20160125夢と感動

──東北は日の出を待っている── shibakawaが作る犬鷲選手名鑑2016(2)

中川大志、嶋基宏、武藤好貴、森雄大、今江敏晃、相沢晋、宮川将、大塚尚仁、岩崎達郎、小関翔太の10選手分

プロ野球のキャンプインも間近に迫ってきましたね。2月下旬になると、書店の店頭を一斉に賑わすことになる選手名鑑の数々。各社が力を込めて作る名鑑は合計10数冊以上にも及び、以前、当ブログでは10冊以上を買い込み、名鑑比較を実施したこともありました。

お気に入りの選手名鑑を眺めているうち、実際に中に入って選手名鑑作りに携わってみたいなあ!と思う気持ちが強まってきた近年。何度かTwitterで思いの丈を叫んでみたりしましたが、オファーが来る訳もございません(泣)

そこで、依頼が来ないのなら作ってしまえ!という企画。鷲ファンの中で楽天の成績やスタッツを最もウォッチし、月3万PVを誇る楽天応援ブログを運営、ベースボールチャンネルなど他媒体にも寄稿するshibakawaが、その責任編集の名において、魂込めて犬鷲選手名鑑を作成しようという試みです。

作成に当たり、独自ルールを2つ設けました。

主力選手/注目選手の寸評は本文500字のテキスト。その他選手は250字の分量を守ります。

市販の選手名鑑に記載がある過去の主要成績等は省略します。今やネットで簡単に調べることできますしね。代わりに、楽天戦全試合の記録を集計しているshibakawaならではの珍しいデータ、注目して欲しい数字、当該選手の見どころなどを適宜、クローズアップします。

第2回目の本稿では、中川大志、嶋基宏、武藤好貴、森雄大、今江敏晃、相沢晋、宮川将、大塚尚仁、岩崎達郎、小関翔太の10選手を取り上げていきます。


中川大志・・・スーパーマンの活躍を!

今年1月、立花社長の45歳誕生日お祝い動画にスーパーマンのコスプレで登場。画面を独占し「今年は絶対に優勝しましょう!」宣言で話題になった中川。そのためにも、西田と共に悲願の生え抜き打者二桁本塁打を達成させ、さらにその先を目指して欲しい。

昨年は今後のブレイクを予感させる前夜の活躍になった。最終的な成績は206打席で.235/.293/.358、5本塁打、21打点に止まったが、その衝撃度は数字以上である。

ヒーローインタビュー5回はチーム野手最多タイ数。全17打席で記録した打点付き打席の内訳は先制3、同点3、勝ち越し4、逆転1、サヨナラ1。17打席中12打席がゲームの流れを左右する重要なシーンで発生した。

特に12試合連続安打もあった5月が熱かった。月間打率.338はチーム1位、13打点は同2位、3本塁打は1位タイ。プロ1号を刻んだ5月10日敵地ホークス戦では二塁打も2本放ち、昨年チームで初めて1試合3長打を放った打者になった。同21日ファイターズ戦では第27代4番打者に就任。以降14試合で起用された。

今年は今江の加入でウィーラーが左翼またはDHにまわってくる。争いは熾烈だ。外国人勢との定位置争いに打ち勝ち、8年目覚醒のスタートラインに立ちたい。

☆中川のココが凄い!⇒ファースト・スイングでの戦果が目覚ましい

ここ最近、主力打者の成績を「1打席内で何スイングしたか?」そのスイング数別に分けて算出する試みをしている。まだ集計途中だが、中川はファースト・スイングでの成績が素晴らしいこと判明した。

◎スイング別 打撃成績

◎球数別 打撃成績

ファースト・スイングのOPSは.822。これは嶋の.645、藤田の.725、銀次の.669を大きく上回っている。打率で見ても、中川の.307は銀次.293、藤田.305、嶋.245を上回った。

楽天選手が選んだ2015年ベストゲーム1位に選んだ5月31日巨人戦。延長10回にマシソンの152キロをサヨナラ本塁打にした時も、小関が「一球で仕留めた凄さ!」と選出理由に挙げたように、文字通り一振りで仕留めた一発だった。ホームラン5本中4本がファースト・スイング時に生まれていた。

成績を球数別で見た場合は、2球目までが良いことが確認できる。「1打席2球目以内&ファースト・スイング」という条件設定だとOPS/打率は1.000/.391を誇るのだ。逆に、1打席で2回以上スイングした時、1打席で3球以上の対戦になった時の成績はいずれも悪い。

昨年の中川は、投手との駆け引きが始まる前の"一振り勝負"に強く、逆に空振りやファウルで"一振り勝負"に失敗し、文脈や布石が発生した3球目以上の対戦になると、弱かったと言える。今年は投手との駆け引きで有利に立てるよう改善が必要だ。

☆克服して欲しい中川の課題点⇒右投手が投げてくるファストボール

11月30日配信のメルマガVol.115で御紹介したとおり、中川の成績を球種別で見ると、ストレートのOPS/打率が.484/.165と低かった。

その低いストレート成績を左右投手別に分解すると

vs左投手 OPS.792、打率.263
vs右投手 OPS.385、打率.133

となっており、左腕が投げてくるストレートには対応できていた一方、右腕のストレートを攻略できず、その結果が全体の数字を押し下げる原因にもなっていた。

そこで下記にゾーン打率を出してみた。右投手ストレートで唯一とも言えるホットゾーンは.400を記録した外角中段のみ。マシソンの152キロを仕留めたのも、このホットゾーンだった。今年は右投手のストレートをヒットにできるホットゾーンをもっと増やしていきたい。

◎vs右投手ストレート ゾーン・コース打率

※ここから先、嶋基宏、武藤好貴、森雄大、今江敏晃、相沢晋、宮川将、大塚尚仁、岩崎達郎、小関翔太の9選手分は有料エリアでご覧ください。200円になります。

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