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【退団/惜別】下妻貴寛 ── 怪我⇒育成⇒復活、不屈の9年間

※本稿は全文をnoteに公開中。最後までお楽しみいただけます。

「吹き抜ける浜風のように爽やかに、正々堂々と全力でプレーすることを誓います」

震災1年後の12年センバツで選手宣誓を務めた球児のNPB挑戦は、9年目で終着駅を迎えた。

不屈の現役人生である。
上背186cmはチーム生え抜き捕手の歴代最身長。

1軍定着の期待が高まった高卒6年目の18年春、選手生命を脅かしかねない怪我(右肩関節唇の損傷)に見舞われて育成契約へ。24~25歳という旬の2年間を1軍出場なしに終わり、BCリーグへ武者修行に派遣される経験も味わった。

そして再び支配下へ戻ってきた20年、大谷翔平似の27歳はキャリアハイの43試合でプレーし、僕らに爽やかな感動をもたらした。

生涯通算の捕手防御率3.59が示すように、インサイドワークが持ち味。

最も印象に残るのは20年10/11西武戦での瀧中プロ初勝利だ。
激しい雨中戦で一般には制球が困難なカーブを大胆に30%も用いて緩急演出。9回2死まで完封という快挙に貢献した。

渡辺直人引退試合の同年11/6西武戦では岸の2失点完投勝利をアシスト。
とくに2点先制した直後の相手中軸対決(外崎、栗山、中村)ではカーブを1球も使わずに打者にカーブを意識させて三者凡退に退ける好リードをみせた。

いっぽう、盗塁阻止には難が。高校時代は強肩で鳴らしたが、18年右肩痛の影響も大きくプロでは弱肩に。生涯通算の盗塁阻止率は.191に終わった。

長身が災いしたのか捕球技術にも課題を抱えた。
9回平均のバッテリーエラーは同0.49個と多く、20年は四球時の暴投が3個、適時暴投も4個を記録した。

打撃は打率(.174)と出塁率(.190)がほぼ同じの典型的なフリースウィンガー。P/PA3.14が表すように、かなりの早打ちだった。しかし2軍では故郷・山形でハッスルすることが多く、通算打率.205のところ.270と良く打った。

唯一のヒーローインタビューは攻守で活躍した20年9/24本拠地ロッテ戦。
マスクをかぶって5投手の零封リレーを完成させ、岩下から放ったプロ唯一の本塁打が決勝点になった。【終】

◎山形の2軍戦打撃成績

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◎1軍での捕手防御率

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◎1軍での盗塁阻止率

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