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【試合評】楽天バッテリーに足らなかった、打者心理への洞察力~4/15●楽天3-7ロッテ

※本稿は全文noteに公開中。最後までお楽しみいただけます。

元凶のボール先行2-0経由

先発・瀧中は5回3安打2失点。
悪くはない内容だったが、4回だけもったいない失点になった。

スコアレスで迎えた4回は、3番・中村奨から始まるロッテの攻撃。
3回1安打に封じていた瀧中は、敵軍主将に先頭打者四球を与えた。

唯一打たれた安打が中村奨だったことで、必要以上に意識してしまったのか。

ボール先行2-0から入ると、その後もカウントを並行に戻すことができない。力みからの逆球も発生し、4-1四球で1塁に歩かせた。

無死1塁、前回4/1●E5-16Mには走者一掃ツーベースを弾き返された4番・安田には右安を許し、無死3,1塁。その後、レアードの左犠飛でロッテに先制点を奪われた。

なおも2死1塁だ。7番・藤岡の右中間フェンス直撃ツーベースで1塁走者・安田が生還する。この一打について敵軍の井口監督は「尻に火がついた」と表現。藤岡と同じポジションを争う新外国人エチェバリアの合流が近々に迫っているのだ。(E0-2M)

ここもボール先行2-0経由。
ストライクが欲しい3球目、下妻のミットは真中構え。
そこめがけて投じた甘い投球を気持ちよく振り抜かれるかっこうになった。

カウント構築に失敗したというイメージだ。
中村奨への先頭打者四球も、藤岡の適時二塁打も、ボール先行2-0から始まっていた。

最初の2球でボールが並んでしまうと、どんな投手でもピッチングは苦しくなる。
実際、今シーズンの楽天戦で2-0を経由した両軍投手の成績は、被出塁率.505、被OPS816になっている。

◎試合展開

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◎両軍のスタメン
ロッテ=1番・荻野(左)、2番・マーティン(右)、3番・中村奨(二)、4番・安田(三)、5番・レアード(指)、6番・山口(一)、7番・藤岡(遊)、8番・柿沼(捕)、9番・藤原(中)、先発・岩下(右投)

楽天=1番・辰己(中)、2番・小深田(遊)、3番・島内(左)、4番・浅村(二)、5番・茂木(指)、6番・鈴木大(一)、7番・渡邉佳(三)、8番・小郷(右)、9番・下妻(捕)、先発・瀧中(右投)

打者心理を洞察せよ

また、藤岡の打席で2-0から真中にミットを構えた下妻のリードも、いただけなかった。捕手に求められる打者心理への洞察力が足りない。そう指摘されても仕方のない場面になった。

というのは、藤岡は前日キャリアで2度目の4三振だった。
全打席で三振を喫し、そのうち2打席は走者有の場面だった。

それだけに本戦では甘い球は積極的に応戦してくるだろう。
僕はそのように見立てていた。

キャリア初の4三振後の昨年9/14、藤岡はホームランを放っている。
翌日に甘い球を虎視眈々と狙ったと想像できる成績を作っていた。

僕は瀧中もそういう判断だったと思うのだ。
事実、2回2死走者なしの1打席目ではコースを厳しく突いての4-2四球だった。

だから、2打席目も甘くなるぐらいなら四球でもOK。
そのぐらいの心持ちで下妻はコースにミットを構えるべきだった。

下妻は前日出場しなかったので、前日の流れを把握できていなかったのかもしれない。あるいは、打たれても単打どまりだろう。そうタカをくくっていたとも考えられる。

もし歩かせても2死2,1塁で次打者は打力に乏しい8番・柿沼だ。
キャリア通算打率.146の専守防衛型の捕手と勝負すればよかったのである。

下妻も下妻なら、下妻のリードに誘発されて瀧中も甘い球を投じてしまったというわけだ。

茨の道

それにしても、今季の瀧中は艱難辛苦の苦行である。

初登板の4/1●E5-16Mで2回途中10失点と大炎上し、防御率が背番号に迫る54.00に跳ね上がったことが、全てを苦しくさせていると思う。

これで3登板を終えて防御率は7.90まで下がってきた。
とはいえ、この数字を3点台に突入させていくには、この後7回2失点のHQSを7試合連続で記録しなければならない計算になる。

それはリーグ屈指の日本代表クラスのエース級の仕事である。
途方もない行程に、僕が瀧中ならめまいを覚え、心折れかねないところだと気の毒に思う。

瀧中がこの逆風にどのように立ち向かうのか。
昨年秋から1人暮らしを始めたハッシュタグ男子に注目したい。【終】

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