の間は8時間の時差があります。日本の方が先に進んでいるので、日本がお昼の3時であれば、イタリアは朝の7時です。これがこの土曜日夜中に夏時間に切り替わります。 具体的にピタッと変わるのかと言えば、人間ですので朝起きたときに7時間の時差から8時間の時差に変わっているだけです。 あとは就寝時間が1時間短くなりますね。携帯電話を見ているとおもしろくて、おおよそ夜中の2時、3時頃に時間が切り替わっています。 

近年この夏時間について色々と議論されていますが、個人的には夏時間になると行動時間が随分と長くなり、得した感覚になります。 また、欧州の中でもタイムゾーンが4つに分かれていますが、イタリアは中央ヨーロッパ時間を採用していて、この時間を採用している国でも東西南北で随分と日没時間が違います。人間の習慣なのか、家庭でも外が明るいと夕飯時間が1時間ほど遅くなります。明るいと夕飯を始める気にならないのもあります。冬はその反対で自然と夕飯時間も早くなります。 

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 この昼食と夕食の間に生まれた食事文化がイタリアでは『アペリティーヴォ』です。 『アペリティーヴォ(イタリア語)』 (フランス語ではアペリティフ)とは食前酒と訳されることが多いですが、この食事文化はイタリア・トリノから200年以上前に生まれました。 アペリティーヴォが生まれたのは、ワインやビールではなく、ベルガモットを使ったリキュールが誕生したことにあり、日本や世界中でおなじみのカクテルに使用されるベルガモットリキュールの製造元は北イタリアのピエモンテ州やロンバルディア州に構えています。 このトリノから始まったアペリティーヴォ文化がやがて全国的に人気となり広まります。

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現在では仕事が終わった後に夕飯までの間、仕事仲間(イタリアではほぼあり得ませんが…)や友だち、恋人や夫婦と軽く1杯飲みながら軽めの食事を取り、お喋りを楽しみます。
『アペリティーヴォ』とは、どんな飲み物?と思われるかもしれませんが、基本的にそれぞれが好きな飲み物を口にします。
特に日本でも人気のスプマンテやプロセッコ、ビールやカクテル、アルコールが苦手な人はもちろんノンアルコールドリンクやフルーツを使ったノンアルコールカクテルなどもあります。
もちろん、アペリティーヴォ王道のベルガモットリキュールを好みに合わせて注文することもできます。

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お店にもよりますが、1ドリンクそれに軽食がセットの料金です。提供される軽食のクオリティーや量にもよりますが、相場は5-12ユーロ、2杯目が欲しくなったひとはもちろんドリンクのみ注文できます。それはドリンク料金のみです。

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また、アペリティーヴォは外でするのもと思うかもしれませんが、夕飯時間が遅くなる家庭でも、仕事を終えてからのんびりする時間としてそれぞれが、思い思いに楽しむことができます。
特にこの文化が定着しているのは北イタリアが中心ですので、南イタリアはアペリティーヴォをあまりしない代わりに、夏になればなるほど、昼食の時間も遅くなります。
毎度のことですが、北から南まで個性豊かな彩を放つ国だとつくづく感じます。

夏時間になったから残業時間が長くなることとはほぼ無縁のようなイタリアです。
仕事を終えてから日が長い人にとってはやはりお得感があるサマータイム、気持ちの切り替えにも大切な時間かもしれません。

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