【試合感想文】4/11オリックス6-0楽天:どうした宋家豪?今後の勝ちパに不安を残した8回3失点劇

宋家豪が心配です

お寒い打線が無援護を繰り返して遂に59イニング適時打なし。孤軍奮闘する則本昂大も新外国人ゴンザレスに2打席連続被弾を浴びる...

この展開での敗戦なら、今の楽天だったら十分に想像の範囲内だったと思う。

しかし、予想の範疇を超えて衝撃の4連敗になった原因は、8回の3失点に尽きる。

3点差を追う8回表だった。
オリックスは1番から始まる打順。楽天のマウンドは宋家豪。

1死後、この日ノリから2発決めた2番・ゴンザレスを起点にオリの打線がつながる。上位中軸の短長4連打でトドメは宋の失投を強引に仕留めた5番・杉本裕太郎の左越え2ランだった。

WBC台湾代表で1次ラウンドのパナマ、イタリア戦に登板し2.1回1安打無失点と好投、ペナントレース入ってもここまで3試合連続ホールドをマークする零封ピッチを続けてきた大型右腕が、不安を残す失点劇になってしまったのだ。

「不安を残す」と書いたのには理由がある。

じつは松井裕樹が200セーブをあげた前回4/5○E1-0L。1回無失点に抑えたものの、速球は平均139.2キロと球速が出ていなかった。宋は4シームと2シームを投げ分けるが、その2シームとて昨年は145.3キロを計測したから、明らかな異変だった。

実況ブースでは中田浩光アナが心配顔で球速減を指摘し、解説・野口寿浩さんも「身体が重そうというか、本来のキレがみられないですね」と応じる一幕があったのだ。

その前兆を受けての中5日で臨んだ本戦も平均143.0キロとスピードは戻っていなかった。

そもそも3点ビハインドの8回に宋をあげる必要があったのか。この場面は内もしくはこの日1軍昇格してきた西垣に機会を与えても良かったのでは?という疑問も残るが、宋の状態が心配だ。

スウィング/空振り率も本来の数字ではない。昨年は22.2%だったが、今年は本戦終了時で14.3%。やはり、好調時のキレがないと言えそう。

彼はここ5年間イーグルスのブルペンでよく尽くしてくれた。その勤続疲労が出てもおかしくはない。それに今年はWBCもあった。なんとか状態を取り戻してほしいと願うばかりなのだ。

試合展開

オリックス=1番・茶野(右)、2番・ゴンザレス(遊)、3番・森(指)、4番・中川(中)、5番・杉本(左)、6番・西野(二)、7番・頓宮(一)、8番・宗(三)、9番・若月(捕)、先発・山下(右投)

楽天=1番・西川(左)、2番・小深田(二)、3番・浅村(指)、4番・フランコ(一)、5番・島内(右)、6番・山﨑剛(遊)、7番・辰己(中)、8番・黒川(三)、9番・太田(捕)、先発・則本(右投)

両軍のスタメン

予告先発を読み間違えた説

高卒3年目の今年、開幕戦でプロ初登板を飾ったばかりの若き右腕にプロ初勝利を献上とは・・・

楽天打線のふがいなさにガッカリしているファンも多いと思う。

ただし、チーム打率.184は12球団中11位、真っ直ぐの対応は12球団で最も悪い今の打線のどん底を考えると、残念ながら、こういう事態になってしまうのも想像はできた。

それに、やっぱり、山下舜平太。タダモノではない。

高校2年時に大阪桐蔭との招待試合で5回12奪三振を記録したエピソードは良く知られているが、このとき投げていた球種はもっぱら真っ直ぐとカーブの2つだけだったという。

プロに入ってもオリの育成プランにのっとり、肩肘への負担防止の狙いもあるのだろう、ファームでもこの2球種だけで、フォークを覚えたのはつい最近だとか。下記のスポニチ記事には驚かされた。

また、チームに山本由伸がいる好影響もあり、野球に対して常にストイックという話も聞く。マウンドでは物怖じせず、趣味は食事管理。「揚げ物はほとんど食べません。タンパク質やビタミンなど、メリットを分かりながら食べるのが面白くてやっています」と語るほどなのだ。

そんな肝っ玉座った20歳右腕にプロ初白星を献上したわけだが、そもそも楽天は山下が先発してくることを前日の予告先発が出るまで想定してなかった説もありそうだ。

もちろん開幕戦からの投げ抹消で最短登録できるのがこの日だったわけだが、山﨑福也や山岡泰輔が投げてくる可能性もありえた。実際・・・(続く)

...続きは『Shibakawaの楽天イーグルス観戦記2023』でどうぞ。

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2018年9月のGM就任から始まった石井体制も5年目へ突入。今年はGM職を外れて監督業に専念する総決算・集大成の戦いに。監督も「狙うのは優勝ですね。優勝以外を掴まされてもハズレ」と不退転の決意を示す今シーズンを試合感想文やコラムなどで綴ります。あなたの野球観戦の「良き伴走者」を目指して。月10回以上を所収ただいま新規読者さん募集中!

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