見出し画像

【試合感想文】 5/20ロッテ6-1楽天:交流戦までの借金完済ならず

雲散霧消の逆襲シナリオ

3連戦の初戦が雨で流れた後、僕は懸命に『最下位が首位を食らう逆襲シナリオ』を描いていた。

イーグルス2連勝で借金圧縮の道筋はあったはずなのだ。
というのは、金曜日の雨天中止が決まった後、ロッテの先発ローテが再編されることが決まったからだ。

当初、敵軍の先発は西野勇士、森遼大朗、佐々木朗希。右手中指まめの影響で5/5ソフトバンク戦を最後にローテから外れていた令和の怪物が日曜日で復帰する予定だった。

ところが、アタマが雨で流れたことで、西野、森がそれぞれスライド、佐々木は5/28ソフトバンク戦にまわることが吉井理人監督の口から明言されていた。

ということは、則本昂大が西野に投げ勝てば、2戦目は勝機は大きく広がることになる。佐々木朗と森では3段階以上は力量がランクダウンする。どちらが御しやすいかは明々白々だからだ。

Twitterですでに言及したとおり、幸いにもノリはスライド登板が得意。過去12試合でスライドして10勝1敗、防御率1.87、QS率83.3%だった。昨年は4/29が雨で流れて5/1にスライドしたものの、当日も強雨に見舞われ9安打されながらも5回1失点にまとめて勝利投手になるタフさもみせていた。

それだけに本戦も期待していたし、ノリも5回までは1-1の投手戦でゲームを作ってくれていたのだが、6回に浅村栄斗のエラーや自らの四球などで崩れてしまった。上手くはいかないものですね。

これで借金は今季最多タイ7となった。交流戦まで残り6試合。全勝しても借金完済はできず、交流戦に突入するまでに借金完済したいという1つの目標は未達となった。

試合展開

ロッテ=1番・池田(一)、2番・友杉(遊)、3番・中村奨(二)、4番・ポランコ(指)、5番・安田(三)、6番・岡(中)、7番・角中(左)、8番・田村(捕)、9番・平沢(右)、先発・西野(右投)

楽天=1番・山﨑剛(遊)、2番・小深田(中)、3番・伊藤裕(三)、4番・浅村(二)、5番・島内(左)、6番・フランコ(指)、7番・岡島(右)、8番・鈴木大(一)、9番・太田(捕)、先発・則本(右投)

両軍のスタメン

走塁巧者の足を封じた岡島の好返球

初回1死2塁、則本の立ち上がりを救うライト岡島豪郎の素晴らしいプレーが飛び出した。

3番・中村奨吾の右飛は定位置のイージーフライ。このとき2塁走者・池田来翔は果敢にタッチアップで3塁を狙ってきた。それを素晴らしいダイレクト好返球で刺したのが、元々は捕手で『実況パワフルプロ野球』最新査定でも肩力「B72」を誇るタケローだった。

今季、楽天外野陣の補殺は4個。この数はソフトバンクと並んでパリーグ4位タイ。最多7個のファイターズ外野陣と比べて少ない数字だが、それはさておき、岡島の今季2個目の補殺は『次塁を狙うランナーを中継を経由せず直接送球でアウトにした鷲外野陣今季初の外野補殺』になっている。

当noteでも何度か言及してきたが、近年のロッテは走塁巧者である。俊足が揃っているという選手の力量もあるが、じつはDELTA4/10メルマガでも指摘されていたように、三塁コーチを任されている大塚明1軍外野守備兼走塁コーチの野球観・手腕も大きい。

「2022年シーズン反省」という題名がついた、大塚コーチの昨年11/12ブログを見てください。

そこにはBsR、UBR、wSBといったセイバーメトリクスの盗塁や走塁指標が出てくる。

いわく

「毎年の目標として、セイバーメトリクスの走塁指標である『BsR』で、12球団No.1になることを掲げてシーズンに取り組んでいます」

というのだ。

ブログでも説明があるように、BsRはUBRとwSBに分けられる。前者はベースランニング、後者は盗塁だ彼は3塁コーチのため、前者への関与の度合いが高くなる。

俊足が揃うロッテ選手のポテンシャルに加えて、大塚3塁コーチの的確な指示が、近年のロッテを走塁巧者にしている。僕のTwitterの過去ログでも、2021年の時点で大塚コーチの優秀さについて言及するツイートがある。

同年他日には「特に驚かされるのは2塁走者=外国人のときでも、大塚コーチは腕をグルグルまわすこと。走塁はハムストリングスなど怪我リスクもあるため、ふつうは外国人にあまり無理をさせない。でも、ロッテの外国人は超アグレッシブに走る」とツイートしていた。

話が長くなったが、初回の岡島好返球は、そんな大塚コーチの思惑を阻止する見事なプレーになったわけで、今季6度目の5点差以上ついた敗戦になった本戦の中でも、見どころのあるシーンになった。

ただし・・・(続く)

...続きは『Shibakawaの楽天イーグルス観戦記2023』でどうぞ。

楽天イーグルスを周囲よりも“半歩”詳しく知りたいあなたへ──

2018年9月のGM就任から始まった石井体制も5年目へ突入。今年はGM職を外れて監督業に専念する総決算・集大成の戦いに。監督も「狙うのは優勝ですね。優勝以外を掴まされてもハズレ」と不退転の決意を示す今シーズンを試合感想文やコラムなどで綴ります。あなたの野球観戦の「良き伴走者」を目指して。月10回以上を所収。ただいま新規読者さん募集中!

《読者さんの声続々!》「観る野球から考える野球へ。過程を検証する姿勢、セオリーを疑うことで見えてくる景色の提示など、野球の奥深さを覗くことができます。こちらを読むようになってから、本棚に野球の関連本が増えました」(東海在住40代男性さん)

★ご登録は下記からどうぞ! あなたのご参加お待ちしてます!

ここから先は

2,512字 / 2画像

¥ 100

読者の皆さんにいただいたサポートで、さらなる良い記事作りができるよう、心がけていきます。