【試合感想文】 3/6楽天5-2阪神:長いトンネルを抜けたイヌワシ打線、今季最多20塁打
イヌワシ打線、今季最多20塁打
イヌワシ打線がようやく長い長いトンネルを抜けた。
会心の当たりでは決してなかった。
飛んだコースに恵まれたという要素も多分に含むもの。
打ち上げたにみえたフライで中継の画角ではファウルかフェアか?という飛球が、右翼線沿いに着弾。ツーバンでポール際フェンスに到達するスタンダップダブルだった。
初回1死走者なし、2番・村林一輝による右翼線二塁打は、チーム125打席ぶりに放った長打に。2/25●E2-4DB(宜野座)の7回1死走者なし、鈴木大地のツーベース以来、じつに10日ぶりの長打だった。
この日、僕の住む信州上田は午前中の降雪から午後は冷風厳しい曇天模様。
桃の節句を過ぎた3月も半ばに向かおうとする時期なのに、天候は真冬並みの厳しさだった。
甲子園も同様だ。強風が吹く曇り空だった。
両軍投手陣がしきりに指に息を吹きかけたり、途中からセンターの守備に入った中島大輔が風に吹かれて寒そうにぽつねんとする姿が中継カメラに射抜かれていた。
あまりにも寒かったというのもあるのだろう。主砲の浅村栄斗は2打席を終えた3回裏の守備からベンチに退いた。永井怜コーチいわく「40(球)はいかないように設定しないといけない」と臨んだ先発・田中将大も余裕を残した2回26球でお役御免に。首脳陣には状態が万全ではないベテランに寒さのなかプレーを続けて怪我でもされたら・・・と親心があったのかもしれない。
そんな厳しい気象条件のなか、火力不足が課題だったイヌワシ打線が14安打と躍動!
いっくんの二塁打を皮切りに長打も、渡邉佳明のソロ弾など3二塁打、1本塁打の計4本!
安打数は2/18●F6-5E(金武)の15安打に続く今季2番目の多さ、塁打数は2/18の19を越える今季最多20を記録した。
3安打は伊藤裕季也、2安打はフランコ、渡邉佳、阿部寿樹、石原が記録。
久しぶりに僕らの溜飲を下げる活発な打線を目撃することができた。
これで、実戦成績13試合3勝9敗1分、オープン戦は6試合3勝3敗の5位タイになった。
マイキー、弱点克服なるか?!
この日、バットで最も目を奪われる勇姿をみせたのは、来日2年目のマイケル・フランコだった。
広島との倉敷3連戦では3試合連続安打。2戦目の3/2○C1-3Eでは「打席では何も考えず」「甘い球を逃さず」ストレートを弾き返して右前決勝打にした助っ人が、2本の左越えフェンス直撃のツーベースを放った。
9回1死から放った2本目のときは2塁塁上でバーベルをあげる仕草をみせ、ホームランにならなかったことに苦笑いしたマイキー。
しかし、この日はいつもの右から左への浜風ではなく、左から右へ吹く強風だったため、風に押し戻された部分はあったかもしれない。
1本目は左腕・岩崎優(1軍通算637回、昨年セリーグ最多セーブ)、2本目は右腕・加治屋蓮(同189回、昨年51登板16H1S)。打った面々が良く、両者とも昨年のアレに大きく貢献した主戦級だった。
もっと言えば、そんな彼らのカウント取りの真っ直ぐを仕留めたところもポジれるところだ。
というのは、昨年のマイキーはストレートに弱かった。
来日1年目のホームラン12発の結果球を確認すると、ストレート撃ちはわずかに2本だけ。結果不問でウォーニングゾーン以遠に到達した大飛球という条件では21本のうち真っ直ぐ撃ちは7本。変化球での戦果に比べるとファストボールの戦果は遅れをとっていたからだ。
倉敷で記録したヒット3本のうち2本も真っ直ぐを攻略しており、その意味では違った姿を見せつつあるのかもしれない。
家族の事情で遅れてキャンプに合流したとき、「間違いなく去年よりいい成績を残せる自信がある」と報道陣に抱負を語っていたフランコ。まずはOPS.728、50打点、15本塁打を越えてくることができるか。ちなみにこの数字は外国人選手の地盤沈下が目立った昨年、優良外国人と言われた西武マキノンが残した成績になる。
途中出場から内容ある3安打
今年は黒髪短髪に変えて移籍3年目のキャンプを迎えた伊藤裕が、オープン戦チーム初の猛打賞。
それも、3回裏にレフト守備からプレーに入ってという、《途中出場からの3本固め打ち》という珍しいかたちになった。
1本目は・・・(続く)
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