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第3講 生地の表情を一変する「加工」を学ぶ

こんにちは。
遠州産地の学校事務局です。

第3講は、武藤染工株式会社にご協力いただき、工場見学と手捺染のワークショップを行いました。
前回の講義で学んだプリント加工。「加工によって生地の表情は大きく変わる」「加工のことを知っていれば表現の幅が広がる」と語る永田工場長ご指導の下、実際の工程を目で見て、手を動かして理解を深めるという回です。

まずは、小幅の捺染の現場見学。

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この日は、絵羽浴衣(えばゆかた)の製造をしていました。
浴衣は一枚の反物をパーツごとに切り分け、それらを縫い合わせて作ります。浴衣の中でも、絵羽浴衣はパーツをまたいで、浴衣全体で一つの絵になるようなデザインができることが特長です。そのため、縫製の際に間違いが無いよう、パーツの名前を書く工夫も。

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お二人の職人は、息ぴったりに、そして素早く、次から次へと場所を移動し、型を持ち替え、反物を染めていらっしゃいました。
武藤染工株式会社では、このほかにも広幅のオートスクリーンやロータリースクリーンなどの機械捺染もされています。

その後は、手捺染を体験。
生地と配色を決め、染料を作ります。染料を計ってお湯で溶かし、糊剤と混ぜていきますが、百分の一グラム単位で計るのは難しく、ほんの少しの染料の組み合わせの違いでさまざまな色を再現できることを実感しました。

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計った染料と糊剤をムラなく混ぜたら、捺染を行います。
まずは、捺染台に生地をきれいに張るところから一苦労。

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その後、生地の上に、型を置き、ヘラを使って染料を伸ばします。傾け方や力加減が大切で、うまくいかないと、柄が不鮮明になったり、色に濃淡がついてしまいます。まさに職人技ですね。

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捺染台の上で乾かしたら、蒸しの工程へ。高温の蒸気で蒸らされることで、染料が固着します。染料が固着したら、洗い、乾燥を行い完成です!
先ほど実演を見た絵羽浴衣の場合には、浴衣に仕立てる際に柄を合わせることが必要なため、乾燥時に生地が変形しないように自然の風で乾かすそうです。

最後に、柄塩縮(がらえんしゅく)を実演してくださいました。
プリントを施した生地を苛性ソーダに通すことで、プリントされていない部分がギュッと縮み、その表情は一変します。また、市松模様やストライプなどプリントされた柄によっても仕上がる雰囲気が異なります。

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武藤染工株式会社の皆さま、遠州産地の学校へのご協力、ありがとうございました。
最後に、ご指導くださった永田工場長と一緒に受講生自身がプリントした手拭を持って記念撮影。

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第4講は、古橋織布有限会社で織りについて学びます。

遠州産地の学校 事務局




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