ゴールデングラブ受賞の今こそ考えたい、老いゆく藤田一也の来季起用方法、楽天の次世代正二塁手問題

こんばんは。故郷の英雄・真田幸村の赤備えがクリムゾンレッドに見える信州上田在住の楽天ファン、ブログ有料メルマガnoteの運営と合わせて、「週刊野球太郎」など野球専門メディアにも寄稿する野球ブロガーの@eagleshibakawaです。

本日、朗報が舞い込んできましたね!

プロ野球の守備ベストナインを決めるゴールデングラブ賞。その2016年の受賞者が本日発表され、楽天からは藤田一也選手がパリーグの二塁手部門で2年ぶり3度目の受賞になりました。

▼パリーグの受賞者

パリーグ二塁手部門は、2位で68票の日本ハム・田中賢介選手、3位で得票数60票だった西武・浅村栄斗選手との三つ巴の激戦になりましたが、藤田選手が最多87票を得て、見事に栄冠を手にしました。

これには嬉しいですよね。

思い起こせば今年は年明けから並々ならぬ決意の藤田選手でした。

個人トレーナーと契約し、コンディショニング面を全面的に見てもらう体制を整える一方、京都わかさスタジアムの合同自主トレでは本拠地天然芝化に対応した守備練習に汗を流すなど、2013年から2年連続で手中に収めながらも、2015年に失ったゴールデングラブ賞の奪還に燃えていました。このことは、フリーアナウンサー/ライターの土井麻由美さんによる下記記事が詳しいですので、そちらに譲ります。

◎「ゴールデングラブ賞もベストナインも取り返す!」―東北楽天ゴールデンイーグルス・藤田一也選手の誓い (2016年1月18日 11時30分配信)

シーズン中も、守備職人の称号に相応しい数々の美技を僕らに見せてくれました。

まず、その守備率.993は規定試合数到達のパリーグ二塁手でNo.1の数値でした。ゴールデングラブ賞のライバルになった田中賢、浅村の両選手がいずれも二桁10個のエラーを記録したのに対し、藤田選手は僅かに4。そのエラーの中身を見ても素晴らしく、内野手によくありがちな送球エラーがゼロ!!!でした。

正確無比なスローイングは投手陣を何度も救いました。本塁方向から向かって2塁ベースの右、藤田選手の左側に飛び、中前へ抜けていきそうなゴロ打球に対し逆シングルで好捕、そこから淀みない1塁へのジャンピングスローで打者走者をアウトにしたケースは、例えば、5月14日ロッテ戦の7回加藤選手の二ゴ、8月24日西武戦の7回鬼崎選手の二ゴなどが挙げられます。

5月11日西武戦では状況判断能力の高さをkoboスタの観衆に見せつけました。

楽天1点リードながらも、4回に迎えた無死3,1塁のピンチです。金子侑司選手のゴロはショート茂木選手の正面へ。内野前進守備ではなく中間守備でした。誰しもが6-4-3の併殺コースで同点となる3塁走者の本塁生還やむなしと思った中、藤田選手は2塁封殺後に本塁返球へ。

いわく「三塁ランナー(は木村昇吾選手でした)のスタートが遅れたのが見えて、間に合うと思って投げた」。本塁間一髪&リプレー検証を経てタッチアウトのビッグプレーで相手の得点を許しません。梨田監督も「ミスがたくさんあった中、あれで流れを止めてくれた」と絶賛する好判断になりました。

6月17~同19日、横浜スタジアムで行われた古巣DeNAとの3連戦では存在感を発揮しました。打っては11打数5安打3点、守備でも好守連発で2本の併殺を完成させるなど、暴れまくりました。

藤田選手の美技、好守、ファインプレーはまだまだ沢山あって、これ以上書き連ねるとそれだけで文字数10,000字は超えてしまいますので、1点だけ書き記すと、3点差以内で走者有の競った展開で実に17個のファインプレーでチームの危機を救っていたのが、今シーズンの背番号6でした。

年明けの自主トレから精力的にトレーニングを積み、シーズン中は素晴らしいパフォーマンスを見せた結果が、ゴールデングラブ賞というかたちで結実しました。

これには藤田選手も相当嬉しかったようで、「今年からコボスタが天然芝に変わり、自分のプレースタイルを変えたり、けがもあったりした中での受賞なので、大変うれしく思います。ゴールデングラブ賞は現役でいる限り、ずっと狙っていきたい賞ですので、来年も受賞できるよう頑張ります」というコメントを発表しています。

しかしですね。一歩視点を引いて冷静に物事を俯瞰すると、、、とってもとっても寂しい話なのですが、終わりの始まりが既にスタートしていることに気付くのです。正二塁手ゴールデングラブ受賞の今こそ、"ポスト藤田" の次世代二塁手問題を考えることは、危機管理上、大切なことだと思うんです。

ここで丁寧に書いておくと、素晴らしい選手である事実と、老いゆく事実は対立事項、相反する要素ではありません。人間誰しも避けては通れない道なのですから。

◎藤田一也 二塁スタメン出場数

藤田選手は、2012年6月24日のトレードで楽天へ移籍してから、656試合中、実に74.2%に当たる487試合で楽天の正二塁手として二塁スタメン出場してきました。楽天の歴代二塁手ベストナインという括りで言っても、今や高須洋介選手を大きく上回る支持を集めて1位になること間違いないと思います。

しかしですね。そんな藤田選手も人の子です。2017年は35歳を迎え、いよいよアラフォーの仲間入りになります。寄る年波の影響はどうしても受けざるをえず、その例が近年故障がちなところだと思います。

ところで、年齢という切り口から、各々のポジションの選手起用を考えることって凄く大切だと思うんです。

例えば、FA宣言を表明した日本ハム・陽岱鋼選手。楽天もオリックスと共に獲得合戦に参戦と報じられていますが、もちろん、陽選手が素晴らしい選手であることは重々承知の上なのですが、個人的にはあまり乗り気ではないんです。

というのは、陽選手の真の意味での全盛期は既に過ぎ去っているのでは?ということ。2008年~2015年の8年間、NPB各球団で最も出場数が多かった中堅手97人中、30歳以上で中堅100試合以上のスタメンを張ったのは、僅かに4人しかいないという『正中堅手三十路限界説』に、来年30歳になる陽選手がひっかかってしまうこと等があるからです。

同じような手法で、二塁手を年齢の視点から調べてみました。

イーグルスが新規参入した2005年以降、NPBで年間50試合以上スタメン出場した二塁手のべ155人が調査対象です。

その結果を棒グラフにまとめたのが、下記になります。ぜひご覧ください。

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