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【戦評】鷲の新旧コンタクトヒッター共演の絶好ショーケース~8/12○楽天3x-2オリックス

お盆休みの本拠地が湧いたサヨナラ勝利

お盆休みの楽天生命パーク。
約2万8000人が息を飲んだ満員御礼ゲームは、劇的フィナーレで幕を下ろした。

2-2で突入した今季12試合目の延長戦。
決着ついたのは10回裏だった。

マウンド上はディクソン。

球団史上最大8点差をひっくり返した5/15日本ハム戦(○E9-8F)から約3ヵ月ぶり、今季5度目のサヨナラ勝利は、2者凡退した後の『2死走者なし』から始まった。

途中出場の6番・田中がフルカウント対決を見きわめての四球。

2死1塁、7番・渡辺佳が1-1から敵軍守護神のマネーピッチを打ち砕いた。
軽打にいかず威勢よくひっぱった打撃は、右翼線後方を襲うツーベース。

1塁走者・田中が長駆生還!
中継経由の本塁返球を一足先に制しての激走で3時間44分に終止符を打った。

鷲の新人選手による相手守護神攻略のサヨナラ打は、5/8ソフトバンク戦(○E8-7)で森からサヨナラ二塁打を放った辰己以来、今季2本目。

この日、デーゲームで始まった日本ハムvsソフトバンク戦は、仙台での試合開始前には終了。
戦況は3-6で若鷹軍団が勝利し、4連勝で首位固めを着実にしていた。

負ければ1位とのゲーム差が6.5に広がるところ、5.5に踏みとどまる執念の勝ちゲームなのだ。

両軍のスタメン

オリックス=1番・福田(二)、2番・西野(三)、3番・吉田正(左)、4番・ロメロ(指)、5番・モヤ(一)、6番・中川(右)、7番・後藤(中)、8番・安達(遊)、9番・若月(捕)、先発・K-鈴木(右投)

楽天=1番・茂木(遊)、2番・島内(左)、3番・浅村(二)、4番・ウィーラー(指)、5番・銀次(一)、6番・和田(右)、7番・渡辺佳(三)、8番・嶋(捕)、9番・辰己(中)、先発・岸(右投)

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経験をムダにしない渡辺佳明のサヨナラ打 

それにしても、新人離れしたバットコントロールに、とてもルーキーとは思えない勝負強さ。

日に日に増す渡辺佳の存在感は、本戦でも際立った。

結果球はディクソンの1-1からのナックルカーブ。
膝元付近に収まった攻略難しいブレーキングボールだった。

報道によると、自分で決める強い覚悟に加え、1塁走者・田中の走る時間を確保すべく、「(打球を)上げようという意識で」応戦したという。

なんとなく打たされている打席が少ないのだ。
1打席1打席しっかりとしたアプローチを見せるところも、とてもプロ1年目とは思えない。
その傾向が走者を置くと強まり、得点圏ではさらに傑出するのだろう。

これで塁状況別の打撃成績は、以下のとおり。


無し 打率.132、三振率26.4%
1塁 打率.250、三振率19.2%
得点圏 打率.533、三振率5.5%


走者が本塁に近づけば近づくほど、三振率を大きく削減し、打率も急上昇。
長打6本も、1塁で3本、得点圏で3本と全て走者有で記録している。

2013年の田中将大が、背負ったランナーが本塁に近づけば近づくほど、ストレートの球速が上昇し、比例してゴロ率もグングン上昇し、得点圏では62.9%を記録したたことと良く似た好内容なのだ。

ディクソンといえば、、、

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